
恋愛や結婚について考えるとき、相手の条件や第一印象に心が引っぱられることがあります。けれど、英国の小説家ジェーン・オースティン(Jane Austen)の物語が描くのは、もっと複雑で人間らしい心の動きです。
代表作『高慢と偏見(Pride and Prejudice)』をはじめ、『エマ』『分別と多感』『説得』には、恋愛だけでなく、自分を知ること、他人を正しく見ること、自分の人生を自分で選ぶことについての言葉が残されています。
この記事で分かること
- ジェーン・オースティン作品の英語の名言7選と自然な日本語訳
- 恋愛・結婚・読書・自己理解を表す英語
- 難しい名言を、初心者が知っている英語で言い換える方法
- 『高慢と偏見』などの原文で使われる表現
Contents
- 1 ジェーン・オースティンとは?
- 2 ジェーン・オースティンの英語の名言7選
- 2.1 1. It is a truth universally acknowledged…
- 2.2 2. There is no enjoyment like reading!
- 2.3 3. Till this moment, I never knew myself.
- 2.4 4. There is no charm equal to tenderness of heart.
- 2.5 5. If I loved you less, I might be able to talk about it more.
- 2.6 6. My idea of good company…
- 2.7 7. There could have been no two hearts so open…
- 3 7つの言葉から学べる3つのこと
- 4 覚えておきたい英単語・表現
- 5 まとめ|人を見る目は、自分を見る目とつながっている
- 6 参考資料
ジェーン・オースティンとは?
ジェーン・オースティンは1775年にイングランドで生まれた小説家です。生涯に公刊された長編小説は6作。家庭、舞踏会、訪問、結婚といった一見小さな世界を舞台にしながら、経済力や階級、女性の選択肢、そして人が自分や他人を見誤る姿を鋭く描きました。
オースティン自身の発言として広まっている言葉には出典が曖昧なものもあります。そこで今回は、本人が書いた小説の原文に確認できる言葉に絞って紹介します。登場人物の言葉であることも明記し、その場面の意味と英語表現を一緒に見ていきましょう。
ジェーン・オースティンの英語の名言7選
1. It is a truth universally acknowledged…
It is a truth universally acknowledged, that a single man in possession of a good fortune, must be in want of a wife.
十分な財産を持つ独身男性は妻を必要としているに違いない。それは世間一般に認められた真理である。
『高慢と偏見』の有名な冒頭です。大まじめな「真理」のように始まりますが、実際には裕福な独身男性を結婚相手として見る周囲の思惑を、皮肉たっぷりに表しています。オースティンらしいユーモアが最初の一文に凝縮されています。
英語ポイント:universally acknowledged は「広く認められている」、be in want of は「~を必要としている」という少し古風な表現です。
初心者なら、こう言ってもOK
Everyone thinks he needs a wife.
みんな、彼には妻が必要だと思っています。
2. There is no enjoyment like reading!
I declare after all there is no enjoyment like reading!
結局のところ、読書ほど楽しいものはないと断言します。
これも『高慢と偏見』の一節です。ただし話しているキャロライン・ビングリーは、本当に読書に夢中というより、ダーシーの気を引こうとしています。引用だけを見ると美しい読書賛歌ですが、場面まで読むと人間の見栄が見えてくる。そこがオースティン作品の面白さです。
英語ポイント:There is no A like B は「BほどAなものはない」。after all は「結局のところ」です。
Nothing is more fun than reading.
読書より楽しいものはありません。
3. Till this moment, I never knew myself.
Till this moment, I never knew myself.
この瞬間まで、私は自分自身のことを何も分かっていなかった。
『高慢と偏見』で、エリザベスが自分の判断を振り返る場面の言葉です。彼女はダーシーの高慢さだけでなく、自分自身も第一印象や好悪に左右されていたことに気づきます。恋愛小説の転換点であると同時に、自己理解の物語を象徴する一文です。
英語ポイント:till は until と同じく「~まで」。know myself は「自分自身を知る」です。
I did not understand myself.
私は自分のことを分かっていませんでした。
4. There is no charm equal to tenderness of heart.
There is no charm equal to tenderness of heart.
心の優しさに勝る魅力はありません。
『エマ』で語られる言葉です。外見、話術、家柄など、人を魅力的に見せるものはいろいろあります。しかし長く人と関わるほど、本当に大切なのは相手を思いやる心だと分かります。
英語ポイント:equal to はここでは「~に匹敵する」。tenderness of heart は「心の優しさ、思いやり」です。
A kind heart is the best charm.
優しい心が一番の魅力です。

5. If I loved you less, I might be able to talk about it more.
If I loved you less, I might be able to talk about it more.
もしあなたへの愛がもう少し小さければ、もっと上手にそのことを話せたかもしれない。
『エマ』でナイトリーが思いを伝える場面です。愛が深いからこそ、きれいなスピーチにできない。その不器用さが、かえって言葉の真実味を強くしています。
英語ポイント:If I loved … less, I might … は仮定法。「実際には深く愛しているので、うまく話せない」という現実と反対の想像です。
I love you so much that words are hard.
あなたをとても愛しているので、言葉にするのが難しいです。
6. My idea of good company…
My idea of good company, Mr. Elliot, is the company of clever, well-informed people, who have a great deal of conversation.
私が思うよい仲間とは、賢く、知識があり、豊かな会話のできる人たちです。
『説得』でアン・エリオットが語る言葉です。よい人間関係は人数や華やかさではなく、互いに考えを交わせることから生まれる。年齢を重ねてからの恋愛と再出発を描く『説得』らしい、落ち着いた価値観が表れています。
英語ポイント:company は「会社」だけでなく「一緒にいる人々、仲間」。well-informed は「知識のある」です。
Good friends have good talks.
よい友達とは、よい会話ができます。
7. There could have been no two hearts so open…
There could have been no two hearts so open, no tastes so similar, no feelings so in unison.
これほど心を開き合い、好みが似ていて、気持ちが調和する二人はいなかったでしょう。
『説得』で、アンとウェントワースの結びつきを振り返る一節です。一度は別れた二人が、時間と経験を経て再び向き合う物語だからこそ、「心を開く」「気持ちが調和する」という言葉が深く響きます。
英語ポイント:in unison はもともと音楽で「同じ音で」。そこから「調和して、一致して」という意味になります。
We understand each other.
私たちはお互いを理解しています。
7つの言葉から学べる3つのこと
1. 第一印象は、真実とは限らない
『高慢と偏見』の原題は Pride and Prejudice。pride は「高慢、誇り」、prejudice は「偏見」です。エリザベスもダーシーも、相手だけでなく自分自身の見方を修正することで関係を変えていきます。映画の英語表現も楽しみたい方は、映画『プライドと偏見』で学ぶ英語もあわせてどうぞ。
2. 恋愛は「相手選び」だけでなく「自分を知ること」
I never knew myself. という気づきは、相手をどう評価するかより前に、自分が何を恐れ、何に惹かれ、どんな思い込みを持っているかを見る大切さを教えてくれます。
3. 言葉のうまさより、心の誠実さが伝わる
If I loved you less … のように、完璧に話せないこと自体が本気の証になる場合もあります。英会話でも、難しい表現より I care about you. や I want to understand you. のような短い言葉のほうが気持ちを伝えやすいことがあります。
覚えておきたい英単語・表現
| 英語 | 意味 | 簡単な例文 |
|---|---|---|
| acknowledge | 認める | She acknowledged her mistake. |
| after all | 結局のところ | It was a good day after all. |
| know myself | 自分を知る | I want to know myself better. |
| tenderness | 優しさ | She spoke with tenderness. |
| in unison | 調和して、一致して | We answered in unison. |
まとめ|人を見る目は、自分を見る目とつながっている
ジェーン・オースティンの名言が200年以上たった今も読まれるのは、恋愛や結婚の形が変わっても、人が第一印象に迷い、誤解し、そして理解し直す心の動きは変わらないからでしょう。
まずは次の3文を声に出してみてください。
A kind heart is the best charm.
優しい心が一番の魅力です。
I did not understand myself.
私は自分のことを分かっていませんでした。
We understand each other.
私たちはお互いを理解しています。
言葉と生き方の関係をさらに読みたい方には、メアリー・オリバーの英語の名言7選もおすすめです。
参考資料
- Project Gutenberg: Pride and Prejudice
- Project Gutenberg: Emma
- Project Gutenberg: Persuasion
- Project Gutenberg: Sense and Sensibility
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