
hand overは、「人に物を手渡す」「責任・権限・管理などを引き渡す」という意味の句動詞です。単にgiveと言うよりも、自分の手元・管理下にあったものを、相手の手元・管理下へ移す感覚があります。
仕事の引き継ぎ、鍵や書類の受け渡し、警察への身柄の引き渡しなどでよく使われます。この記事では、hand overの意味、語順、よく使う文型、give・pass・turn over・take overとの違い、そして句動詞が出てこないときの簡単な言い換えを解説します。
Contents
hand overの意味を最初に整理
- 物を手渡す:Please hand over your ID.(身分証明書を渡してください)
- 責任・仕事を引き渡す:She handed the project over to me.(彼女はそのプロジェクトを私に引き継いだ)
- 権限・管理を移す:They handed over control to the local team.(彼らは管理権を現地チームへ移した)
- 身柄などを引き渡す:The suspect was handed over to the police.(容疑者は警察へ引き渡された)
核になる形はhand A over to Bです。「AをBへ引き渡す」と考えると、物理的な物から仕事・権限まで同じイメージで理解できます。
しゅみすけ(大山俊輔)
hand+overから意味の仕組みを理解する
handは「手で渡す」、overは「こちら側から向こう側へ越えて移る」というイメージです。二つを合わせると、自分が持っている物や管理している役割を相手側へ移す意味になります。
そのため、hand overは手で持てる鍵・書類・現金だけでなく、responsibility(責任)、control(管理権)、authority(権限)、ownership(所有権)などにも使えます。

意味1:物を手渡す
鍵、書類、携帯電話、現金、身分証などを相手へ渡す場面で使います。相手が受け取ることを求める、やや明確な動作です。
- Could you hand over the keys?
鍵を渡してもらえますか。 - He handed the document over to his manager.
彼はその書類を上司に手渡しました。 - Hand over your phone, please.
携帯電話を渡してください。 - The cashier handed over the receipt.
店員はレシートを手渡しました。
命令形のHand it over.は「それを渡せ」という強い響きになることがあります。丁寧に頼むならCould you hand it over to me?やCould you pass it to me?が自然です。
意味2:仕事・責任・権限を引き渡す
ビジネスでは、担当、管理、責任、プロジェクトなどを後任へ移す意味で頻出します。
- I’ll hand over my duties to Ken next week.
来週、私の業務をケンに引き継ぎます。 - She handed control of the project over to the new director.
彼女はプロジェクトの管理を新しい責任者へ引き渡しました。 - We need a week to hand everything over properly.
すべてをきちんと引き継ぐには1週間必要です。 - The founder handed over the business to his daughter.
創業者は娘に事業を譲りました。
日本語の「引き継ぐ」は、渡す側ならhand over、受け取る側ならtake overが中心です。具体的な引き継ぎメールやhandoverという名詞の使い方は、「引き継ぎ」は英語で?でも詳しく紹介しています。
意味3:公的機関などへ引き渡す
人、証拠品、押収物などを警察や当局へ正式に移す場面でも使われます。
- The suspect was handed over to the police.
容疑者は警察へ引き渡されました。 - The evidence was handed over to the authorities.
証拠は当局へ引き渡されました。 - They agreed to hand him over.
彼らは彼の身柄を引き渡すことに同意しました。
この用法は日常の「手渡す」よりも正式で、ニュースや法律関係の文脈でも見かけます。
hand overの語順:代名詞は必ず真ん中
hand overは分離可能な句動詞です。目的語が名詞なら二つの語順を使えます。
- hand over the key
- hand the key over
渡す相手を示すときは、通常to 人を後ろに置きます。
- Hand over the key to Maya.
- Hand the key over to Maya.
目的語がit・them・himなどの代名詞なら、必ずhandとoverの間です。
- Hand it over.(正しい)
Hand over it.(誤り)- They handed him over to the police.(正しい)
しゅみすけ(大山俊輔)
よく使われる文型と組み合わせ
| 形 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| hand A over to B | AをBへ引き渡す | Hand the file over to Sara. |
| hand over responsibility | 責任を引き渡す | He handed over responsibility. |
| hand over control | 管理権を移す | They handed over control. |
| be handed over to | 〜へ引き渡される | It was handed over to the police. |
| handover | 引き継ぎ・受け渡し(名詞) | We had a handover meeting. |
句動詞は通常hand overと2語で書きます。名詞・形容詞ではhandoverまたはhand-overと書かれることがあります。例:handover notes(引き継ぎ資料)、handover period(引き継ぎ期間)。
hand over・give・pass・turn overの違い
| 表現 | 中心の意味 | ニュアンス |
|---|---|---|
| give | 与える・渡す | 最も広く中立的 |
| pass | 手渡す・回す | 近くの人へさっと渡す |
| hand over | 手渡す・引き渡す | 所有・管理・責任が相手側へ移る |
| turn over to | 管理・担当などを引き渡す | 正式な移管や発言の交代にも使う |
Give me the key.は単に「鍵をちょうだい」。Hand over the key.は「あなたが持っている鍵をこちらへ引き渡して」という、移転をはっきり示す響きがあります。
turn over toとの違いは、turn over toの意味・使い方で詳しく比較しています。また、overを使う句動詞全体の共通イメージは、overを使った句動詞一覧で確認できます。
日本人が間違えやすいポイント
渡す側と受け取る側を混同しない
hand overは渡す側、take overは受け取って引き継ぐ側です。
- Yuki handed the project over to me.(ユキが私へ引き継いだ)
- I took over the project from Yuki.(私がユキから引き継いだ)
人に物を渡す語順に注意する
hand overでは、基本的にhand A over to Bです。hand B A overのようには組み立てません。
hand inと混同しない
hand inは宿題・申請書などを「提出する」、hand overは物・権限・責任を「相手へ引き渡す」です。hand inについては、Hand inの意味と使い分けで確認できます。
hand overが出てこなかったら?
難しい単語へ置き換えなくても、「誰が何を誰に渡したか」を基本英語で言えば伝わります。
- 鍵を手渡す → Please give the key to her.
彼女に鍵を渡してください。 - 仕事を引き継ぐ → I will give my work to Ken, and he will do it from next week.
私の仕事をケンに渡し、来週から彼が担当します。 - 管理権を移す → The local team will be in charge now.
これからは現地チームが担当します。 - 警察へ引き渡す → They gave him to the police.
彼らは彼を警察に引き渡しました。
完全な一語訳を探すより、「今まで誰が持っていたか」「次に誰が持つ・担当するか」を2文で説明すると、仕事の引き継ぎも伝えやすくなります。
仕事・試験で一緒に覚えたい表現は、仕事・ビジネスで使う句動詞一覧とTOEIC対策で覚えたい句動詞一覧に整理しています。
まとめ
hand overは、自分の手元・管理下にある物、責任、権限、身柄などを相手側へ移す句動詞です。名詞ならhand over the key / hand the key overの両方が可能ですが、代名詞は必ずhand it over。相手はtoで示し、hand A over to Bの形を基本にしましょう。
句動詞全体を基本動詞別に学びたい方は、句動詞一覧436選もあわせてご覧ください。
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