
out of pocket は、文脈によって意味が大きく変わる表現です。最も一般的なのは「自腹で・自己負担で」ですが、アメリカの仕事の会話では「不在で・連絡が取れなくて」、イギリス英語では「損をして」という意味でも使われます。
さらに、名詞の前では out-of-pocket costs のようにハイフンを入れます。この記事では3つの主要用法と、近年の口語的な使い方まで、例文と一緒に整理します。
Contents
out of pocketの3つの意味
- 自腹・自己負担で
- 不在で・連絡が取れなくて
- 支出によって損をして
I paid for the medicine out of pocket.
私はその薬代を自腹で払いました。
I’ll be out of pocket this afternoon.
今日の午後は不在で、連絡が取りにくくなります。
After the refund, I was still $50 out of pocket.
返金後も、私はまだ50ドル損をしていました。
しゅみすけ(大山俊輔)

意味1:自腹・自己負担で
最も広く使われる用法です。保険、会社、ほかの人などから費用が支払われず、自分のお金を使って支払うことを表します。
out of は「〜の中から外へ」、pocket は「ポケット」です。自分のポケットからお金を取り出して払うイメージが、そのまま意味につながっています。
pay out of pocket
We had to pay for the repairs out of pocket.
私たちは修理代を自腹で払わなければなりませんでした。
Will I have to pay out of pocket?
私は自己負担で払う必要がありますか。
pay for A out of pocket
She paid for the hotel out of pocket and claimed the expense later.
彼女はホテル代をいったん自腹で払い、あとで経費を申請しました。
out-of-pocket costs / expenses
名詞の前に置くと「自己負担の」という形容詞になります。
My out-of-pocket medical costs were higher than expected.
医療費の自己負担額は予想より高くなりました。
Keep receipts for all out-of-pocket expenses.
立て替えたすべての経費の領収書を保管してください。
意味2:不在・連絡が取れない
アメリカのビジネス会話では、be out of pocket が「席を外している」「連絡が取れない」「対応できない」という意味で使われます。
I’ll be out of pocket from two to four.
2時から4時までは不在で対応できません。
Maria is out of pocket today, so please contact me instead.
マリアは今日は連絡が取れないため、代わりに私へ連絡してください。
単にオフィスにいないだけでなく、メールや電話にもすぐ対応できないという含みがあります。ただし、地域や職場によってはなじみが薄く、意味1の「自己負担」と受け取られる可能性もあります。
分かりやすい言い換え
- I’ll be unavailable this afternoon.
今日の午後は対応できません。 - I’ll be away from my desk.
席を外します。 - I may not be able to respond.
返信できないかもしれません。
意味3:損をして・持ち出しになって
特にイギリス英語では、be 金額 out of pocket の形で「その金額だけ損をしている」「持ち出しになっている」と表します。
The canceled trip left us £200 out of pocket.
旅行が中止になり、私たちは200ポンドの損をしました。
I don’t want you to be out of pocket because of this mistake.
このミスのせいで、あなたに金銭的な損をさせたくありません。
意味1は「誰が費用を払ったか」に焦点があり、意味3は「結果として金銭的に損をしたか」に焦点があります。
ハイフンは必要?
基本ルールは、置かれる位置で判断できます。
- 動詞の後ろ:out of pocket
- 名詞の前:out-of-pocket
I paid out of pocket.
私は自腹で払いました。
It was an out-of-pocket expense.
それは自己負担の経費でした。
名詞の前では3語がまとまって名詞を説明するため、ハイフンでつなぎます。
名詞のout-of-pocket maximumとは?
アメリカの医療保険で見かける out-of-pocket maximum は、加入者が一定期間に負担する対象医療費の上限です。日本語では「自己負担上限額」などと訳されます。
Once you reach your out-of-pocket maximum, the plan covers eligible costs according to its terms.
自己負担上限額に達すると、保険プランは規約に従って対象費用を負担します。
deductible(免責金額)とは同じではありません。保険の条件は契約ごとに異なるため、実際の支払いでは契約書を確認しましょう。
近年のスラング:out of pocket=不適切・度を越して
アメリカの口語やSNSでは、out of pocket が「常識外れな」「不適切な」「度を越した」という意味で使われることがあります。
That joke was out of pocket.
その冗談は度を越していました。
His comment was completely out of pocket.
彼の発言は完全に不適切でした。
これはカジュアルな用法で、世代や地域によって受け取り方が異なります。仕事の正式な文章では inappropriate や out of line のほうが明確です。
場面別の自然な例文
海外旅行
Travel insurance covered most of the bill, but I paid $80 out of pocket.
旅行保険で請求額の大半は補償されましたが、80ドルは自己負担でした。
仕事・経費
You won’t have to pay out of pocket; the company will book the flight.
自腹で払う必要はありません。会社が航空券を予約します。
I’ll be out of pocket during the client visit.
顧客訪問中は連絡が取りにくくなります。
病院・保険
How much will this test cost out of pocket?
この検査の自己負担額はいくらですか。
買い物・返金
The store refunded the item, so I wasn’t left out of pocket.
店が商品代を返金したので、私は損をせずに済みました。
類似表現との違い
at your own expense
at your own expense も「自費で」という意味です。out of pocketより説明的で、案内や規則などにも使いやすい表現です。
Meals must be paid for at your own expense.
食事代は自己負担で支払う必要があります。
up front
pay up front は「前払いする」です。あとで返金されるかどうかではなく、支払いのタイミングに焦点があります。
reimburse
reimburse は「立て替えた費用を払い戻す」です。
The company will reimburse your travel expenses.
会社が旅費を払い戻します。
「対応できない」という意味では unavailable が最も明確で、地域差も少ない言い換えです。
日本人が間違えやすいポイント
「ポケットの外」と直訳しない
物理的な位置ではなく、通常はお金や対応可能性についての定型表現です。何の話をしているかで意味を決めます。
自己負担と前払いを混同しない
自分がいったん払っても、あとで全額払い戻される場合があります。out of pocket は自分の資金から支払うこと、up front は先に払うことです。
「不在」の用法を誰にでも使わない
相手がこの用法を知らないと、お金の意味に誤解される可能性があります。国際的な職場では unavailable のほうが安全です。
しゅみすけ(大山俊輔)
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
- I paid with my own money.
自分のお金で払いました。 - Insurance didn’t pay for it.
保険では支払われませんでした。 - The company will pay me back.
会社があとで返金してくれます。 - I won’t be available this afternoon.
今日の午後は対応できません。 - I lost money on it.
それで損をしました。
まとめ
out of pocket には、主に「自腹・自己負担で」「不在・連絡不能で」「損をして」という3つの意味があります。お金の話か、仕事の予定・連絡の話かを見れば判断しやすくなります。
動詞の後ろでは out of pocket、名詞の前では out-of-pocket costs のようにハイフンを入れます。地域差のある表現なので、迷ったときは with my own money や unavailable で直接伝えましょう。
ほかの定番表現もまとめて確認したい方は、英熟語・定型表現の一覧もご覧ください。











