
『エリザベス』『ブルージャスミン』『キャロル』『TÁR/ター』など、時代も価値観も異なる女性を演じてきたケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)。その言葉には、俳優としての知性だけでなく、世界を一つの見方に閉じ込めない広さがあります。
2016年からUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使も務め、映画と現実の両方で「人の物語を聞くこと」を大切にしてきました。今回はアカデミー賞公式スピーチとUNHCRの公式記録から、人生・希望・連帯・人間性に響く英語の名言を7つ紹介します。
Contents
ケイト・ブランシェットとは?
1969年生まれ、オーストラリア出身の俳優・プロデューサーです。舞台と映像の双方で活動し、アカデミー賞を複数回受賞。難民や強制移住を経験した人々の声を世界へ届ける活動も長く続けています。演技、社会、希望という別々に見える領域を「物語を通して他者を理解すること」でつないでいる人物です。
ケイト・ブランシェットの英語の名言7選
1.世界は丸い。一方向だけではない
The world is round, people!
Cate Blanchett, Academy Awards acceptance speech, 2014
和訳:みなさん、世界は丸いんです!
背景:『ブルージャスミン』で主演女優賞を受賞したスピーチの終盤に、女性を中心にした映画を「一部の観客向け」と決めつける業界へ向けて語った言葉です。世界は一方向ではなく、多様な物語を受け入れられるという、ユーモアを込めた主張でした。
英語ポイント:round は「丸い」。ここでは世界の広さと、価値観が一方向だけではないことを重ねています。
やさしい英語で:There is more than one way.(道は一つだけではありません。)
2.今こそ、誰かと共に立つ
There has never been a more crucial time to stand with refugees.
Cate Blanchett, UNHCR Goodwill Ambassador appointment, 2016
和訳:難民の人々と共に立つことが、これほど重要な時代はありません。
背景:UNHCR親善大使への就任時に語った言葉です。遠くから同情するだけでなく、同じ側に立ち、声を支えることの必要性を伝えています。
英語ポイント:stand with は「〜と共に立つ」から「〜を支持する・連帯する」へ意味が広がる句動詞です。crucial は「極めて重要な」。
やさしい英語で:We stand together.(私たちは一緒に立ちます。)
3.人間性から切り離されたとき、何が起きるのか
What happens when we get separated from our humanity?
Cate Blanchett, UNHCR interview on Stateless, 2020
和訳:私たちが人間性から切り離されたとき、何が起きるのでしょう。
背景:無国籍や収容を扱ったドラマ『ステートレス』について語った際の問題意識です。制度や数字だけで人を見ると、一人ひとりの感情や尊厳が見えなくなる。その危うさを問いかけています。
英語ポイント:get separated from は「〜から切り離される」。humanity は「人類」だけでなく「人間性・思いやり」も表します。
やさしい英語で:We must see people as people.(人を一人の人として見なければなりません。)

4.希望は、人の行動の中に宿る
Hope is embodied by the field workers and volunteers.
Cate Blanchett, UNHCR Nansen Refugee Award address, 2018
和訳:希望は、現場で働く人々やボランティアの姿に宿っています。
背景:困難な環境で医療支援を続ける人々を称えたスピーチです。希望を待つのではなく、目の前の誰かを助ける行動そのものが希望になる、と語っています。
英語ポイント:be embodied by は「〜によって体現される」。抽象的な価値が、人や行動として目に見える形になることを表します。
やさしい英語で:Hope lives in what we do.(希望は私たちの行動にあります。)
5.よりよい未来は、誰にとっても必要
Build a better future for everybody.
Cate Blanchett, UNHCR Nansen Refugee Award address, 2018
和訳:すべての人にとって、よりよい未来を築こう。
背景:支援する側とされる側を固定せず、誰もが共に生きられる未来をつくるという言葉です。「誰かのため」だけではなく、社会全体の未来として捉えています。
英語ポイント:build a future は「未来を築く」。for everybody を加えることで、誰も取り残さない響きになります。
やさしい英語で:Let’s make tomorrow better.(明日をもっとよくしよう。)
6.人権を守らなければ、未来が危うくなる
Humanity’s future is at stake.
Cate Blanchett, World Conference on Human Rights statement, 2023
和訳:人類の未来が懸かっています。
背景:人権を守り、擁護し続ける重要性について述べた一節です。権利は一度定めれば自動的に残るものではなく、日々守る必要があると訴えました。
英語ポイント:be at stake は「危機にさらされている・成否が懸かっている」。仕事や試合、人生の重要な局面にも使えます。
やさしい英語で:Our future depends on this.(私たちの未来はこれに懸かっています。)
7.物語を聞けば「知らなかった」とは言えない
No one can say: “We didn’t know.”
Cate Blanchett, UNHCR 10-year advocacy statement, 2026
和訳:誰も「知らなかった」とは言えないように。
背景:難民の人々から託された喪失、希望、生存、成功の物語を広く届ける理由として語った言葉です。知ることは、他人事のままでいる言い訳を一つ減らします。
英語ポイント:No one can say … は「誰にも〜とは言えない」。didn’t know は短い中学英語ですが、文脈によって強い責任を問いかけます。
やさしい英語で:Listen, learn, and remember.(聞いて、知って、覚えておこう。)
名言から学べる英語表現
- stand with:〜を支持する、〜と連帯する
- get separated from:〜から切り離される
- be embodied by:〜によって体現される
- build a better future:よりよい未来を築く
- be at stake:危機にさらされる、成否が懸かる
映画と賞の記事で英語を楽しもう
出演作を味わうなら「『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』で英語学習」へ。受賞やノミネートを語る表現は「アカデミー賞を英語で語る」で学べます。
まとめ|物語を聞くことから世界は広がる
ケイト・ブランシェットの言葉は、知性とは難しい言葉を使うことではなく、一つの見方に閉じこもらず、他者の物語に耳を傾けることだと教えてくれます。今日ひとつ覚えるなら、There is more than one way.。世界にも人生にも、道は一つだけではありません。
主な出典
- Academy Awards Acceptance Speech Database(2014)
- UNHCR Australia:Cate Blanchett profile
- UNHCR:Nansen Refugee Award address(2018)
- UNHCR:10 years of advocacy(2026)
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