
carryを使った句動詞には、carry on、carry out、carry over、carry throughなど、日常会話にも仕事にも欠かせない表現があります。
ところが、carryを「物を運ぶ」とだけ覚えていると、「carry onはなぜ続ける?」「carry outは外へ運ぶのに、なぜ計画を実行する?」「carry overとcarry forwardはどう違う?」と迷いやすくなります。
先に全体像を言うと、carryの中心には「何かを支えた状態を保ちながら、別の場所・時間・段階へ運ぶ」感覚があります。運ぶものは荷物だけではありません。仕事、計画、影響、数字、感情、責任などもcarryできます。
この記事では、carryを使った句動詞を頻出度・意味・使用場面別に整理し、語順や似た表現との違いもまとめます。各表現の詳しいニュアンスと例文は、実在する専門記事へ進んで確認できます。
句動詞そのものの仕組み・語順・覚え方を基礎から確認したい方は、句動詞とは?意味・仕組み・語順・覚え方をご覧ください。
Contents
まず覚えたいcarry句動詞7選
| 句動詞 | 中心となる意味 | 短い例文 |
|---|---|---|
| carry on | 続ける・続行する | Please carry on with your work. 仕事を続けてください。 |
| carry out | 計画・実験・指示を実行する | We carried out the plan. 私たちは計画を実行しました。 |
| carry over | 持ち越す・影響が残る | The balance will carry over. 残高は繰り越されます。 |
| carry through | やり遂げる・切り抜けさせる | She carried the project through. 彼女はプロジェクトをやり遂げました。 |
| carry forward | 次へ繰り越す・生かす | We carried the idea forward. 私たちはその考えを次へ進めました。 |
| carry off | うまくやってのける・勝ち取る | She carried off the role beautifully. 彼女はその役を見事に演じ切りました。 |
| carry around | 持ち歩く・抱え続ける | I carry a notebook around. 私はノートを持ち歩いています。 |
しゅみすけ(大山俊輔)
carryの最低限のコアイメージ
carryの基本は「何かを持って運ぶ」ですが、単に一瞬持ち上げるのではありません。支えた状態を保ち、そのものを先の場所・時間・段階まで移動させることが重要です。
- carry:何かを支えたまま先へ運ぶ
- パーティクル:運ぶ方向・到達点・結果を加える
- carry+パーティクル:何をどこまで保ち、どの状態へ運ぶかを表す
例えば、onは「そのまま先へ続く」感覚です。していることを支えたまま先へ運ぶため、carry onは「続ける」になります。outは「内側から外へ、目に見える結果として出す」方向なので、計画や指示を現実の行動へ運び出すcarry outが「実行する」になります。

carry+パーティクルで意味はどう広がる?
| 組み合わせ | 組み合わせのイメージ | 代表的な意味 | 例文 |
|---|---|---|---|
| carry+on | 今していることを支えたまま先へ運ぶ | 続ける・続行する | Carry on talking. 話を続けてください。 |
| carry+out | 考え・計画を外へ出し、現実の結果にする | 実行する・遂行する | They carried out an experiment. 彼らは実験を行いました。 |
| carry+over | 時間・区切りの境界を越えて運ぶ | 持ち越す・繰り越す・影響が残る | The problem carried over into Monday. 問題は月曜日まで持ち越されました。 |
| carry+through | 困難や過程の中を最後まで通して運ぶ | やり遂げる・切り抜けさせる | Her support carried me through. 彼女の支えで私は乗り切れました。 |
| carry+forward | 価値や数字を次の段階へ進める | 繰り越す・次へ生かす | Let’s carry these lessons forward. この学びを今後に生かしましょう。 |
| carry+off | 難しいことを自分の側から成果へ運び切る | やってのける・賞を勝ち取る | He carried off the victory. 彼は勝利を手にしました。 |
| carry+around | 物・感情をあちこちへ持って移動する | 持ち歩く・抱え続ける | Don’t carry that guilt around. その罪悪感を抱え続けないでください。 |
carryを使った句動詞一覧
ここからは、b-cafe.netで専門記事を公開しているcarry句動詞をまとめます。まず頻出表現を押さえ、その後に自分の仕事・学習・生活で使う表現へ広げてください。
| 句動詞 | 主な意味 | 使用場面 | 個別解説 |
|---|---|---|---|
| carry on | 続ける・続行する | 日常・仕事・会話 | carry onの意味・使い方 |
| carry out | 実行する・遂行する | 計画・実験・指示 | carry outの意味・使い方 |
| carry over | 持ち越す・繰り越す・影響が残る | 仕事・会計・感情 | carry overの意味・使い方・語順 |
| carry through | やり遂げる・困難を切り抜けさせる | 仕事・目標・困難 | carry throughの意味・使い方・語順 |
| carry forward | 次へ繰り越す・経験を生かす | 会計・仕事・学習 | carry forwardの意味・使い方・語順 |
| carry off | うまくやってのける・賞を勝ち取る | 挑戦・演技・競争 | carry offの意味・使い方・語順 |
| carry around | 持ち歩く・感情を抱え続ける | 日常・旅行・感情 | carry aroundの意味・使い方・語順 |
句動詞と区別したいcarry-on
carry onは動詞として「続ける」という句動詞です。一方、ハイフン付きのcarry-onは、carry-on baggageやa carry-onの形で「機内持ち込みの/機内持ち込み手荷物」を表します。
旅行英語での使い分けは、carry-on・checked baggage・personal itemの違いで詳しく解説しています。
意味・場面からcarry句動詞を探す
仕事・計画を進める
- carry on:中断せず、仕事や活動を続ける
- carry out:決めた計画・指示・調査を実際に行う
- carry through:途中で投げず、計画や約束を最後までやり遂げる
- carry forward:学び・考え・成果を次の段階へ進める
時間・会計・影響
- carry over:残高・休暇・問題を次の期間へ持ち越す
- carry forward:数字を次の欄・年度へ繰り越す
- carry over into:感情・影響・問題が別の場面まで残る
困難・挑戦・成功
- carry through:人を困難な時期の終わりまで支える
- carry off:難しい仕事・服装・役柄などを見事にこなす
- carry off a prize:賞を勝ち取る
物・感情を持ち続ける
- carry around:携帯電話・鍵・ノートなどを持ち歩く
- carry around guilt / anger:罪悪感・怒りなどを心に抱え続ける
- carry over:前の出来事の感情や影響を次の場面まで引きずる
混同しやすいcarry句動詞の違い
carry onとcarry out
carry onは、すでにしている仕事・活動をそのまま「続ける」ことです。carry outは、計画・指示・実験などを現実の行動として「実行する」ことです。
We carried on working.(私たちは仕事を続けました。)
We carried out the plan.(私たちは計画を実行しました。)
carry overとcarry forward
carry overは、もの・影響・残高などが境界を越えて次の時期や場面へ「残る・持ち越される」ことに焦点があります。carry forwardは、価値あるものや数字を意識的に次の段階へ「進める・生かす」響きがあります。
carry outとcarry through
carry outは、計画や指示を実際に行うことです。carry throughは、困難や途中の過程を通り抜け、最後まで完了させることに焦点があります。
carry offとpull off
どちらも「難しいことをうまくやってのける」ですが、日常会話ではpull offのほうが一般的です。carry offは、役・服装・振る舞いを堂々と成立させる場合や、賞を勝ち取る場合にも使われます。
carry aroundとbring
carry aroundは、物を身につけたり手元に置いたりして、あちこちへ持ち歩くことです。bringは、話し手・聞き手・目的地のほうへ物を持って来る方向に焦点があります。
carry onとkeep going
どちらも「続ける」ですが、carry onは活動をそのまま続行する表現です。keep goingは、困難でも止まらず前進する励ましとして特によく使われます。
carry句動詞の語順と文法
carry句動詞には、自動詞として目的語を取らない形と、目的語を間に入れられる分離可能な形があります。
自動詞として使うcarry on・carry over
- Please carry on.(どうぞ続けてください。)
- The problem carried over into the next week.(問題は翌週まで持ち越されました。)
carry onの後ろに活動を続ける場合は、carry on doingまたはcarry on with+名詞を使います。
- She carried on talking.
- She carried on with her work.
分離できる句動詞
carry out、carry over、carry through、carry forward、carry off、carry aroundは、他動詞として使う場合、名詞目的語をcarryとパーティクルの間に置くことができます。
- Carry out the plan.
- Carry the plan out.
- Carry it out.
- Carry the balance forward.
- Carry me through.
目的語がit・this・them・meなどの代名詞なら、原則としてcarry+代名詞+パーティクルの語順です。
- 正:We carried it out.
- 誤:We carried out it.
- 正:Her support carried me through.
- 誤:Her support carried through me.
後ろの前置詞まで型で覚える
carry over into+場面、carry through with+計画、carry on with+活動などは、後ろの前置詞と名詞まで一つの型で覚えると安全です。
- Stress carried over into my private life.
- She carried through with her promise.
- Let’s carry on with the discussion.
しゅみすけ(大山俊輔)
しゅみすけ式:carry句動詞が出てこなかったら?
句動詞を忘れても、難しい一語へ置き換える必要はありません。誰が何をどうしたのかを、中学英語で直接説明すれば十分に伝わります。
| 言いたい句動詞 | 簡単な言い換え |
|---|---|
| carry on 続ける |
Please keep doing it. それを続けてください。 |
| carry out 計画を実行する |
We did what we planned. 私たちは計画したことを行いました。 |
| carry over 翌週へ持ち越す |
We will do the rest next week. 残りは来週行います。 |
| carry through やり遂げる |
She finished it, even though it was difficult. 難しかったですが、彼女は最後まで終えました。 |
| carry forward 学びを次へ生かす |
We will use what we learned next time. 学んだことを次回に生かします。 |
| carry off うまくやってのける |
She did it very well. 彼女はそれをとてもうまく行いました。 |
| carry around 怒りを抱え続ける |
He stays angry wherever he goes. 彼はどこへ行っても怒ったままです。 |
学ぶときは、次の順番なら負担を減らせます。
- まずcarry on・carry out・carry overを覚える
- on・out・overの方向を意識する
- 仕事や日常で自分が使う例文を一つ作る
- 代名詞を使った語順を声に出す
- 出てこなければ、簡単な説明文へ分解する
carry句動詞の覚え方
carry句動詞は、日本語訳を横一列に暗記するより、carryとパーティクルの役割を分けて見るほうが整理しやすくなります。
carryは「何かを支えたまま先へ運ぶ」。onならそのまま先へ、outなら外へ出して現実に、overなら境界を越えて、throughなら過程の最後まで、forwardなら次の段階へ、aroundならあちこちへ、という方向を加えます。
句動詞だけでなく英熟語・定型表現全体を体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめもご覧ください。
まとめ
carryを使った句動詞の中心には、「何かを支えた状態を保ちながら、別の場所・時間・段階へ運ぶ」という感覚があります。そこへパーティクルが方向・到達点・結果を加えます。
- 最初はcarry on、carry out、carry overから始める
- 物だけでなく、仕事・計画・影響・感情もcarryできる
- carry throughは最後まで通す、carry forwardは次へ進める
- 分離できる句動詞では、代名詞をcarryとパーティクルの間に置く
- 出てこなければ、簡単な説明文へ分解する
気になる表現を一覧から選び、個別記事で意味の仕組み・自然な例文・語順・類似表現との違いまで確認してみてください。









