
a white elephantは、「お金や手間がかかるのに役に立たず、持て余しているもの」を表す英語イディオムです。日本語の「無用の長物」に近いですが、特に高価だった・立派に見える・処分しにくい・維持費がかかるというニュアンスを伴います。
この記事では、a white elephantの意味と由来、自然な使い方、よく使われる対象、the elephant in the roomなどとの違い、簡単な英語での言い換えまで解説します。
Contents
a white elephantの意味は「高価だが持て余すもの」
a white elephantは、見た目や購入価格は立派でも、実際には役に立たず、維持や管理だけにお金がかかる物・建物・計画などを指します。
The old mansion has become a white elephant.
その古い大邸宅は、維持費ばかりかかる厄介な資産になっています。
The stadium turned out to be a white elephant.
そのスタジアムは、結局お金ばかりかかる無用の長物でした。
しゅみすけ(大山俊輔)
white elephantのイメージを分解すると?
このイディオムには、次の3つの要素があります。
- 価値があるように見える、または高いお金をかけた
- 実際の利用価値や利益が少ない
- 維持費や管理の負担が大きい

そのため、壊れた安物のペンのように、簡単に捨てられる物をwhite elephantとは普通言いません。大きな建物、使われない公共施設、採算の取れない設備、豪華すぎる贈り物など、負担が無視できないものによく使います。
なぜ白い象が「厄介な高級品」になる?
white elephantの由来は、東南アジアで白い象が神聖で非常に貴重な存在とされたことに関係します。大切に世話をする必要がある一方、労働に使うことはできず、飼育には多額の費用がかかりました。
「シャム(現在のタイ)の王が、失脚させたい相手へ白い象を贈り、飼育費で困窮させた」という有名な話もあります。ただし、これは史実として確実な話というより、イディオムの由来として伝わる伝説と考えるのが安全です。
大変名誉な贈り物に見えても、受け取った側には大きな負担になる。この矛盾したイメージから、現在の「高価だが役に立たず、維持に困るもの」という意味が生まれました。
どんなものに使う?
建物・公共施設
最も典型的なのは、利用者が少ないのに維持費の高い建物です。
The new convention center could become a white elephant.
新しいコンベンションセンターは、維持費ばかりかかる施設になる可能性があります。
Without enough visitors, the museum will be a white elephant.
十分な来館者がいなければ、その博物館は無用の長物になってしまいます。
会社の設備・プロジェクト
The company spent millions on software that nobody uses. It’s a white elephant.
会社は誰も使わないソフトウェアに何百万も費やしました。完全に持て余しています。
Management is worried that the factory may become a white elephant.
経営陣は、その工場がお金ばかりかかる施設になるのではと心配しています。
個人の買い物・贈り物
That huge boat became a white elephant after he moved inland.
内陸へ引っ越した後、その巨大なボートは持て余すだけの物になりました。
The antique piano is beautiful, but it’s a bit of a white elephant in this small apartment.
そのアンティークピアノは美しいのですが、この小さなマンションでは少し持て余します。
よく使われる形と文法
A is a white elephant
対象を主語にして、「Aは無用の長物だ」と評価する基本形です。
This building is a white elephant.
この建物は維持費ばかりかかる無用の長物です。
A becomes/turns into a white elephant
最初から問題だったのではなく、状況の変化によって「持て余すものになる」ときに使います。
The resort became a white elephant when tourists stopped coming.
観光客が来なくなると、そのリゾートは維持費ばかりかかる存在になりました。
A turns out to be a white elephant
期待に反して、後から「実は役に立たない高コストな物だった」と分かった場面です。
The expensive machine turned out to be a white elephant.
その高価な機械は、結局持て余すだけの物だと分かりました。
a bit of a white elephant
断定を少し和らげ、「ちょっと持て余している物」と言えます。
Our second car is becoming a bit of a white elephant.
2台目の車は、少し持て余すようになってきました。
white elephantとuselessの違い
uselessは単純に「役に立たない」という意味です。値段や維持費、処分の難しさは含みません。
This broken remote is useless.
この壊れたリモコンは役に立ちません。
The empty hotel is a white elephant.
その空っぽのホテルは、維持費ばかりかかる厄介な資産です。
- useless:役に立たない
- a white elephant:役に立たず、費用や管理の負担まで大きい
white elephantとmoney pitの違い
money pitは、修理や維持に次々とお金が吸い込まれる物を指します。役に立っている場合でも、費用があまりに大きければmoney pitと言えます。
This old car is a money pit.
この古い車は、修理費が際限なくかかります。
a white elephantは、費用だけでなく利用価値の低さ・持て余している状態に重点があります。
the elephant in the roomとの違い
象を使う表現でも、the elephant in the roomは意味がまったく違います。「誰もが気づいているのに、触れようとしない大きな問題」のことです。
The budget problem is the elephant in the room.
予算問題は、皆が気づきながら避けている大問題です。
- a white elephant:高価だが役に立たず、負担になる物
- the elephant in the room:明白なのに誰も話したがらない問題
しゅみすけ(大山俊輔)
white elephant gift/white elephant partyとは?
北米ではwhite elephant gift exchangeやwhite elephant partyという言い方があります。参加者が、実用性の低い面白い贈り物や不要品を持ち寄り、交換するパーティーです。
We’re having a white elephant gift exchange at the office.
職場で、面白い不要品を持ち寄るプレゼント交換をします。
ここでは本来の「持て余す物」という意味を、遊びとして贈り物交換に発展させています。必ずしも本当に高価な物を持っていくわけではありません。
日本人が間違えやすいポイント
人を直接white elephantと呼ばない
通常は物、建物、計画、施設などに使います。人を指して使うと失礼で、不自然になりやすいため避けましょう。
単なる「白い象」との区別
実際の白い象を指す場合にもwhite elephantと言えます。比喩かどうかは文脈で判断します。イディオムとして数えられる一つの物を表すときは、通常a white elephantの形です。
高価なら何でも使えるわけではない
高価でも便利で十分に活用されているならwhite elephantではありません。「費用に見合う価値がない」「使い道に困る」という要素が必要です。
簡単な英語で言い換えるなら?
a white elephantが出てこなくても、基本語で意味を直接説明できます。
- It costs a lot, but we don’t use it.(お金がかかるのに、使っていません)
- It is expensive to maintain.(維持費が高いです)
- We don’t know what to do with it.(どう扱えばよいか分かりません)
- It is more trouble than it is worth.(価値以上に面倒です)
The house costs a lot to maintain, and nobody lives there.
その家は維持費が高いのに、誰も住んでいません。
このように「費用がかかる」「使っていない」を分けて言えば、難しいイディオムを思い出せなくても十分に伝わります。
まとめ
a white elephantは、「高価・立派に見えるのに実用性が低く、維持費や管理の負担が大きいもの」を表します。建物、設備、プロジェクト、乗り物など、簡単に処分できず持て余しているものによく使われます。
単に役に立たないならuseless、修理費が次々かかるならmoney pit、費用に見合わず持て余しているならa white elephantと使い分けましょう。
関連する表現は、英熟語・定型表現の一覧や、色を使った英語イディオムの一覧でも確認できます。









