
above suspicion は、「疑いを差し挟まれない」「疑われる余地がない」という意味の定型表現です。ただし、単に「疑っていない」と言うのではありません。人柄やこれまでの行動が信頼されていて、不正・うそ・悪事をしたのではないかという疑いの対象にならない、というニュアンスがあります。
この記事では、above と suspicion の感覚から意味を理解し、よく使う be above suspicion の語順、自然な例文、above reproach・beyond doubt との違いまで分かりやすく解説します。
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above suspicionの意味は「疑いを差し挟まれない」
above suspicion の主な意味は次のとおりです。
- (人が)疑いを持たれないほど信頼できる
- (行動・取引などが)不正を疑われる余地がない
- 潔白で、疑惑の対象にならない
多くの場合、be動詞 + above suspicion の形で使います。
Her honesty is above suspicion.
彼女が誠実であることに疑いの余地はありません。
The accountant has always been above suspicion.
その会計担当者はこれまでずっと、疑いを持たれないほど信頼されてきました。
日本語では文脈に応じて「疑いの余地がない」「潔白だ」「疑われるような人ではない」と訳すと自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜaboveで「疑われない」になる?
above の基本は「〜より上に」です。ここでは物理的な位置ではなく、ある好ましくない状態や批判の及ぶ範囲を超えている感覚で使われています。
- above:〜より上に、〜の及ばないところに
- suspicion:疑い、疑惑
つまり above suspicion は、直訳的には「疑惑より上にいる」。そこから、疑いが届かないほど信用されているという意味になります。
この above は「能力が高い」というランキングの上ではありません。疑惑という線を引いたとき、その線より上にいて巻き込まれない、という比喩です。
基本の形と語順
1.人 + be above suspicion
人について「疑う理由がない」「潔白だ」と言う基本形です。
Everyone trusted Mia; she was above suspicion.
皆がミアを信頼しており、彼女は疑われるような人ではありませんでした。
No one is automatically above suspicion.
初めから絶対に疑われない人などいません。
否定文の no one is above suspicion は、犯罪捜査や社内調査の場面で「誰であっても調査対象になり得る」という意味によく使われます。
2.行動・記録・取引 + be above suspicion
人だけでなく、手続きや取引が公正で、不正を疑われないことにも使えます。
All payments must be above suspicion.
すべての支払いは、不正を疑われないものでなければなりません。
We kept detailed records so the process would remain above suspicion.
手続きに疑念を持たれないよう、私たちは詳細な記録を残しました。
3.put / place someone above suspicion
「人を疑いの対象外に置く」という形もあります。ただし、会話では be above suspicion のほうが覚えやすく使いやすいでしょう。
His long record of honest work seemed to place him above suspicion.
長年の誠実な仕事ぶりから、彼は疑いの対象外に見えました。
日常・仕事で使えるabove suspicionの例文
仕事
To avoid conflicts of interest, the hiring process must be above suspicion.
利益相反を避けるため、採用手続きは疑いを持たれないほど公正でなければなりません。
Her handling of customer data was completely above suspicion.
彼女の顧客データの扱いには、まったく疑わしい点がありませんでした。
Managers are not above suspicion when company funds go missing.
会社の資金がなくなった場合、管理職も疑いの対象外ではありません。
人間関係・家庭
I trusted him, but that didn’t mean he was above suspicion.
私は彼を信頼していましたが、だからといって絶対に疑わしくないという意味ではありませんでした。
Her explanation was simple, and her behavior seemed above suspicion.
彼女の説明は単純で、行動にも疑わしいところはなさそうでした。
ニュースや物語
At first, the respected doctor appeared to be above suspicion.
当初、その尊敬されている医師は疑われる余地がないように見えました。
The detective warned that nobody in the house was above suspicion.
刑事は、家の中の誰も容疑の対象外ではないと警告しました。
above suspicion・above reproach・beyond doubtの違い

above suspicion:不正を疑われない
焦点は suspicion(疑惑) です。人や行動について「何か悪いことをしたのでは」という疑いが及ばないことを表します。
Her conduct was above suspicion.
彼女の行動には疑わしい点がありませんでした。
above reproach:非難される点がない
reproach は「非難・とがめ」。above reproach は、疑惑だけでなく、道徳や態度の面でも非難できる点がないことを表します。
Public officials should behave in a way that is above reproach.
公務員は、非難される点がないように振る舞うべきです。
beyond doubt:事実が疑いようもない
beyond doubt は、人の潔白よりも、主張・証拠・事実の確実性に焦点があります。
Her talent is beyond doubt.
彼女の才能は疑いようがありません。
詳しい使い分けは、beyond doubtの意味とno doubtなどとの違いでも確認できます。
「疑いの余地がない」ならいつでも使える?
いいえ。日本語の「疑いの余地がない」には少なくとも2種類あります。
- 人が不正をしていないと信用されている → above suspicion
- 事実や能力が確実である → beyond doubt / there is no doubt
たとえば「彼の英語力に疑いの余地はない」を His English ability is above suspicion. とすると、不正疑惑の話のように響きやすく不自然です。この場合は次のように言います。
His English ability is beyond doubt.
彼の英語力には疑いの余地がありません。
「疑う」に当たる英語全体の整理は、doubt・suspect・question・be skeptical ofの違いも参考にしてください。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本人が間違えやすいポイント
above suspicion ofとはしない
基本表現は be above suspicion です。「〜の疑いがない」と日本語から組み立てて、後ろに of を足す必要はありません。
△ He is above suspicion of cheating.
○ He is above suspicion.
○ No one suspects him of cheating.
具体的に「カンニングを疑われていない」と言いたいなら、二つ目のように suspect A of B を使うほうが明快です。
自分から強く主張すると大げさになりやすい
I am above suspicion. は文法的に正しいものの、「私は疑われるはずがない」と自分で潔白を強く主張する響きがあります。日常会話では状況を直接説明するほうが自然です。
I wasn’t involved.
私は関わっていません。
You can check my messages if you want.
必要なら私のメッセージを確認してもいいですよ。
簡単な英語で言い換えるなら?
above suspicion がすぐ出てこなくても、次の基本表現で十分伝えられます。
- No one suspects her.(誰も彼女を疑っていません)
- There is no reason to suspect him.(彼を疑う理由はありません)
- We trust her completely.(私たちは彼女を完全に信頼しています)
- Everything was open and honest.(すべてが開かれていて公正でした)
- Nothing looked dishonest.(不正に見えるものは何もありませんでした)
特に会話では、抽象的なイディオムを無理に使うより、No one suspects him. のように主語と動詞をはっきりさせると伝わりやすくなります。
関連表現
- beyond suspicion:疑いの及ばないところに。above suspicion と近いが、above suspicion のほうが定型的
- free from suspicion:疑惑がない、疑いから解放されている
- under suspicion:疑いをかけられている
- look suspicious:怪しく見える
- clear someone of suspicion:人への疑いを晴らす
above suspicion と under suspicion は反対方向の表現としてセットで覚えると便利です。
ほかの重要表現を探したい方は、英熟語・定型表現の一覧もご覧ください。
まとめ
above suspicion は、「人や行動が、不正を疑われる余地がない」という意味です。基本の形は 人・行動 + be above suspicion。above には、疑惑の及ぶ範囲より上にいるという比喩的な感覚があります。
above suspicion は人や行動への疑惑、above reproach は非難される点のなさ、beyond doubt は事実の確実性を表します。迷ったときは「何が疑われているのか」を考えると、自然な表現を選べます。









