
walk backには、文字どおりの「歩いて戻る」と、発言・方針などを「撤回する・後退させる」という2つの意味があります。
たとえば、I walked back to the hotel. は「ホテルまで歩いて戻った」。一方、The company walked back its promise. は「会社は約束を撤回した」です。同じ形でも、後ろに場所が来るか、発言・決定が来るかで意味が変わります。
この記事では、walk backの意味とニュアンス、自然な語順、会話や仕事で使える例文、take back・retract・back downとの違いまで分かりやすく解説します。
Contents
walk backの基本的な意味は2つ
walk backは、まず次の2つに分けると理解しやすくなります。
| 形 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| walk back (to 場所) | 歩いて戻る | walk back to the station |
| walk back + 発言・方針 | 撤回する・弱める | walk back a statement |

意味1:walk back=歩いて戻る
この用法のwalkは「歩く」、backは「元の場所・方向へ戻って」です。つまり、歩く+戻る方向で「歩いて戻る」になります。
- walk back:歩いて戻る
- walk back to + 場所:〜まで歩いて戻る
- walk back home:歩いて家へ戻る
- walk someone back to + 場所:人を〜まで歩いて送る
It was still early, so we walked back to the hotel.
まだ早かったので、私たちはホテルまで歩いて戻りました。
I forgot my phone and had to walk back home.
スマホを忘れて、家まで歩いて戻らなければなりませんでした。
Let me walk you back to the station.
駅まで歩いて送らせてください。
We took a taxi downtown, but walked back after dinner.
街の中心まではタクシーで行きましたが、夕食後は歩いて戻りました。
しゅみすけ(大山俊輔)
意味2:walk back=発言・方針を撤回する
比喩的なwalk backは、いったん前へ出した発言・主張・約束などを、元の位置へ後退させるイメージです。「完全に取り消す」だけでなく、言い方を弱める・一部を修正する・距離を置くという含みでも使われます。
ニュース、政治、企業発表、仕事上の説明などでよく見かける表現です。
- walk back a statement:声明を撤回・修正する
- walk back a claim:主張を後退させる
- walk back comments:発言を撤回する
- walk back a promise:約束を撤回する
- walk back a policy:方針を撤回・緩和する
The CEO walked back his comments the next day.
CEOは翌日、自分の発言を撤回しました。
The company has walked back its promise to raise salaries.
会社は給与を上げるという約束を後退させました。
She tried to walk back her criticism during the meeting.
彼女は会議中、自分の批判を弱めようとしました。
After customers complained, the store walked back the new rule.
顧客から苦情が出たため、その店は新しい規則を撤回しました。
I was too harsh earlier. Let me walk that back.
さっきは言いすぎました。あの発言は撤回させてください。
walk it backの語順に注意
比喩的なwalk backは、目的語を間に置ける句動詞です。
- walk back the statement
- walk the statement back
どちらも使えます。ただし、目的語がitやthatなど短い代名詞なら、通常はwalk it back / walk that backと間に置きます。
○ He walked it back.
彼はそれを撤回しました。
△ He walked back it.
しゅみすけ(大山俊輔)
walk back fromも使われる
walk back from + 立場・約束で、「その立場や約束から後退する」という形もあります。
The government is walking back from its earlier position.
政府は以前の立場から後退しつつあります。
He refused to walk back from his promise.
彼は約束から後退することを拒みました。
ただし、単に発言を目的語にするなら、walk back his commentsのような形が簡潔です。
take back・retract・back downとの違い
| 表現 | 中心的な意味 | ニュアンス・使う場面 |
|---|---|---|
| walk back | 発言・方針を撤回・弱める | 完全撤回とは限らず、修正や後退も含む |
| take back | 言ったことを取り消す | 日常会話で自然。「今のなし」に近い |
| retract | 正式に撤回する | 声明・記事・主張など。硬く明確 |
| back down | 譲歩して引き下がる | 対立や圧力の中で立場を変える |
I take that back.
今の発言は取り消します。
The newspaper retracted the false report.
その新聞社は誤報を正式に撤回しました。
Neither side was willing to back down.
どちら側も引き下がろうとしませんでした。
The spokesperson walked back part of the announcement.
広報担当者は発表の一部を修正・撤回しました。
take backの詳しい意味と使い分けもあわせて確認すると、「言葉を取り消す」場面の違いが整理しやすくなります。
日本人が間違えやすいポイント
1.「戻る」なら何でもwalk backではない
電車や車で戻る場合、通常はgo backやcome backを使います。walk backには「歩いて」が含まれます。
○ We went back to the hotel by taxi.
タクシーでホテルへ戻りました。
○ We walked back to the hotel.
ホテルへ歩いて戻りました。
2.比喩の目的語は発言・決定など
walk back a statementは「声明の場所へ歩いて戻る」ではありません。statement、comments、claim、promise、policyなどが目的語なら、比喩的な「撤回・修正」を考えます。
3.必ずしも「全面撤回」ではない
walk backには、強すぎた表現を弱めたり、一部だけ修正したりするニュアンスがあります。完全かつ正式な撤回を明示するならretractが適することがあります。
簡単な英語で言い換えるなら
walk backがすぐ出てこなくても、次のような基本語で十分伝えられます。
| 言いたいこと | 簡単な言い換え |
|---|---|
| 駅まで歩いて戻った | I returned to the station on foot. |
| 発言を撤回した | She said her earlier comment was wrong. |
| 自分の言ったことを変えた | He changed what he said. |
| その約束をもう支持していない | They no longer support that promise. |
会話では、難しい句動詞にこだわるより、I changed what I said.のように意味を直接説明するほうが確実なこともあります。
walk backの会話例
A: Are you sure we can walk back to the hotel?
B: Yes. It’s only ten minutes from here.
A: ホテルまで歩いて戻れる?
B: うん。ここから10分だけだよ。
A: Did the manager cancel the new policy?
B: Not completely. She just walked part of it back.
A: マネージャーは新しい方針を取り消したの?
B: 全部ではないよ。一部を後退させただけ。
まとめ
walk backの基本は「後ろへ歩く・元の方向へ歩いて戻る」です。そこから、発言や方針を前に出した状態から後退させる「撤回する・弱める」という比喩的な意味が生まれます。
- walk back to the station:駅まで歩いて戻る
- walk someone back:人を歩いて送る
- walk back a statement:発言を撤回・修正する
- walk it back:それを撤回する
- walk back from a position:ある立場から後退する
日常会話の「今のなし」ならtake back、正式な撤回ならretract、対立から引き下がるならback downという違いも押さえておきましょう。ほかの句動詞も体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめもご覧ください。
walkを使うほかの表現もまとめて確認したい方は、walkを使った句動詞一覧をご覧ください。









