
「今度こそ、何としてでも成功させたい」「この問題だけは絶対に解決しなければならない」。そんな強い決意を英語で表したいときに使えるのが at all costs です。
ただし、costには「費用」だけでなく「犠牲・代償」という感覚もあります。そのため、単なる「頑張る」より強く、ときには「他のものを犠牲にしてでも」という危うさまで含む表現です。この記事では、意味の仕組み、自然な語順、日常・仕事での例文、at any cost や whatever it takes との違いまで整理します。
Contents
最初に結論:at all costsは「何としてでも」
at all costs の基本的な意味は、次の2つです。
- 何としてでも・ぜひとも:強い決意を表す
- どんな犠牲を払っても:代償をいとわない姿勢を表す
We must protect customer data at all costs.
顧客データは何としてでも守らなければなりません。
Avoid that road at all costs.
その道は絶対に避けてください。
肯定的な目標にも使えますが、avoid A at all costs のように「Aだけは絶対に避ける」という形も非常によく使われます。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「何としてでも」になる?costsの感覚
cost は「値段・費用」と覚えることが多い単語ですが、「何かを得るために失うもの」「代償」という意味もあります。at all costs を直訳に近づけると、「あらゆる代償において」「どんな代償がかかっても」です。
ここでの all は、考えられる代償をすべて含める強調です。そこから、「何があっても目標を達成する」「絶対に避ける」という意味になります。
なお、通常は複数形の costs を使う at all costs が定型表現です。単数形の at all cost は標準的な形としては避けましょう。
よく使う語順と文型
動詞+目的語+at all costs
最も自然なのは、文末に置く形です。
We need to finish this project at all costs.
このプロジェクトは何としてでも終わらせる必要があります。
She wanted to keep the team together at all costs.
彼女は何としてでもチームをまとめておきたいと思っていました。
avoid / prevent / protect+at all costs
「絶対に避ける」「何としてでも防ぐ・守る」と相性がよい表現です。
We must avoid another delay at all costs.
さらなる遅延は何としてでも避けなければなりません。
Protect your passport at all costs while traveling.
旅行中はパスポートを絶対になくさないよう守ってください。
At all costs,+文
文頭に置くこともできますが、命令・警告・強い方針として響きやすくなります。
At all costs, do not share this password.
何があっても、このパスワードを共有しないでください。
日常会話では、文末に置くほうが自然で穏やかな流れになりやすいです。
日常会話・仕事で使える自然な例文
I have to catch that train at all costs.
何としてでもあの電車に乗らないと。
We need to keep the client at all costs.
何としてでもその顧客をつなぎ止める必要があります。
Don’t wake the baby at all costs.
絶対に赤ちゃんを起こさないで。
He tries to avoid conflict at all costs.
彼は何があっても衝突を避けようとします。
She was determined to win at all costs.
彼女はどんな犠牲を払っても勝つ決意でした。
We should not pursue growth at all costs.
犠牲を顧みず成長だけを追求すべきではありません。
最後の例のように、not … at all costs は「何が何でも〜するべきではない」「代償を無視してまで〜しない」という批判にも使えます。
at all costsとat any costの違い

at all costs と at any cost は、どちらも「どんな犠牲を払っても」と訳せます。意味はかなり近いものの、使われ方に少し違いがあります。
- at all costs:定型的で、会話でも文章でもよく使う。「何としてでも」という決意や「絶対に避ける」という命令に自然
- at any cost:「どれほどの代償になっても」という代償そのものを意識させやすい。警告・批判にも合う
We must prevent an accident at all costs.
何としてでも事故を防がなければなりません。
Success at any cost is not worth it.
どんな代償を払ってでも得る成功には価値がありません。
ただし境界は厳密ではなく、置き換えられる場面も多くあります。迷ったら、定型表現として広く使われる at all costs を先に覚えるとよいでしょう。
whatever it takesとの違い
whatever it takes も「必要なことは何でもして・何としてでも」を表します。
- at all costs:犠牲や代償を払う可能性が背景にある。強く、ときに危険・極端に響く
- whatever it takes:目標達成に必要な努力・手段を惜しまない。励ましや前向きな決意にも使いやすい
I’ll do whatever it takes to help you.
あなたを助けるために、できることは何でもします。
He wants to win at all costs.
彼はどんな犠牲を払ってでも勝ちたがっています。
詳しくは、whatever it takesの意味・使い方も参考にしてください。
日本人が間違えやすいポイント
costを単数形にしない
定型表現は at all costs です。at all cost ではなく、複数形のsまで一つのかたまりとして覚えましょう。
何にでも使える強調語ではない
「ぜひ来てね」を Come at all costs. とすると、状況によっては大げさです。普通の誘いなら Please come if you can. や I really hope you can come. のほうが自然です。
人を傷つけてもよいという響きに注意する
win at all costs は、文脈によって「ルールや倫理を無視してでも勝つ」という批判的な意味になります。強い決意を前向きに伝えるだけなら、do my best や whatever it takes のほうが安全な場合があります。
しゅみすけ(大山俊輔)
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
at all costsを思い出せなくても、基本語で十分に伝えられます。
- We really need to do this.
これは本当にやる必要があります。 - We must not let this happen.
これは絶対に起こしてはいけません。 - I’ll do everything I can.
できることはすべてします。 - This is our top priority.
これが最優先です。
「何としてでも」を一語一句変換しようとせず、必要性・禁止・最優先のどれを伝えたいかに分けると、簡単な英語にできます。
関連表現
- at the expense ofの意味・使い方:〜を犠牲にして
- at any rateの意味・使い方:とにかく・いずれにせよ
- 英熟語・定型表現の一覧
まとめ
at all costs は「何としてでも・どんな犠牲を払っても」を表す強い表現です。文末に置く形が自然で、achieve / protect / prevent / avoid などとよく使われます。
ただし、costsには「代償」の感覚があります。前向きな決意だけでなく、「手段を選ばない」「他のものを犠牲にする」という批判的な響きも生まれます。単なる強調として乱用せず、本当に最優先したいことや絶対に避けたいことに使いましょう。









