
kick back は、日常会話で「くつろぐ」「のんびりする」を表すカジュアルな句動詞です。
たとえば、忙しい一日を終えてソファで映画を見るなら、Let’s kick back and watch a movie.(のんびり映画を見よう)のように言えます。
ただし、文脈によっては「反動で戻る」という物理的な意味にもなります。また、スペースを入れない名詞の kickback には「不正な謝礼・リベート」という意味があります。この記事では、それぞれの見分け方と自然な使い方を例文で整理します。
Contents
kick backの基本的な意味
会話で最も覚えておきたい意味は、次の2つです。
- くつろぐ・のんびりする
- (機械などが)反動で戻る
さらに、kick back against … で「~に反発する」という使い方もあります。

なぜkick backで「くつろぐ」になる?
kick は「蹴る」、back は「後ろへ」という感覚を持ちます。そこから、足を前へ投げ出し、体を後ろへ預けてくつろぐ姿をイメージすると意味をつかみやすくなります。
実際に何かを蹴る必要はありません。「緊張を解き、楽な姿勢で時間を過ごす」というくだけた表現です。
しゅみすけ(大山俊輔)
「くつろぐ」のkick backの使い方
kick back and+動詞
「くつろいで~する」と、休みながらすることを続けます。
Let’s kick back and watch a movie tonight.
今夜はのんびり映画を見よう。
I just want to kick back and listen to music.
ただくつろいで音楽を聴きたいな。
After dinner, we kicked back and talked for hours.
夕食後、私たちはくつろぎながら何時間も話しました。
kick back with+人・飲み物など
with を使うと、誰と過ごすか、何を手にくつろぐかを表せます。
I’m going to kick back with some friends this weekend.
今週末は友達とのんびり過ごすつもりです。
She kicked back with a cup of tea after work.
彼女は仕事のあと、紅茶を飲みながらくつろぎました。
kick back on+場所
ソファなど、くつろぐ場所を示すこともできます。
We kicked back on the couch and ordered pizza.
私たちはソファでくつろぎ、ピザを注文しました。
You can kick back by the pool while I check us in.
私がチェックインしている間、プールサイドでのんびりしていていいよ。
反動で「後ろへ戻る」kick back
工具や銃、エンジンなどが力を受けて急に後ろへ跳ね返る場合にも kick back を使います。くつろぐ意味と同じく、back=後ろへ の感覚が生きています。
The drill kicked back when it hit the metal.
ドリルは金属に当たったとき、反動で跳ね返りました。
Hold the saw firmly in case it kicks back.
反動で戻る場合に備えて、のこぎりをしっかり持ってください。
The old motorcycle kicked back when he tried to start it.
彼が始動しようとしたとき、その古いオートバイは逆回転しました。
工具の説明で見かける kickback は、名詞で「反動」を指すこともあります。安全に関わる文脈では「くつろぐ」と訳さないよう注意しましょう。
kick back againstは「~に反発する」
against が続くと、「圧力や計画に対して押し返す」「反発する」という意味になります。
Local residents kicked back against the development plan.
地元住民はその開発計画に反発しました。
Employees kicked back against the sudden rule change.
従業員たちは突然の規則変更に反発しました。
この意味では、より広く使える push back against …(~に反対する・抵抗する)への言い換えも自然です。
kick backとkickbackの違い
スペースの有無で品詞と意味が変わります。
| 形 | 品詞・意味 | 例 |
|---|---|---|
| kick back | 句動詞:くつろぐ/反動で戻る | Let’s kick back. |
| kickback | 名詞:反動/不正な謝礼・リベート | He accepted a kickback. |
The contractor was accused of paying kickbacks.
その請負業者は不正なリベートを支払ったとして告発されました。
They secretly kicked back part of the payment to the official.
彼らは支払額の一部を役人へひそかに還流させました。
後者のように、動詞の kick back が「代金の一部を不正に戻す」という意味になる場合もあります。ただし日常会話で Let’s kick back. と言っても、賄賂の話には聞こえません。文脈が明確に区別してくれます。
しゅみすけ(大山俊輔)
似た表現との違い
| 表現 | 中心となるニュアンス | 自然な場面 |
|---|---|---|
| kick back | 楽な姿勢でのんびり楽しむ | 休日、家、友達との時間 |
| relax | 緊張を解く・休む一般的な語 | 幅広い場面 |
| chill out | くつろぐ/気持ちを落ち着ける | かなりカジュアルな会話 |
| sit back | 座って手を出さず眺める | 成り行きを見る、観賞する |
| wind down | 活動を徐々に終えて落ち着く | 仕事後、就寝前 |
kick back は、単に緊張を解くというより「仕事や用事から離れて、気楽な時間を楽しむ」響きがあります。
chill out は「落ち着いて」という命令にも使えますが、kick back はその用途では普通使いません。詳しくはchill outの意味と使い方をご覧ください。
活動から休息へ徐々に移る感覚は、wind downの意味と使い方で解説しています。「無理せず気楽に」という声かけなら、take it easyの意味と使い方が近い表現です。
日本人が間違えやすいポイント
kick my backとは言わない
「自分がくつろぐ」は I kick back. です。I kick my back. とすると、backを目的語にした不自然な形になります。
フォーマルな場面ではrelaxが無難
kick back はくだけた表現です。接客や正式な案内では、Please relax. や Please make yourself comfortable. のほうが自然です。
「落ち着いて!」の意味では使わない
興奮している相手に「落ち着いて」と言うなら、Calm down. や Take it easy. を使います。Kick back. は基本的に「座ってのんびりして」という誘いです。
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
kick back が思い出せなければ、次の基本表現で十分伝わります。
- Let’s relax at home.
家でゆっくりしよう。 - Let’s take a break.
休憩しよう。 - I want to do nothing tonight.
今夜は何もせず過ごしたい。 - We can sit on the couch and watch TV.
ソファに座ってテレビを見よう。
kick backを会話で使ってみよう
A: Do you have any plans after work?
仕事のあと、何か予定ある?
B: Nothing special. I’m just going to kick back at home.
特にないよ。家でのんびりするだけ。
A: Want to kick back with us by the pool?
プールサイドで私たちとのんびりしない?
B: Sounds perfect.
最高だね。
まとめ
kick back の中心イメージは「後ろへ戻る・体を後ろへ預ける」です。そこから、日常会話では「くつろぐ」、機械では「反動で戻る」、against が続けば「反発する」という意味になります。
- kick back and+動詞:くつろいで~する
- kick back with+人・飲み物:~と/~を手にのんびりする
- kick back against …:~に反発する
- kickback(1語の名詞):反動、不正な謝礼・リベート
まずは、仕事や勉強が終わったときに I’m going to kick back at home tonight.(今夜は家でのんびりするよ)と言ってみましょう。
ほかの会話表現もまとめて学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧もご活用ください。









