
at large には、一見つながりにくい2つの意味があります。ひとつは「社会全体として・広く一般に」、もうひとつはニュースでよく見る「逃走中で・まだ捕まっていない」です。
共通する感覚は、特定の場所・区画・拘束の中に収まっていないこと。意味を丸暗記するより、この共通点から理解すると、the public at large と remain at large を迷わず読み分けられます。
- at largeの2つの主要な意味
- society at large・remain at largeなどの定番形
- in general・as a whole・on the looseとの違い
- ニュース・仕事・日常で使える例文
Contents
at largeの意味は大きく2つ
1.「全体として・広く一般に」
人や組織を限定された一部分ではなく、より広い社会・地域・集団として捉える意味です。特に次の組み合わせが定番です。
- the public at large:一般大衆・社会一般
- society at large:社会全体
- the community at large:地域社会全体
- the world at large:世間一般・世界全体
- The policy will affect society at large.
その政策は社会全体に影響を及ぼします。 - The museum is now open to the public at large.
その博物館は現在、一般の人々にも公開されています。 - We need to explain the decision to the community at large.
私たちはその決定を地域社会全体に説明する必要があります。 - Her work was largely unknown to the world at large.
彼女の仕事は世間一般にはほとんど知られていませんでした。
ここでの large は、単純な「サイズが大きい」ではありません。限られた一部を越えて、広い範囲へという働きをしています。
しゅみすけ(大山俊輔)
2.「逃走中で・まだ捕まっていない」
人が警察などの拘束を受けず、自由に動ける状態にあることから、犯罪・事件の文脈では逃走中で、まだ逮捕されていないという意味になります。
- The suspect is still at large.
容疑者は今も逃走中です。 - Two of the prisoners remain at large.
囚人のうち2人は依然として逃走中です。 - The police warned residents that the attacker was at large.
警察は襲撃者が逃走中だと住民に警告しました。 - The man was arrested after being at large for three days.
その男は3日間逃走した後、逮捕されました。
ニュースでは be still at large と remain at large が非常によく使われます。日本語の「逃げている」よりも、当局がまだ身柄を確保できていないという事実に焦点があります。
2つの意味をつなぐコアイメージ
at は「ある点・状態にある」、large は歴史的に「自由な・制限されていない」という意味でも使われてきました。そこから、at largeには特定の範囲や拘束に限定されていない状態という芯があります。
| 文脈 | 限定されていないもの | 自然な日本語 |
|---|---|---|
| society at large | 特定の集団・関係者 | 社会全体・世間一般 |
| a suspect at large | 拘束・監禁 | 逃走中・未逮捕 |
| a member at large | 特定の地区・担当 | 全体選出・無任所の委員 |
このため、前後に置かれる名詞や動詞を見るだけで意味を判定できます。public / society / community なら「全体」、suspect / prisoner / killer や remain / still があれば「逃走中」である可能性が高いと考えましょう。
at largeと似た表現の違い

| 表現 | 主な意味 | 焦点 |
|---|---|---|
| at large | 全体として/逃走中 | 特定の枠や拘束に限定されない |
| in general | 一般的に | 例外を除いた全般的な傾向 |
| as a whole | 全体として | 各部分を合わせた一つの全体 |
| on the loose | 逃げ回って | 自由に動き回り、制御されていない |
in generalは「一般論として」
in general は、人や物事について例外を認めながら全般的な傾向を述べる、もっとも日常的な表現です。
- In general, customers prefer shorter waiting times.
一般的に、顧客は待ち時間が短いほうを好みます。 - People in general supported the proposal.
人々はおおむねその提案を支持しました。
society at large は「一部の関係者ではなく広い社会」、people in general は「人々について一般的に言えば」という違いです。
as a wholeは「部分を合わせた全体」
as a whole は、構成要素をひとまとめにして評価するときに使います。
- The team performed well as a whole.
チームは全体としてよい働きをしました。 - The economy as a whole is recovering.
経済は全体として回復しています。
the company as a whole なら「各部署を合わせた会社全体」、the public at large なら「限定された関係者を越えた一般市民」という視点です。
on the looseは「逃げ回って・野放しで」
on the loose も「逃げている」ですが、at largeより口語的で、制御されず動き回っているという生々しい印象があります。人だけでなく動物にも使えます。
- A dangerous dog is on the loose in the neighborhood.
危険な犬が近所をうろついています。 - The suspect is still on the loose.
容疑者はまだ逃げ回っています。
報道調の「未逮捕」なら at large、会話的に「逃げ回っている・野放しだ」と伝えるなら on the loose が自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
ニュースでよく見るat largeの定番表現
remain at large
- The gunman remains at large.
銃撃犯は依然として逃走中です。 - Several members of the group remain at large.
その集団の複数の構成員はまだ捕まっていません。
still at large
- The second suspect is still at large.
2人目の容疑者は今も逃走中です。 - Police believe he is still at large in the area.
警察は、彼が今もその地域内で逃走しているとみています。
at-large member・representative
組織や選挙制度では、特定の地区や担当分野に限定されない委員・代表を表すことがあります。この用法では名詞の前に置かれ、通常はハイフンを入れます。
- She serves as an at-large member of the board.
彼女は特定部門に属さない全体選出の理事を務めています。 - Three representatives are elected at large.
3名の代表が全域から選出されます。
仕事・社会について使える例文
- This issue affects not only our employees but society at large.
この問題は従業員だけでなく社会全体に影響します。 - The findings should be shared with the public at large.
その調査結果は一般の人々にも共有されるべきです。 - The program benefits the community at large.
そのプログラムは地域社会全体に利益をもたらします。 - The change was welcomed by the industry at large.
その変更は業界全体から歓迎されました。 - Her concerns reflect those of the population at large.
彼女の懸念は国民全体の懸念を反映しています。
日常会話で単に「だいたい」「一般的に」と言うだけなら generally や in general のほうが自然です。at largeは、記事・ニュース・報告書・スピーチなど、ややフォーマルな場面でよく使われます。
よくある間違い
「大きい状態」と直訳しない
The suspect is at large. を「容疑者は大きい」と訳すことはできません。at largeはまとまりで意味を持つ定型表現です。
「全員」を表すとは限らない
the public at large は「一人残らずすべての市民」ではなく、「特定の小集団ではない一般社会」を指します。厳密な100%を示す all とは異なります。
自由なら何でもat largeにしない
「今日は自由時間がある」は I’m free today.、「彼は釈放された」は He was released. が自然です。人についてat largeを使うと、事件・逃走の含みが生じやすいため注意しましょう。
ミニクイズ
- The suspect remains ( at large / as a whole ).
- The decision will affect society ( at large / on the loose ).
- The team performed well ( as a whole / at large ).
- ( In general / At large ), this software is easy to use.
- A tiger escaped from the zoo and is ( on the loose / in general ).
1. at large(まだ捕まっていない)
2. at large(社会全体)
3. as a whole(各メンバーを合わせたチーム全体)
4. In general(一般的な傾向)
5. on the loose(動物が逃げ回っている)
まとめ:at largeは「特定の枠に収まっていない」
- the public / society at large:一般大衆・社会全体
- be / remain at large:逃走中で・まだ捕まっていない
- in general:一般的な傾向
- as a whole:部分を合わせた全体
- on the loose:制御されず逃げ回っている
at largeの2つの意味は、ばらばらに見えても「限定・拘束の外にある」という共通点でつながっています。ニュースでは The suspect remains at large.、社会について述べる文章では society at large をまず押さえておけば十分です。
前置詞を使った表現をまとめて学ぶなら、前置詞を使った英熟語一覧へ。英熟語全体は、英熟語・イディオム・定型表現の完全ガイドで整理しています。
直前の関連表現として、at issueの意味とin question・at stakeとの違いもあわせてどうぞ。









