
仕事のオファーを受けるか、引っ越すか、大きな買い物をするか。すぐに答えを出さず、「少し考えさせてください」と言いたい場面は、仕事にも日常にもあります。
そんなときにぴったりなのが think over です。意味は「よく考える」「熟考する」。ただ頭に思い浮かべるのではなく、決断する前にメリットや心配な点を一通り検討するニュアンスがあります。
この記事では、thinkとoverのコアイメージから、think aboutとの違い、think it overの語順、consider・sleep on itとの使い分けまで、仕事と恋愛で使える例文とともに解説します。
先に結論!
- think over:決断前に、ある問題や提案をよく検討する
- コアイメージ:考える対象の上を端から端までたどり、全体を見渡す
- 名詞なら think over the offer / think the offer over の両方が可能
- 代名詞なら必ず think it over。
think over itは基本的に避ける
Contents
Think overの意味は「よく考える・熟考する」
think overは、提案、問題、計画、決断などについて、結論を出す前に慎重に考える句動詞です。
I’ll think over your proposal.
あなたの提案をよく検討します。
She needs time to think over the offer.
彼女には、そのオファーを検討する時間が必要です。
Let me think it over.
少し考えさせてください。
過去形・過去分詞はthinkの不規則変化に合わせて、どちらも thought になります。
I thought it over and decided to accept.
よく考えた結果、受け入れることにしました。
単に「考えた」ではなく、いくつかの面を検討してから結論に至ったことが伝わります。
コアイメージは「対象の上を一通り回って見る」

thinkは「考える」。overは「上を越える」という基本イメージから、「端から端まで」「全体を覆うように」という広がりを持ちます。
think overでは、ひとつの問題や選択肢の上を思考がぐるりと通り、良い面、悪い面、時間、お金、気持ち、将来への影響などを見渡します。
そのため、「一瞬思い出す」よりも、答えを出すために一通り検討するという感覚になります。
同じoverの「全体をたどる」感覚は、go over(確認する・見直す)にも見られます。go overは資料などの上を順番にたどって確認し、think overは考える対象を頭の中で一通りたどる、と捉えると違いが見えます。
Think overとThink aboutの違い
どちらも「~について考える」と訳せますが、焦点が異なります。
| 表現 | 中心となる意味 | よく使う対象 |
|---|---|---|
| think about | 広く~について考える・思い浮かべる | 人、過去、将来、話題、予定 |
| think over | 答えや決断のために慎重に検討する | 提案、問題、選択、オファー |
I often think about my childhood.
私はよく子どもの頃のことを考えます。
子ども時代を思い出したり、あれこれ考えたりするだけで、何かを決める必要はありません。この場合はthink aboutが自然です。
I need to think over your suggestion.
あなたの提案をよく考える必要があります。
こちらは、その提案を採用するかどうかなど、判断につながる検討です。
think aboutでも慎重に考える場面には使えますが、think overには「一通り考えてから返事をする」という結論志向のニュアンスがよりはっきりあります。
Think it overの語順に注意
think overは、目的語を間に入れられる分離可能な句動詞です。目的語が普通の名詞なら、次の2つが使えます。
Think over the plan.
Think the plan over.
その計画をよく考えてください。
どちらも正しい表現です。ただし、目的語がitやthemなどの代名詞なら、必ずthinkとoverの間に置きます。
I’ll think it over.
よく考えてみます。
We thought them over carefully.
私たちはそれらを慎重に検討しました。
I’ll think over it. ではなく、I’ll think it over. と覚えましょう。「代名詞は真ん中」というルールは、write it downなど、多くの分離可能な句動詞に共通します。
Let me think it overは「考えさせてください」
Let me think it over. は、すぐ返答せず検討する時間が欲しいときの定番フレーズです。
A: Would you like to join the new project?
新しいプロジェクトに参加しませんか?
B: It sounds interesting. Let me think it over.
面白そうですね。少し考えさせてください。
Let me … は「私に~させて」。命令的な響きではなく、会話では「ちょっと~させてね」という自然な前置きです。
より丁寧に時間を求めるなら、次のように言えます。
Could I have some time to think it over?
検討する時間を少しいただけますか?
I’d like to think it over before I make a decision.
決断する前によく検討したいと思います。
仕事のオファー、契約、役割変更などで、その場の勢いだけで返事をしたくないときに便利です。
仕事で使えるThink overの例文
提案やオファーを検討する
Thank you for the offer. I’d like a few days to think it over.
オファーをありがとうございます。数日検討する時間をいただきたいです。
We’ll think over your proposal and get back to you.
ご提案を検討し、改めてご連絡します。
get back to youを加えると、検討後に返事をすることまで伝えられます。
チームに慎重な判断を促す
Let’s think this over before we change the schedule.
スケジュールを変更する前に、よく考えましょう。
We should think over the possible risks.
考えられるリスクをよく検討すべきです。
Let’s think this over. は、議論を止めるためではなく、「いったん全体を見てから決めよう」と提案する表現です。
検討した結果を伝える
I’ve thought it over, and I agree with your plan.
よく考えましたが、あなたの計画に賛成です。
After thinking it over, we decided not to proceed.
検討した結果、進めないことに決めました。
現在完了のI’ve thought it overは、「検討を終え、今は答えが出ている」という流れに合います。
恋愛・人間関係で使えるThink over
think overは、交際、結婚、同居、別れなど、すぐには答えられない人間関係の決断にも使えます。
I need some time to think things over.
いろいろ考える時間が必要です。
Think it over before you make a final decision.
最終的に決める前に、よく考えてみて。
I’ve thought over what you said.
あなたが言ったことをよく考えました。
think things over は、ひとつの提案だけでなく、状況全体を整理して考える表現です。恋愛の会話では、「もう終わり」という意味ではなく、感情だけで反応せず、状況を見直す時間が欲しいことを表せます。
ただし、相手を不安にさせたくないなら、いつ返事をするかも添えると親切です。
I need to think things over, but I’ll call you tomorrow.
少し考える必要があるけど、明日電話するね。
Think over・Consider・Sleep on itの違い
| 表現 | ニュアンス | 例 |
|---|---|---|
| think over | いろいろな面からよく考える | think over an offer |
| consider | 検討する。やや中立的・フォーマル | consider the options |
| sleep on it | 一晩置いてから決める | Let me sleep on it. |
| weigh up | 長所と短所を比較検討する | weigh up the pros and cons |
We’ll consider your application.
応募について審査・検討します。
considerはビジネス文書でも使いやすい単語です。think overは会話的で、「こちらでよく考えてみます」という人間らしい響きがあります。
It’s a big decision. Let me sleep on it.
大きな決断なので、一晩考えさせてください。
sleep on itは、文字どおり眠っている間ずっと考えるという意味ではありません。すぐに決めず、一晩時間を置いて翌日に新鮮な頭で判断するというイディオムです。
think it overは検討の方法を、sleep on itは時間を置くことを強調します。両方を一緒に使うこともできます。
I’ll think it over and give you an answer tomorrow.
よく考えて、明日お返事します。
Think overを使うときの注意点
人そのものを「考える」ならThink about
I’m thinking about you.
あなたのことを考えています。
人を思い浮かべたり、恋しく思ったりする場面でthink overは使いません。I’m thinking you over. では、「あなたを判断材料として細かく吟味する」ような不自然な響きになります。
すでに決めたことには使わない
think overは基本的に、まだ結論が出ていない段階の表現です。決断済みなら、I decided … やI’ve made up my mind. を使います。
返事を先延ばしにするだけに聞こえない工夫
I’ll think about it. やI’ll think it over. だけでも正しいのですが、場面によっては遠回しな断りに聞こえることがあります。本当に検討するなら、返答の時期を添えましょう。
I’ll think it over and let you know by Friday.
よく検討して、金曜日までにお知らせします。
会話でThink overを練習しよう
A: We’d like to offer you the position.
ぜひ、このポジションをお願いしたいと思っています。
B: Thank you. Could I have a day to think it over?
ありがとうございます。1日検討する時間をいただけますか?
A: Should we move to a bigger apartment?
もっと広い部屋に引っ越すべきかな?
B: Let’s think it over. The rent will be higher.
よく考えよう。家賃も高くなるからね。
A: Have you made a decision?
決めた?
B: Yes. I’ve thought it over, and I’m ready.
うん。よく考えたし、準備はできてる。
まずは Let me think it over. と I’ve thought it over. をセットで練習しましょう。前者は「これから考える」、後者は「考え終えて答えがある」という時間の違いも身につきます。
まとめ:Think overは決断前に全体を見渡す
think overは「よく考える」「熟考する」。思考が対象の上を端から端まで通り、複数の面を一通り検討するイメージです。
- 提案、計画、問題、オファーなど、判断が必要な対象に使う
- 広く何かについて考えるthink aboutより、決断に近い
- 名詞はthink over the plan / think the plan overの両方が可能
- 代名詞は必ずthink it over
- 一晩置くならsleep on it、フォーマルに検討するならconsider
すぐに答えを求められても、焦ってYesやNoを言う必要はありません。Let me think it over. とひと呼吸置けば、英語でも自分のための判断時間をきちんと作れます。
句動詞の仕組みや語順をまとめて確認したい方は、英語の句動詞とは?基本ルールと覚え方もあわせてご覧ください。










