
「抗弁する」は英語で、法律上の立場を述べるなら plead や raise a defense、相手の主張に異議を唱えるなら object、自分を守るために事情を説明するなら argue in one’s defense などと表せます。
ただし、日本語の「抗弁する」にいつでも使える英語一語があるわけではありません。「法廷でどのような答弁をするのか」「法的な防御を持ち出すのか」「その場で反対するのか」「自分の立場を説明するのか」に分けると、自然な英語を選べます。
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「抗弁する」の主な英語表現
| 英語 | 中心的な意味 | 使う場面 | 代表例文 |
|---|---|---|---|
| plead | 法廷で答弁する | 有罪・無罪の答弁など | He pleaded not guilty. |
| raise a defense | 抗弁・防御を提出する | 法律上の主張を持ち出す | They raised a defense of necessity. |
| object | 異議を唱える | 発言・決定・証拠などに反対する | She objected to the decision. |
| argue in one’s defense | 自分を守るために論じる | 日常・仕事で事情を説明する | He argued in his own defense. |
一番自然な表現は場面で決まる
法廷で「無罪を主張した」という意味なら、plead not guilty が定型表現です。一方、契約や訴訟で特定の法的理由を抗弁として提出するなら、raise a defense や assert a defense が適しています。
会議や日常会話で「それには異議があります」と言うだけなら、堅い法律語を持ち出さず object が自然です。非難された人が「自分にも言い分がある」と説明する場面では、defend oneself や argue in one’s defense のほうが伝わります。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本語の「抗弁する」と英語の意味のズレ
日本語の「抗弁」は、広くは相手の主張に対抗して自分の言い分を述べること、法律では相手の請求を退けるための主張を意味します。英語では、この二つが別々の動詞や表現になります。
- 有罪か無罪かを法廷で答える → plead
- 請求に対する法的な防御を提出する → raise / assert a defense
- 発言や決定に反対する → object
- 自分の立場を守って説明する → defend oneself / argue in one’s defense
つまり「抗弁する=plead」と覚えるだけでは不十分です。何に対して、どのような形で自分の立場を示すのかを英語にします。

pleadの使い方と語順
plead は法律英語で、被告人が法廷で正式な答弁をする意味があります。最もよく見る形は plead guilty(有罪を認める)と plead not guilty(無罪を主張する)です。
- He pleaded not guilty to all charges.
彼はすべての罪状について無罪を主張しました。 - She decided to plead guilty.
彼女は有罪を認めることにしました。
plead + guilty / not guilty + to + 罪状 が基本です。plead には「懇願する」という別の意味もあるので、文脈を見ずに「抗弁する」と訳さないようにしましょう。
raise a defenseの使い方と語順
raise a defense は「抗弁を提出する」「防御となる主張を持ち出す」という法律寄りの表現です。より硬く assert a defense と言うこともあります。
- The company raised a defense based on the contract.
会社は契約に基づく抗弁を提出しました。 - The defendant may assert this defense in court.
被告は法廷でこの抗弁を主張できます。
語順は raise / assert + a defense、理由を続けるなら a defense based on … や the defense of … とします。日常会話では専門的に響くため、普通の言い分なら explain one’s side のほうが自然です。
objectの使い方と語順
object は「反対する」「異議を唱える」です。法律でも日常でも使えますが、特定のものに反対するときは前置詞 to が必要です。
- I object to this proposal.
私はこの提案に異議があります。 - The lawyer objected to the question.
弁護士はその質問に異議を唱えました。 - Several members objected to changing the rule.
数人のメンバーが規則の変更に反対しました。
object to + 名詞 / 動名詞 の形です。to の後ろに動詞の原形を置かず、object to change ではなく object to changing とします。
argue in one’s defenseの使い方と語順
argue in one’s defense は、非難や疑いに対して自分を守るために理由を述べる表現です。もっと簡潔に defend oneself とも言えます。
- She argued in her own defense during the meeting.
彼女は会議で自分を守るために抗弁しました。 - Let me defend myself.
私にも弁明させてください。 - He explained his side of the story.
彼は自分側の事情を説明しました。
one’s は主語に合わせて my / your / his / her / our / their に変えます。in my defense は「自分を弁護するなら」「言い訳をさせてもらえば」という前置きにも使えます。
場面別の例文
法廷・法律
- The accused pleaded not guilty.
被告人は無罪を主張しました。 - The tenant raised a defense against the landlord’s claim.
借主は家主の請求に対して抗弁しました。 - The attorney objected to the evidence.
弁護士はその証拠に異議を唱えました。
仕事
- I objected to the sudden change in the schedule.
私は突然の予定変更に異議を唱えました。 - She explained why her team was not responsible.
彼女は自分のチームに責任がない理由を説明しました。 - In his defense, the instructions were unclear.
彼を擁護すると、指示が不明確でした。
日常会話・英語日記
- I tried to defend myself, but no one listened.
抗弁しようとしましたが、誰も聞いてくれませんでした。 - I told them my side of the story.
私は自分側の事情を話しました。 - I said I didn’t agree with their decision.
私はその決定に納得していないと伝えました。
類似表現との違い
defendとの違い
defend は、人や立場を攻撃・非難から守る広い語です。弁護士が依頼人を弁護する意味もあります。詳しくは「弁護する」は英語で?defend・represent・act forの違いをご覧ください。
反論するとの違い
「反論する」は相手の意見や論拠に対して別の考えを示すことが中心です。「抗弁する」には、自分への請求や非難を退ける目的が含まれやすくなります。詳しくは「反論する」は英語で?argue back・object・counter・refuteの違いも参考にしてください。
take exception toとの違い
take exception to は、発言や扱いを不快に思い、異議を唱える表現です。法的な抗弁よりも、相手の言い方への反発に向きます。詳しくはtake exception toの意味とobject toとの違いで解説しています。
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
plead や raise a defense が出てこなくても、基本語で「結局何をしたか」を言えば伝えられます。
| 言いたいこと | 基本語での言い換え |
|---|---|
| 無罪を抗弁した | He said he did not do it. |
| 責任がないと抗弁した | She explained why she was not responsible. |
| 相手の主張に抗弁した | I said I did not agree. |
| 不公平だと抗弁した | They said the claim was not fair. |
| 自分の言い分を述べた | I told them my side of the story. |
難しい単語を思い出そうと止まるより、誰が何を言ったか・なぜ責任がないのか・何に同意しなかったかを短い文に分けましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
よくある間違い
objectの後ろにtoを入れない
× I object this decision.
○ I object to this decision.
object toの後ろに動詞の原形を置く
× We object to change the plan.
○ We object to changing the plan.
pleadをどんな「言い返す」にも使う
plead は法廷での答弁や「懇願する」に使う語です。会議で普通に反対したなら object、自分の事情を説明したなら defend myself や explain my side が自然です。
plead innocentと言う
意味は推測されますが、正式な答弁の定型は通常 plead not guilty です。
FAQ
Q1. 「無罪を抗弁する」は英語で?
plead not guilty が定型表現です。He pleaded not guilty to the charge. のように使います。
Q2. 「法的な抗弁をする」は英語で?
raise a defense または assert a defense が使えます。具体的な法律文書では、法域や抗弁の種類に応じた専門用語を確認してください。
Q3. 会議で「異議があります」と言うには?
I object to this proposal. と言えます。少し柔らかくするなら I have some concerns about this proposal. も自然です。
Q4. 「私にも言い分があります」は英語で?
Let me explain my side. や Let me tell you my side of the story. が会話で使いやすい表現です。
Q5. in my defenseはどういう意味?
「自分を弁護すると」「言い訳をさせてもらえば」という意味です。In my defense, no one told me the deadline.(言い訳をさせてもらえば、締め切りは誰にも聞いていませんでした)のように使います。
まとめ
「抗弁する」は、場面によって英語を選びます。
- 法廷で有罪・無罪を答弁する:plead
- 法的な抗弁を提出する:raise / assert a defense
- 発言や決定に異議を唱える:object
- 自分を守って事情を述べる:argue in one’s defense / defend oneself
難しい表現が出てこなければ、I said I didn’t agree.、I explained why I was not responsible.、I told them my side of the story. のように、何を言ったのかを基本語で伝えれば大丈夫です。








