
venture into は、「未知の場所・分野・話題などへ、少し勇気を出して踏み込む」という表現です。単なる go into よりも、「何が起こるか分からないけれど、あえて進んでみる」という冒険心や不確かさが感じられます。
この記事では、venture into の意味とニュアンス、自然な語順、場所・仕事・会話での使い方、go into・enter・branch out into との違いまで、会話で使える例文とともに整理します。
Contents
venture intoの基本的な意味
venture into の中心的な意味は、次のとおりです。
- 未知の場所へ思い切って入る
- 経験のない分野へ進出する
- 慎重さが必要な話題へ踏み込む
venture には、名詞なら「冒険的な事業」、動詞なら「危険や不確かさを承知で試みる」という感覚があります。そこに「外から中へ」を表す into が続くため、安全で慣れた領域から、未知の領域の中へ一歩入るイメージになります。
We ventured into the old building.
私たちは思い切ってその古い建物に入った。
She ventured into freelance work last year.
彼女は昨年、思い切ってフリーランスの仕事を始めた。
しゅみすけ(大山俊輔)
ネイティブが感じるニュアンス
venture into には、主に次の3つが重なっています。
- 未知性:その場所・分野について、まだよく分からない
- 不確かさ:結果や反応を完全には予想できない
- 自発的な一歩:それでも自分から踏み込んでみる
そのため、駅や店に普通に入るだけなら go into や enter のほうが自然です。venture into を使うと、「そこへ入ることに小さな挑戦がある」と話し手が捉えていることが伝わります。
I went into the café to get coffee.
コーヒーを買うためにカフェに入った。
(普通の移動)
I ventured into a tiny café where no one spoke English.
英語が通じない小さなカフェに、思い切って入ってみた。
(未知の場所へ踏み込む感覚)

venture intoの語順と文法
基本の形はシンプルです。
主語 + venture(活用形)+ into + 名詞
- venture into the forest(森へ踏み込む)
- venture into a new market(新市場へ進出する)
- venture into politics(政治の世界/政治の話題へ踏み込む)
venture は規則動詞なので、過去形・過去分詞は ventured、進行形は venturing です。
We’re venturing into a market we don’t know well.
私たちは、まだよく知らない市場へ進出しようとしています。
「あえて〜する」という意味では、venture の後ろに不定詞を置く形もあります。
I wouldn’t venture to guess the final cost.
最終的な費用をあえて推測することはしません。
ただし、venture into は後ろに名詞、venture to do は後ろに動詞と覚えると語順を整理しやすくなります。
場所へ踏み込むventure into
森、洞窟、路地、未知の地域など、入ることに不安や冒険らしさがある場所に使います。
We ventured into the cave with a local guide.
私たちは現地ガイドと一緒に洞窟へ入った。
Don’t venture into that area alone after dark.
暗くなってから一人でその地域に入らないで。
On our last day, we ventured into a neighborhood away from the tourist spots.
旅行最終日、私たちは観光地から離れた地区へ足を延ばしてみた。
旅行会話では、単に移動した事実よりも「知らない場所を試してみた」という体験を語るときにぴったりです。
新しい仕事・分野へ進出するventure into
ビジネス、学習、創作などの新領域へ入るときにもよく使われます。「進出する」「手を広げる」「新しく始める」など、文脈に合わせて訳します。
Our small shop is venturing into online sales.
私たちの小さな店は、オンライン販売へ進出しようとしています。
After years in finance, Ken ventured into teaching.
金融業界で長年働いた後、ケンは教育の世界へ転身した。
She wants to venture into podcasting.
彼女はポッドキャスト配信に挑戦したいと思っている。
The designer ventured into furniture making.
そのデザイナーは家具作りにも乗り出した。
企業の大きな事業展開だけでなく、個人が新しい副業や趣味を始める場合にも使えます。
デリケートな話題へ踏み込むventure into
会話では、政治・お金・恋愛・家族問題など、扱い方を間違えると気まずくなる話題にも使います。
I don’t want to venture into office politics.
職場の政治的な駆け引きには首を突っ込みたくない。
Before we venture into salary, can I ask about the role itself?
給与の話に入る前に、まず仕事内容について聞いてもいいですか。
He carefully ventured into the subject of marriage.
彼は慎重に結婚の話題へ踏み込んだ。
この用法では「話題に入る」だけでなく、慎重さが必要な領域へ会話を進めるニュアンスがあります。
しゅみすけ(大山俊輔)
go into・enter・branch out intoとの違い
go into:中へ入る/詳しく扱う
go into は最も広く使え、物理的に入る場合にも、説明を詳しくする場合にも使えます。冒険やリスクの含みは必須ではありません。
Let’s not go into the details right now.
今は細かい話に入らないでおこう。
enter:入るという事実を中立的に表す
enter は場所、競争、市場などへ「入る」ことを比較的中立的・やや改まって表します。
The company entered the Asian market in 2024.
その会社は2024年にアジア市場へ参入した。
同じ場面で ventured into the Asian market と言えば、「不確かさのある新市場へ思い切って進出した」という語り手の見方が加わります。
branch out into:活動範囲を新分野へ広げる
branch out into は、すでにある活動を土台に別分野へ広げる表現です。venture into は土台の有無よりも、未知への挑戦に焦点があります。
The bakery branched out into catering.
そのパン屋はケータリングにも事業を広げた。
日本人が間違えやすいポイント
intoをinにしない
in は「中にいる状態」、into は「外から中への動き」です。venture では領域へ入っていく動きが重要なので、基本は venture into です。
× venture in a new field
○ venture into a new field
日常の普通の移動に使いすぎない
「コンビニに入った」を I ventured into the convenience store. とすると、その店が未知で怪しい、または入るのに勇気が要ったように響きます。普通なら I went into the convenience store. で十分です。
ventureは「成功する」を含まない
venture into は一歩踏み出すことを表しますが、結果の成功までは保証しません。
They ventured into app development, but the first product failed.
彼らはアプリ開発に乗り出したが、最初の製品は失敗した。
簡単な英語で言い換えるなら?
venture into がすぐ出てこなくても、次の基本表現で十分に伝えられます。
- go into:中へ入る
- start working in:〜の分野で働き始める
- try something new:新しいことを試す
- start talking about:〜について話し始める
I want to venture into video editing.
→ I want to try video editing.
動画編集に挑戦してみたい。
She ventured into a difficult topic.
→ She started talking about a difficult topic.
彼女は難しい話題について話し始めた。
関連表現:Nothing ventured, nothing gained.
venture の「リスクを取って一歩出る」感覚は、ことわざ Nothing ventured, nothing gained. にも表れています。「思い切って試さなければ、何も得られない」という意味です。詳しい使い方は、Nothing ventured, nothing gained. の解説記事も参考にしてください。
venture intoのまとめ
- venture into は「未知の領域へ、少し勇気を出して踏み込む」
- venture の不確かさ・挑戦と、into の「中への動き」が合わさった表現
- 場所、新しい仕事や分野、デリケートな話題に使える
- 普通に入るだけなら go into や enter が自然
- 簡単に言うなら try something new や start working in で言い換えられる
まずは、自分が最近始めたことを I ventured into … で一文にしてみましょう。英熟語を意味だけでなくイメージから身につけたい方は、英熟語・定型表現の親記事もあわせてご覧ください。









