
「引き継ぐ」は、受け手の視点ならtake over、渡す側ならhand overが基本です。財産・特徴・古い仕組みなどを受け継ぐ場合はinheritを使います。日本語では同じ「引き継ぐ」でも主語の向きが重要です。
この記事では、「引き継ぐ」を直訳で一語に決めず、日常会話・仕事・人間関係などの場面に分けて、自然な英語、目的語の置き方、前置詞、よくある間違いまで整理します。最後に、難しい表現が出てこないときの簡単な言い換えも紹介します。
Contents
「引き継ぐ」の英語を先に一覧で確認
| 英語表現 | 中心となる意味 | 基本の型 |
| take over | 仕事・担当・会社・役割を受け取って、その後を担う | take over A / take over from A |
| hand over | 仕事・情報・権限・物を相手へ渡す | hand over A to B / hand A over to B |
| inherit | 財産・性質・問題・既存システムなどを受け継ぐ | inherit A from B |
しゅみすけ(大山俊輔)
take over:仕事・担当・会社・役割を受け取って、その後を担う
take overの基本形はtake over A / take over from Aです。日本語では目的語や相手を省略しやすい一方、英語では「何を」「誰に」「何と比べて」を文の中に置くと意味が明確になります。
- I’ll take over the project next month.
来月そのプロジェクトを引き継ぎます。 - Mika took over from the previous manager.
ミカは前任マネージャーから業務を引き継ぎました。 - Can you take over while I’m away?
私の不在中、代わりに担当してもらえますか。
会話では前後の状況が明らかなら短く言えますが、仕事の連絡では対象を省かないほうが誤解を防げます。依頼にするときはPlease ...、少し柔らかくするならCould you ...?、自分が担当すると伝えるならI'll ...が便利です。
hand over:仕事・情報・権限・物を相手へ渡す
hand overの基本形はhand over A to B / hand A over to Bです。日本語では目的語や相手を省略しやすい一方、英語では「何を」「誰に」「何と比べて」を文の中に置くと意味が明確になります。
- I’ll hand the account over to Ken.
この顧客担当をケンに引き継ぎます。 - She handed over all the files to her successor.
彼女は後任者に全ファイルを引き渡しました。 - We need a week to hand over the work properly.
きちんと業務を引き継ぐのに一週間必要です。
会話では前後の状況が明らかなら短く言えますが、仕事の連絡では対象を省かないほうが誤解を防げます。依頼にするときはPlease ...、少し柔らかくするならCould you ...?、自分が担当すると伝えるならI'll ...が便利です。
inherit:財産・性質・問題・既存システムなどを受け継ぐ
inheritの基本形はinherit A from Bです。日本語では目的語や相手を省略しやすい一方、英語では「何を」「誰に」「何と比べて」を文の中に置くと意味が明確になります。
- He inherited the business from his father.
彼は父親から事業を引き継ぎました。 - The new team inherited several unresolved issues.
新チームはいくつかの未解決問題を引き継ぎました。 - I inherited this process from my predecessor.
この手順は前任者から引き継ぎました。
会話では前後の状況が明らかなら短く言えますが、仕事の連絡では対象を省かないほうが誤解を防げます。依頼にするときはPlease ...、少し柔らかくするならCould you ...?、自分が担当すると伝えるならI'll ...が便利です。

場面別:「引き継ぐ」を自然に言い分ける
| 日本語の場面 | 自然な英語 |
| 新担当が業務を受ける | take over the work |
| 前任者から引き継ぐ | take over from the previous person |
| 後任へ仕事を渡す | hand the work over to a successor |
| 資料を引き渡す | hand over the documents |
| 家業を受け継ぐ | inherit the family business |
| 未解決問題を背負う | inherit unresolved problems |
同じ日本語でも、日常生活では動作が見えているため短い基本語が好まれます。一方、仕事では、対象・判断基準・担当者・期限などを具体的に伝える必要があります。英語表現の難しさよりも、必要な情報が文に入っているかを優先してください。
自動詞・他動詞、目的語と前置詞
英語では動詞の後ろにそのまま目的語を置く形と、前置詞を介して相手・場所・比較対象を示す形を区別します。この記事で紹介した基本形を、単語ではなく短いかたまりで覚えるのが安全です。
take over A / take over from A:仕事・担当・会社・役割を受け取って、その後を担うhand over A to B / hand A over to B:仕事・情報・権限・物を相手へ渡すinherit A from B:財産・性質・問題・既存システムなどを受け継ぐ
代名詞を使う場合も語順に注意します。また、目的語が長い仕事文では、誰が何をするかを先に置き、補足情報を後ろへ続けると読みやすくなります。受け身は、行為者より対象や結果を中心に述べたいときに使えます。
日常会話と仕事での違い
日常会話では短く、結果を伝える
家庭や友人との会話では、目の前の状況を共有しているので、基本動詞や短い説明で十分です。完璧な専門語を思い出そうとして会話を止めるより、目的や結果を一文足すほうが伝わります。
仕事では対象と基準を明示する
仕事の英語では、「引き継ぐ」という行為だけでなく、対象、相手、期限、理由、完了した結果まで示すと実務的です。依頼するときはCould you ... by Friday?、進捗を伝えるならI've ...、今後の担当を示すならI'll ...の型が役立ちます。
日本人が間違えやすいポイント
- take overとhand overは視点が逆です。受ける人がtake over、渡す人がhand overします。
- hand overの目的語が代名詞ならhand it overの語順が自然です。
- inheritanceは名詞「相続財産」、inheritは動詞です。通常の短い業務引継ぎならtake overが自然です。
辞書の最初に載っている訳だけで決めると、文法的には正しくても場面に合わない英語になることがあります。表現を覚えるときは、代表的な目的語と一緒に声に出し、自分の生活や仕事の内容へ置き換えてみてください。
しゅみすけ(大山俊輔)
しゅみすけ式:「引き継ぐ」が出てこないときの簡単な言い換え
専門的な単語が出てこないときは、①基本動詞を使う、②目的を説明する、③結果を説明する、④一文を二文に分ける、の順で考えます。次の表現なら中学英語を中心に組み立てられます。
- I’ll do this job from next month.
来月から私がこの仕事を担当します。 - Ken will be in charge from now on.
これからはケンが担当します。 - I’ll show her what to do before I leave.
退職前に何をすべきか彼女に説明します。
たとえば「引き継ぐ」という日本語をそのまま訳せなくても、実際に行った動作や変化を説明すれば相手は理解できます。会話では、一語の正解よりも、短い文を止まらずに続けることが大切です。
ミニ会話で確認
A: What are you doing?
何をしているのですか。
B: I’m dealing with it now. I want to make sure everything is clear.
今対応しています。すべて明確になっているか確かめたいです。
A: Do you need any help?
何か手伝いましょうか。
B: Thanks. Could you check this part with me?
ありがとう。この部分を一緒に確認してもらえますか。
よくある質問
最も一般的な「引き継ぐ」の英語はどれですか?
最も一般的な表現は場面によって変わります。まずはこの記事の一覧で、自分がよく使う場面に近い表現を一つ選び、代表例文ごと覚えてください。
フォーマルな仕事でも使えますか?
はい。ただし日常的な表現でも、対象・期限・理由を明示すれば仕事で十分使えます。より事務的な語が必要な場面だけ、フォーマルな選択肢を使いましょう。
前置詞まで覚える必要がありますか?
必要です。動詞一語だけでなく、take over A / take over from Aのような基本形で覚えると、実際の会話やメールで語順に迷いにくくなります。
関連表現
似た場面の表現もあわせて確認すると使い分けが整理できます。hand overの意味と語順の記事では、関連する意味・語順・例文を詳しく解説しています。
まとめ
- take over:仕事・担当・会社・役割を受け取って、その後を担う
- hand over:仕事・情報・権限・物を相手へ渡す
- inherit:財産・性質・問題・既存システムなどを受け継ぐ
「引き継ぐ」は、日本語に対応する英単語を一つ暗記するより、場面と目的語をセットにして覚えるほうが実践的です。迷ったときは、難しい表現にこだわらず、何をしたかと結果を簡単な英語で説明してみてください。
引き継ぎ完了を仕事で報告する
引き継ぎ中ならI’m handing the project over to Aya.、受け手ならI’m taking over the project from Ken.です。完了報告にはThe handover is now complete.も使えます。担当変更だけでなく、未完了事項、期限、保存場所、連絡先を続けると実務的な引継ぎになります。










