
run overには、「車でひく」「容器からあふれる」「予定時間を超える」「内容をざっと確認する」という複数の意味があります。
一見ばらばらですが、共通するのは境界や対象の上を越えて進むイメージです。車輪が物の上を通過する、液体が容器の縁を越える、会議が終了時刻を越える——このoverの感覚を押さえると、文脈から意味を判断しやすくなります。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
run overの4つの意味を先に確認

| 意味 | 何がoverするか | 代表例 |
|---|---|---|
| 車でひく・乗り上げる | 車輪が対象の上を通る | The car ran over the box. |
| あふれる | 水が容器の縁を越える | The bath is running over. |
| 時間を超える | 会議などが終了時刻を越える | The meeting ran over. |
| ざっと確認する | 内容を最初から最後までたどる | Let’s run over the plan. |
意味① 車でひく・乗り越える
車・バス・自転車などが人や物にぶつかり、その上を通過するときにrun overを使います。日本語では「ひく」「はねる」「乗り上げる」など、状況に応じて訳が変わります。
The car ran over a cardboard box in the road.
その車は道路にあった段ボール箱をひきました。
Be careful not to run over the curb.
縁石に乗り上げないように気をつけてください。
My bike nearly ran over his foot.
私の自転車が彼の足を危うくひきそうになりました。
事故について話す場合は、受動態のbe run overもよく使われます。
He was almost run over while crossing the street.
彼は道路を横断中、危うく車にひかれそうになりました。
語順:まずrun over+人・物で覚える
事故・運転の意味では、run over+人・物が分かりやすい基本形です。
- The car ran over the box.
車が箱をひきました。 - The car ran over it.
車がそれをひきました。 - The box was run over by a car.
箱は車にひかれました。
run the box overやrun it overという語順も使われますが、まずはrun over+目的語と受動態のbe run overを身につければ、自然に伝えられます。
意味② 水などがあふれる
水が浴槽・洗面台・容器の縁を越えて外へ出るときもrun overです。この用法では、容器が主語になることがよくあります。
The bath is running over!
お風呂の水があふれているよ!
I left the tap on, and the sink ran over.
蛇口を開けたままにして、洗面台から水があふれました。
Turn off the water before the bucket runs over.
バケツから水があふれる前に止めてください。
overflowも「あふれる」という意味です。overflowは一語で、説明・警告表示・やや正式な文にも使いやすい表現です。
The sink overflowed.
洗面台から水があふれました。
意味③ 会議・予定が時間を超える
会議・授業・イベントなどが、予定されていた終了時刻を過ぎる場合にもrun overを使います。
The meeting ran over by twenty minutes.
会議は予定より20分長引きました。
Sorry, my previous appointment ran over.
すみません、前の予定が長引きました。
We’re running over, so let’s discuss the last point tomorrow.
予定時間を超えているので、最後の点は明日話しましょう。
run over by+時間で「〜分超過する」、run over into+時間帯で「〜の時間まで食い込む」と表せます。
The workshop ran over into the lunch break.
研修は昼休みまで長引きました。
意味④ 内容をざっと確認する
計画・要点・手順などを短時間でひと通り確認するときにもrun overを使えます。内容の上を素早くなぞるイメージです。
Let’s run over the plan one more time.
計画をもう一度ざっと確認しましょう。
Can we run over the main points before the meeting?
会議前に要点をざっと確認できますか。
She ran over the instructions with the new staff.
彼女は新人スタッフと手順をひと通り確認しました。
ただし、日常や仕事ではgo overやrun throughのほうが広く使われる場合もあります。run overは素早く一巡する感じ、go overは確認・検討、run throughは最初から最後までリハーサルする感覚が出やすい表現です。
run+overから意味を理解する
runは、人が走るだけでなく、車・水・機械・会議などが「動く・流れる・続く」ことにも使えます。
- The engine is running.:エンジンが動いている
- Water is running.:水が流れている
- The show runs for two hours.:その公演は2時間続く
overは「上に」だけでなく、境界を越えて反対側まで進む感覚があります。
- 車輪が対象を越える → 車でひく
- 水が縁を越える → あふれる
- 会議が終了時刻を越える → 長引く
- 視線・意識が内容全体を越えて進む → ざっと確認する
文の主語が車なら事故、浴槽・洗面台なら水、会議・授業なら時間、目的語がplan・points・detailsなら確認、と判断できます。
run over・run into・go overの違い
| 表現 | 中心イメージ | 代表的な意味 |
|---|---|---|
| run over | 境界・対象の上を越える | ひく、あふれる、時間超過 |
| run into | 中へぶつかる | 衝突する、偶然会う、問題に直面する |
| go over | 内容の上をたどる | 確認する、見直す |
The car ran into a wall.は「車が壁に衝突した」で、壁の上を通過したわけではありません。The car ran over the box.なら、タイヤが箱の上を通ったという違いがあります。
「資料を確認する」ならgo over the documentが最も無難です。run overにも確認の意味はありますが、車の用法と誤解されそうな文脈ではgo overやrun throughを使うと明確です。
日常・仕事・旅行で使える例文
運転・海外旅行
I think we ran over something.
何かをひいたような気がします。
A taxi nearly ran over my suitcase.
タクシーが危うく私のスーツケースをひきそうになりました。
家庭・暮らし
The washing machine leaked, and the drain nearly ran over.
洗濯機から水が漏れ、排水口があふれそうになりました。
Watch the pot so it doesn’t run over.
鍋からあふれないように見ていてください。
仕事
The client call ran over, so I’ll be five minutes late.
顧客との電話が長引いたので、5分遅れます。
Let me quickly run over today’s agenda.
今日の議題を手短に確認させてください。
日本人が間違えやすいポイント
run overとrun intoを混同しない
対象にぶつかるだけならrun into、車輪などが対象の上を通るならrun overです。
過去形はran over
runは不規則動詞で、run・ran・runと変化します。
- 現在:The meeting runs over sometimes.
- 過去:The meeting ran over yesterday.
- 完了:The meeting has run over again.
時間の用法では目的語を置かないことが多い
× The meeting ran over the time.
○ The meeting ran over.
○ The meeting ran over by ten minutes.
「見直す」ならgo overも検討する
run over the planは素早い確認として使えますが、慎重に確認するならgo over the planのほうが自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
簡単な英語で言い換えるなら
| 言いたいこと | 簡単な言い換え |
|---|---|
| 車が箱をひいた | The car drove over the box. |
| 浴槽から水があふれている | Water is coming out of the bath. |
| 会議が長引いた | The meeting finished late. |
| 計画を確認しよう | Let’s check the plan. |
run overがすぐ出てこなくても、drive over・come out・finish late・checkといった基本語で十分に伝えられます。
関連表現
まとめ
- run overの中心は「境界や対象の上を越えて進む」
- 車が人・物の上を通ると「ひく・乗り上げる」
- 水が容器の縁を越えると「あふれる」
- 会議が終了時刻を越えると「長引く・時間超過する」
- 内容を素早くたどると「ざっと確認する」
- 過去形はran over、過去分詞はrun over
意味を丸暗記するより、車・水・時間・内容の何がoverしているのかを見ると、run overの用法を自然に見分けられます。
runの句動詞をまとめて学ぶ:runを使った句動詞一覧|意味・使い方・語順を整理









