
「弱体化する」は英語で、最も広く使える表現が weaken です。ただし、日本語では同じ「弱体化する」でも、何の力がどのように失われるのかによって、自然な英語は変わります。
組織・体力・経済などの力が弱くなるなら weaken、信頼や権威の土台を内側から崩すなら undermine、価値や自信が少しずつ失われるなら erode、人や抵抗力を長い時間をかけて消耗させるなら wear down が自然です。
この記事では、「弱体化する」を英語一語に決めつけず、対象と変化の仕方に分けて、語順・場面別例文・よくある間違い・難しい単語を知らないときの簡単な伝え方まで解説します。
Contents
「弱体化する」を表す主な英語表現
| 英語 | 中心的な意味 | 使う場面 | 代表例文 |
|---|---|---|---|
| weaken | 力・効果・状態を弱くする/弱くなる | 組織、経済、体力、立場、効果 | The crisis weakened the economy. 危機が経済を弱体化させました。 |
| undermine | 土台や支えを徐々に崩す | 信頼、権威、自信、努力、制度 | The scandal undermined public trust. その不祥事は国民の信頼を損ないました。 |
| erode | 少しずつ削り取って弱める | 信頼、価値、権利、競争力、自信 | Inflation eroded our purchasing power. インフレが私たちの購買力を低下させました。 |
| wear down | 繰り返しや時間によって消耗させる | 人、体力、気力、抵抗、反対 | The long negotiations wore us down. 長い交渉で私たちは疲弊しました。 |
一番基本になるのはweaken
weaken は、「強さ・力・効果などを以前より弱くする」または「以前より弱くなる」という最も広い表現です。人の体力、会社の競争力、政府の立場、薬の効果など、さまざまな対象に使えます。
- The company’s position has weakened.
その会社の立場は弱体化しました。 - The illness weakened my body.
病気で体が弱りました。 - This decision could weaken the team.
この決定はチームを弱体化させる可能性があります。 - Demand weakened during the summer.
夏の間、需要が弱まりました。
weaken は自動詞と他動詞の両方で使えます。
- The organization weakened.:組織が弱体化した
- The conflict weakened the organization.:対立が組織を弱体化させた
しゅみすけ(大山俊輔)
信頼や権威の土台を崩すならundermine
undermine は、もともと「下から掘る」というイメージを持つ動詞です。見える力を直接弱めるというより、信頼・自信・権威・努力などを支えている土台を徐々に崩す場合に使います。
- His comments undermined my confidence.
彼の発言で私は自信を失いました。 - The rumor undermined trust within the team.
そのうわさはチーム内の信頼を損ないました。 - Constant changes can undermine our efforts.
度重なる変更は私たちの努力を台無しにしかねません。
人や組織そのものよりも、confidence、trust、authority、credibility、efforts など「支えになるもの」を目的語に置くのが典型です。
少しずつ価値や力を損なうならerode
erode のもとの意味は、風や水が土や岩を少しずつ侵食することです。そこから、信頼・価値・権利・利益・競争力などが時間とともに少しずつ失われることを表します。
- Rising costs are eroding our profits.
コスト上昇が利益を少しずつ圧迫しています。 - Repeated mistakes eroded customer trust.
度重なるミスが顧客の信頼を損ないました。 - Lack of sleep can erode your concentration.
睡眠不足は集中力を徐々に低下させます。
weaken は単に「弱くする」という広い表現ですが、erode には「少しずつ削るように弱体化させる」という時間的な変化があります。

人や抵抗力を消耗させるならwear down
wear down は、圧力・疲労・繰り返しによって、人の体力や気力、相手の抵抗などを少しずつ削る句動詞です。「弱体化する」というより、場面によっては「疲弊させる」「根負けさせる」が自然な日本語になります。
- The workload is wearing me down.
仕事量の多さで私は消耗しています。 - Months of stress wore her down.
何か月ものストレスで彼女は疲弊しました。 - They tried to wear down our resistance.
彼らは私たちの抵抗を弱めようとしました。
代名詞を使う場合は、wear me down、wear them down のように wear と down の間に置きます。
日本語の「弱体化する」と英語の意味のズレ
日本語の「弱体化する」は、次のような異なる変化を一語で表せます。
- 組織の力が弱くなる
- 政府の権威が揺らぐ
- 顧客の信頼が少しずつ失われる
- 長い対立で相手が疲弊する
しかし英語では、「全体的に弱くなる」「土台が崩れる」「少しずつ削られる」「疲れて抵抗できなくなる」のどれなのかを見て動詞を選びます。
| 日本語の場面 | 自然な英語 |
|---|---|
| 会社・組織・経済の力が弱くなる | weaken |
| 信頼・権威・自信の土台が崩れる | undermine |
| 価値・権利・競争力が徐々に失われる | erode |
| 人・体力・抵抗が長期的に消耗する | wear down |
各表現の使い方と語順
weaken+名詞
「〜を弱体化させる」なら、目的語を直接続けます。
- weaken the economy:経済を弱体化させる
- weaken the team:チームを弱体化させる
- weaken the effect:効果を弱める
undermine+名詞
undermine にも前置詞は不要です。
- undermine trust:信頼を損なう
- undermine authority:権威を弱める
- undermine confidence:自信を失わせる
erode+名詞
erode も目的語を直接取ります。また、対象が主語になって「徐々に失われる」と表すこともできます。
- Inflation eroded savings.:インフレが貯蓄の価値を目減りさせた
- Trust gradually eroded.:信頼が徐々に失われた
wear+人・もの+down
wear down は分離可能な句動詞です。名詞は後ろにも間にも置けますが、代名詞は必ず間に置きます。
- wear down the opposition
- wear the opposition down
- wear them down
場面別に使える例文
独り言・英語日記
- I feel weaker after being sick.
病気のあと、体が弱った気がします。 - The stress is wearing me down.
ストレスでだんだん消耗しています。 - I won’t let one mistake undermine my confidence.
一度のミスで自信を失わないようにします。
仕事・ビジネス
- Staff turnover has weakened the team.
人員の入れ替わりでチームが弱体化しました。 - This could undermine our relationship with the client.
これは顧客との関係を損なう可能性があります。 - Price competition is eroding our profit margins.
価格競争で利益率が徐々に低下しています。 - The repeated delays wore everyone down.
度重なる遅延で全員が疲弊しました。
社会・制度
- The conflict weakened the country’s economy.
紛争はその国の経済を弱体化させました。 - Corruption undermines public institutions.
汚職は公的機関の土台を損ないます。 - The policy may erode workers’ rights.
その政策は労働者の権利を徐々に弱める可能性があります。
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
weaken、undermine、erode が出てこなくても、「前より力がない」「信頼が減った」「もう十分に機能しない」と、目に見える変化へ分解すれば伝えられます。
- It is not as strong as before.
以前ほど強くありません。 - The company has less power now.
その会社は今、以前ほど力がありません。 - People don’t trust them as much now.
今では人々は以前ほど彼らを信頼していません。 - It doesn’t work as well as before.
以前ほどうまく機能しません。 - We are getting tired because this has continued for a long time.
これが長く続いているため、私たちは疲れてきています。
たとえば、「不祥事が会社の信頼を弱体化させた」と言いたいのに undermine が出てこなければ、次のように言えます。
- After the scandal, fewer people trusted the company.
不祥事のあと、その会社を信頼する人が減りました。 - The scandal made people lose trust in the company.
その不祥事によって、人々は会社への信頼を失いました。
しゅみすけ(大山俊輔)
よくある間違い
weakを動詞として使う
weak は形容詞です。動詞の「弱くする/弱くなる」には weaken を使います。
- × The crisis weaked the company.
- ○ The crisis weakened the company.
- ○ The company became weak.
undermineの後ろに前置詞を入れる
undermine は他動詞なので、目的語を直接続けます。
- × undermine to public trust
- ○ undermine public trust
erodeを急激な一度の変化に使う
erode は、基本的に少しずつ進む変化を表します。一度の出来事で単純に力が落ちたことを言うなら、weaken のほうが自然な場合があります。
wear downの代名詞を後ろに置く
- × wear down them
- ○ wear them down
FAQ
「組織を弱体化する」は英語で?
広く使えるのは weaken an organization です。信頼や内部基盤を崩すことを強調するなら undermine an organization も使えますが、具体的に undermine its authority や undermine trust within the organization とすると明確です。
「経済が弱体化する」は英語で?
The economy is weakening. や The economy has weakened. が自然です。競争力や購買力が徐々に失われる場合は erode economic competitiveness や erode purchasing power と表せます。
「信頼を弱体化する」は英語で?
undermine trust または erode trust が自然です。土台を崩す原因に焦点を当てるなら undermine、時間をかけて徐々に失われることに焦点を当てるなら erode を使います。
weakenとundermineの違いは?
weaken は力を弱くする一般的な表現です。undermine は、信頼・権威・自信・努力などを支える土台を見えにくい形で崩すニュアンスがあります。
「体力が弱る」はwear downでよい?
単に体力が低下するなら become weaker や lose strength が自然です。仕事やストレスなどが長く続き、人を消耗させるなら wear someone down が適しています。
関連する英語表現
- 「強化する」は英語で?strengthen・enhance・reinforce・tightenの違い
- 「安定する」は英語で?stabilize・remain stable・settle down・level offの違い
- water downの意味と使い方
- wear awayの意味とwear downとの違い
- take away fromの意味と使い方
まとめ
「弱体化する」の最も広い英語は weaken です。ただし、信頼や権威の土台を崩すなら undermine、価値や権利を少しずつ損なうなら erode、人や抵抗力を長い時間をかけて消耗させるなら wear down が自然です。
難しい表現が出てこないときは、It is not as strong as before. や Fewer people trust them now. のように、「何の力が減ったのか」「以前と比べてどう変わったのか」を基本語で説明してみましょう。








