
more or less は、「だいたい」「ほぼ」「多かれ少なかれ」を表す定型表現です。数字をざっくり示すだけでなく、物事が完全ではないものの、全体としてはそう言ってよいときにも使えます。
たとえば The work is more or less finished. は、細かい作業が少し残っていても「仕事はほぼ終わった」という意味です。一方、The work is almost finished. は「まだ終わっていないが、もう少し」という見方になります。この小さな違いが、more or less を自然に使う鍵です。
先に要点
- 数字・量なら「だいたい、約」
- 状態なら「ほぼ、おおむね」
- 人や物への影響なら「多かれ少なかれ」
- 「少し多い可能性」と「少し少ない可能性」の両方を残す
Contents
more or lessの基本的な意味
more or less を直訳すると「より多く、またはより少なく」です。つまり、示した数字や状態を中心にして、少し上かもしれないし、少し下かもしれないという幅を持たせています。
| 用法 | 自然な日本語 | 例 |
|---|---|---|
| 数字・量 | だいたい、約 | 50 people, more or less |
| 状態・程度 | ほぼ、おおむね | more or less ready |
| 影響・当てはまり方 | 多かれ少なかれ | We all agree, more or less. |
しゅみすけ(大山俊輔)
使い方1:数字や量を「だいたい」と伝える
人数、値段、時間、距離などが正確には分からないときに使えます。数字の前に置く形もありますが、会話では数字を言ったあとに , more or less と付け足す形が自然です。
It’ll take two hours, more or less.
だいたい2時間かかります。
There were more or less 30 people at the event.
そのイベントには30人ほどいました。
The repair cost $200, more or less.
修理代はだいたい200ドルでした。
We walked five kilometers, more or less.
私たちはだいたい5キロ歩きました。
正確さが必要な見積書や契約ではなく、日常会話で「ざっくり言うと」と伝える場面に向いています。
使い方2:状態を「ほぼ・おおむね」と伝える
more or less + 形容詞・過去分詞 で、細部には例外や未完成な部分があっても、「全体としてはその状態」と言えます。
I’m more or less ready.
準備はだいたいできています。
The new website is more or less complete.
新しいウェブサイトはほぼ完成しています。
We’ve more or less solved the problem.
その問題はおおむね解決しました。
Our schedules are more or less the same.
私たちの予定はだいたい同じです。
more or less the same は特によく使われる組み合わせです。「完全に同じではないが、実質的な違いは小さい」というニュアンスになります。
使い方3:「多かれ少なかれ」と程度の差を認める
複数の人や物に同じことが当てはまるものの、その程度は同じではないとき、日本語の「多かれ少なかれ」によく対応します。
We’re all nervous, more or less.
私たちはみんな、多かれ少なかれ緊張しています。
Every job has stress, more or less.
どんな仕事にも、多かれ少なかれストレスがあります。
Everyone was affected by the change, more or less.
その変更の影響は、多かれ少なかれ全員が受けました。
この用法では文末に置くと、「程度の差はあるけれどね」と後から補足する響きになります。
more or lessとabout・almostの違い

about / around:数字の「約」なら最も中立
about と around は、数字の前に置く一般的な「約」です。単に概数を伝えたいなら、more or less よりこちらのほうが短く自然なことも多くあります。
It takes about 20 minutes.
約20分かかります。
It takes 20 minutes, more or less.
20分くらいです。多少前後します。
後者は「多いか少ないかは分からないが、そのあたり」という幅を少し意識させます。
almost / nearly:「まだ届いていない」が中心
almost と nearly は、基準のすぐ手前まで来たものの、まだ到達していないことを表します。more or less のような両方向の幅ではありません。
| 英文 | ニュアンス |
|---|---|
| The report is almost finished. | まだ未完成だが、もう少しで終わる |
| The report is more or less finished. | 細部は残っていても、実質的には終わった |
締め切り前の確認でこの2つを取り違えると、仕事の進捗の伝わり方が変わるので注意しましょう。
roughly / approximately:カジュアルさ・堅さが違う
roughly は「ざっくり」、approximately は書き言葉や案内で使いやすい「およそ」です。more or less は会話的で、数字だけでなく状態にも広く使えます。
pretty much:会話的な「ほとんど」
pretty much は日常会話で「ほぼ」「だいたいそう」と言う表現です。more or less と近い場面もあります。
That’s pretty much what happened.
だいたいそんなことが起きました。
That’s more or less what happened.
細部はともかく、おおむねそんなことが起きました。
場面別の自然な例文
日常会話
“Is your room clean?” “More or less.”
「部屋は片付いた?」「まあ、だいたいね。」
仕事
The budget is fixed, more or less, but we can adjust a few items.
予算はほぼ固まっていますが、いくつかの項目は調整できます。
旅行
The station is a ten-minute walk from here, more or less.
駅はここから歩いてだいたい10分です。
恋愛・人間関係
We want more or less the same things in life.
私たちは人生で望んでいることがだいたい同じです。
家庭・暮らし
Dinner is more or less ready. Could you set the table?
夕食はだいたいできたよ。テーブルを用意してくれる?
文中のどこに置く?
- 数字の前:more or less 100 people
- 数字の後:100 people, more or less
- 形容詞・過去分詞の前:more or less ready / more or less finished
- 文末の補足:We all agree, more or less.
会話で概数を伝えるなら、数字 + , more or less が使いやすい形です。状態なら more or less + 形容詞・過去分詞 を基本にしましょう。
日本人が間違えやすいポイント
more and lessにしない
定型表現は more or less です。「多く、そして少なく」ではなく、「多いか少ないか」という幅なので or を使います。
aboutと重ねない
about more or less 20 minutes のように、概数表現を重ねる必要はありません。about 20 minutes または 20 minutes, more or less のどちらかで十分です。
more or less thanは曖昧になりやすい
more or less than 100 は、「100より多いか少ないか」とも「およそ100」とも読めます。概数なら approximately 100、比較なら more than or less than 100 と明確に分けるほうが安全です。
正確な数字には使わない
more or less は意図的に幅を持たせる表現です。料金、締め切り、契約条件など、正確さが重要な場面では具体的な数字や範囲を示しましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
とっさに出なければ簡単な英語で言い換えよう
more or less が出てこなくても、次の簡単な表現で十分伝わります。
- about / around:数字が「だいたい」
- mostly:大部分は
- almost the same:ほとんど同じ
- not exactly, but close:正確ではないけれど近い
- in some way:何らかの形で
It’s not exactly finished, but it’s close.
完全に終わったわけではありませんが、ほぼできています。
難しい表現を無理に使うより、知っている単語で意味を分けて伝えるほうが、会話では確実です。
関連表現も一緒に覚えよう
- many moreの意味と使い方:more が「さらに多くの」を作る表現
- 英熟語・定型表現の記事一覧:会話で使える表現を意味・ニュアンスから学ぶ
まとめ
more or less は、中心となる数字や状態から多少ずれる可能性を残しながら、「だいたい」「ほぼ」「多かれ少なかれ」と伝える表現です。
- 数字なら「だいたい、約」
- 状態なら「ほぼ、おおむね」
- 程度の差を認めるなら「多かれ少なかれ」
- almost は目標の手前、more or less は全体としてそう言ってよい状態
まずは It’ll take 30 minutes, more or less. や I’m more or less ready. のような短い形から、日常会話に取り入れてみてください。









