
床に落とした物を拾う、子どもと目線を合わせる、物陰に身を隠す、運動で腰を落とす――日本語では、どれも「しゃがむ」と言えます。しかし英語では、姿勢や目的によって使う表現が変わります。
先に結論を言うと、膝を曲げて腰を落とす動作なら squat、身を低く小さくするなら crouch、物を拾うために上体を下げるなら bend down が基本です。日常会話では get down や lower yourself が自然な場面もあります。
| 表現 | 中心イメージ | 典型的な場面 |
|---|---|---|
| squat | 膝を曲げ、腰を低く落とす | 床の近くで作業する、運動する |
| crouch | 体を低く丸め、小さくする | 隠れる、身を守る、狭い場所に入る |
| bend down | 上体を前や下へ曲げる | 物を拾う、靴ひもを結ぶ |
| get down | 低い位置へ移る | 指示、危険回避、子どもの目線まで下がる |
Contents
「しゃがむ」の最も一般的な英語は squat
squat は、膝を曲げて腰を低く落とす動作を表します。かかとや足の裏で体を支え、椅子には座らず低い姿勢になるイメージです。
- She squatted down to look under the table.
彼女はテーブルの下を見るためにしゃがみました。 - I squatted beside the child and asked her name.
私はその子のそばにしゃがんで、名前を尋ねました。 - He was squatting on the floor.
彼は床にしゃがんでいました。 - Squat down and keep your back straight.
しゃがんで、背中をまっすぐに保ってください。
squat だけでも「しゃがむ」ですが、動作をはっきり見せたいときは squat down もよく使われます。ここでの down は、体が高い位置から低い位置へ移ることを強調しています。
また、名詞の a squat は筋力トレーニングの「スクワット」です。
- I do twenty squats every morning.
私は毎朝スクワットを20回します。
運動の話では do squats、日常動作では squat / squat down と区別すると分かりやすいでしょう。
crouchは「身を低くして小さくなる」
crouch も「しゃがむ」と訳されますが、単に腰を落とすだけでなく、体を丸めるようにして低く、小さくなるニュアンスがあります。隠れる、危険を避ける、狭い場所を進むといった場面によく合います。
- We crouched behind the wall.
私たちは壁の後ろに身を低くして隠れました。 - She crouched down to avoid the smoke.
彼女は煙を避けるために身を低くしました。 - The cat crouched under the chair.
猫は椅子の下で低く身構えました。 - He crouched beside the door and listened.
彼はドアのそばに身をかがめて耳を澄ませました。
crouch behind the sofa(ソファの後ろに身を低くする)、crouch under the window(窓の下に身を低くする)のように、位置を表す前置詞とよく一緒に使われます。
しゅみすけ(大山俊輔)
bend downは「上体を曲げて下に手を伸ばす」
床の物を拾うために「しゃがんだ」と日本語で言っても、実際には膝を深く曲げず、腰や上体を前へ倒していることがあります。この動作なら bend down が自然です。
- I bent down to pick up my keys.
私は鍵を拾うためにかがみました。 - She bent down to tie her shoelaces.
彼女は靴ひもを結ぶためにかがみました。 - Don’t bend down too quickly.
急にかがまないでください。 - He bent down and whispered to the child.
彼は身をかがめて、その子に小声で話しました。
bend は「曲げる・曲がる」という動詞です。bend your knees なら「膝を曲げる」、bend forward なら「前かがみになる」、bend down なら「下方へかがむ」です。
過去形・過去分詞は bent です。bended にはしない点にも注意しましょう。

squat・crouch・bend downの違いを場面で比較
落とした物を拾う
拾うことが目的で、上体を下げる動きに注目するなら bend down が自然です。膝をしっかり曲げて腰を落としたことを言いたいなら squat down も使えます。
- She bent down to pick up the coin.
彼女は硬貨を拾うためにかがみました。 - She squatted down to pick up the coin.
彼女は腰を落として硬貨を拾いました。
子どもと目線を合わせる
腰を落として同じ高さになるなら squat down、単に目線の高さまで体を下げるなら get down to the child’s level が使えます。
- I squatted down so we could talk face-to-face.
顔を合わせて話せるよう、私はしゃがみました。 - She got down to her daughter’s eye level.
彼女は娘の目線の高さまで身を低くしました。
写真で前の人がしゃがむ
集合写真では、前列の人に位置を低くしてもらうため kneel down や get down in front が使われることもあります。膝を地面につけるなら kneel です。
- Could the people in front kneel down?
前の方は膝をついてもらえますか。 - Can you squat down a little?
少ししゃがんでもらえますか。
危険を避ける
飛んでくる物を避けるため一瞬で頭を下げるなら duck、姿勢を低く保つなら crouch、緊急の指示なら Get down! が自然です。
- Duck!
伏せて!/頭を下げて! - Get down and stay behind the desk.
身を低くして、机の後ろにいてください。 - We crouched near the ground until it was safe.
安全になるまで、私たちは地面近くに身を低くしていました。
自動詞・他動詞と目的語の取り方
squat と crouch は、基本的に目的語を直接取らず、「人がしゃがむ」という自動詞として使います。
- She squatted down.
彼女はしゃがみました。 - He crouched behind the car.
彼は車の後ろで身を低くしました。
一方 bend は、自動詞にも他動詞にもなります。
- I bent down.
私はかがみました。 - I bent my knees.
私は膝を曲げました。
「体をしゃがませる」のつもりで squat my body や crouch my body とする必要はありません。主語自身が姿勢を変えるので、I squatted. や I crouched. だけで十分です。
よく使う前置詞と語順
| 形 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| squat beside + 人・物 | 〜のそばにしゃがむ | squat beside the child |
| crouch behind + 物 | 〜の後ろに身を低くする | crouch behind the wall |
| crouch under + 物 | 〜の下に身をかがめる | crouch under the window |
| bend down to + 動詞 | 〜するためにかがむ | bend down to pick it up |
| get down on + 身体部位 | 〜を床につける | get down on one knee |
「なぜしゃがんだか」を続けるときは、to + 動詞 が便利です。
- She squatted down to pet the dog.
彼女は犬をなでるためにしゃがみました。 - I bent down to check the label.
私はラベルを確認するためにかがみました。
日常会話と仕事での使い方
日常会話では、細かな姿勢より「低くなって」「下にかがんで」と伝えたい場面も多いため、get down や bend down がよく使われます。
- Get down so you can see inside.
中が見えるようにしゃがんで。 - I bent down and found it under the shelf.
かがんだら、棚の下にそれを見つけました。
仕事では、倉庫・店舗・撮影・介護・保育など、身体動作を説明する場面で登場します。
- Please squat down when lifting the box.
箱を持ち上げるときは、腰を落としてしゃがんでください。 - She crouched to inspect the bottom shelf.
彼女は下段の棚を点検するために身を低くしました。 - Try not to bend down from the waist.
腰だけから前にかがまないようにしてください。
安全説明では、「しゃがむ」の訳だけでなく、bend your knees(膝を曲げる)、keep your back straight(背中をまっすぐに保つ)のように、具体的な動きを加えると誤解が減ります。
日本人が間違えやすいポイント
sit downは「座る」
sit down は椅子や床などに体重を預けて「座る」ことです。支えなしで腰を低く保つ「しゃがむ」とは違います。
- Please sit down.
座ってください。 - Please squat down.
しゃがんでください。
kneelは「ひざまずく」
kneel は片膝または両膝を地面につけます。しゃがんでいても膝が床についていなければ、通常は squat のほうが合います。
squatは失礼な語ではないが、文脈に注意
動詞の squat は普通の身体動作です。ただし別の意味として、許可なく建物や土地を占拠することも表します。姿勢の話だと分かるように、squat down や目的を続けると明確です。
しゅみすけ(大山俊輔)
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
squat や crouch が出てこなくても、会話を止める必要はありません。難しい動詞を探す代わりに、姿勢の変化や目的を基本語で説明します。
1.低い位置になったと伝える
- I got down low.
私は低い姿勢になりました。 - She moved closer to the floor.
彼女は床に近い位置まで体を下げました。
2.膝を曲げたと伝える
- I bent my knees and went down.
私は膝を曲げて、体を低くしました。 - He stayed low with his knees bent.
彼は膝を曲げたまま低い姿勢でいました。
3.目的を言う
- I went down to pick up the key.
鍵を拾うために体を低くしました。 - She got low so the child could see her face.
子どもが顔を見られるよう、彼女は身を低くしました。
get・go・bend・stay のような基本動詞だけでも、動作はかなり具体的に伝えられます。「しゃがむに対応する一語」を思い出すことより、どこへ動いたか、体のどこを曲げたか、何のためかを短い文にすることが大切です。
「しゃがむ」に関連する英語表現
- stand up:立ち上がる
- sit down:座る
- kneel down:ひざまずく
- duck:さっと頭や体を下げる
- lean forward:身を前に傾ける
- lie down:横になる
姿勢を伸ばす動作との違いは、「ストレッチ」は英語で?stretch・stretching・do stretches・stretch outの違いも参考になります。
低い姿勢からさらに横になる表現は、lie downの意味・過去形layとlay down・go to bedとの違いで詳しく解説しています。
まとめ
「しゃがむ」を英語にするときは、動作の形と目的を見ます。
- squat / squat down:膝を曲げ、腰を低く落とす
- crouch / crouch down:隠れるように体を低く小さくする
- bend down:物を拾うためなどに上体を下へ曲げる
- get down:低い位置へ移ることを広く表す
- kneel down:膝を地面につける
迷ったときは、「膝を曲げた」「低い位置になった」「物を拾うためだった」と動作を分けてください。ぴったりの一語が出なくても、I bent my knees and went down. のような基本英語で十分に伝えられます。










