
「女性が中心の映画は、特別な社会貢献ではない。観客が見たい、価値ある物語である」——リース・ウィザースプーン(Reese Witherspoon)は、俳優として役を待つだけでなく、自分で物語を選び、つくり、届ける側へ進みました。
『キューティ・ブロンド』のエル・ウッズ、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』のジューン・カーター、『わたしに会うまでの1600キロ』のシェリル。情熱的で、強く、ときに欠点もある女性たちを演じてきた彼女は、やがて「なぜ、こんな女性の物語がもっと作られないのか」と問い始めます。
その答えが、女性を中心にしたメディア企業Hello Sunshineでした。この記事では、公式スピーチと信頼できるインタビューから7つの言葉を選び、自然な和訳、背景、英語ポイント、初心者向けの簡単英語とともに紹介します。
Contents
リース・ウィザースプーンとは?
リース・ウィザースプーンは1976年生まれのアメリカの俳優、プロデューサー、起業家です。14歳で映画デビューし、2001年の『キューティ・ブロンド』で世界的な人気を獲得。2006年には『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』でアカデミー主演女優賞を受賞しました。
2012年に女性を主人公にした作品を生み出す制作会社Pacific Standardを共同設立し、『ゴーン・ガール』や『わたしに会うまでの1600キロ(Wild)』を製作。その流れはHello Sunshineへ受け継がれ、『ビッグ・リトル・ライズ』『ザ・モーニングショー』、Reese’s Book Clubなどへ広がりました。現在もHello Sunshineの創業者として紹介されています。
リース・ウィザースプーンの名言7選
1.野心は、悪い言葉ではない
“I believe ambition is not a dirty word. It’s just believing in yourself and your abilities.”
和訳:私は、野心は決して悪い言葉ではないと思います。それは、自分自身と自分の力を信じることにすぎません。
背景:2015年のGlamour Women of the Year受賞スピーチを代表する言葉です。女性が「もっとやりたい」と口にすると、自己中心的、好かれにくいと見られる風潮に疑問を投げかけました。彼女の言うambitionは、他人を押しのけることではなく、自分の可能性を小さく扱わないことです。
英語ポイント:dirty word は直訳の「汚い言葉」から、「口にするのがはばかられる言葉、悪く受け取られる考え」を表します。
簡単な英語なら:It’s okay to want more.(もっと望んでもいいのです)
出典:Glamour, Women of the Year Speech
2.見くびられることを受け入れない
“Like Elle Woods, I do not like to be underestimated.”
和訳:エル・ウッズと同じように、私も見くびられるのは好きではありません。
背景:女性中心の映画は成功しないと周囲から言われた経験を、『キューティ・ブロンド』の主人公になぞらえた一言です。エルは、外見や明るさを理由に能力を低く見られても、自分らしさを捨てずに結果で思い込みを覆します。
英語ポイント:underestimate は「人の能力や価値を実際より低く見積もる」。受け身の be underestimated で「見くびられる」です。
簡単な英語なら:Don’t think I can’t do it.(私にできないと思わないでください)
出典:Glamour, Women of the Year Speech
3.女性が中心の映画は「親切」で作るものではない
“Films with women at the center are not a public service project.”
和訳:女性が中心の映画は、社会奉仕のための企画ではありません。
背景:女性を主人公にすることを「正しいけれど儲からない企画」のように扱う業界へ向けた言葉です。続けて彼女は、女性中心の作品は大きな利益を生む商品でもあると語り、『ゴーン・ガール』と『Wild』の成功を示しました。
英語ポイント:at the center は「中心に」。public service は「公共奉仕、社会貢献」を意味します。
簡単な英語なら:People want women’s stories.(人々は女性の物語を求めています)
出典:Glamour, Women of the Year Speech
4.「できない」と言われたことを問い直す
“What is it in life that you think you can’t accomplish? Or what is it that people have said that you cannot do?”
和訳:人生で、自分には成し遂げられないと思っていることは何ですか。あるいは、人から「あなたにはできない」と言われたことは何ですか。
背景:スピーチの最後に聴衆へ投げかけた問いです。大きな夢をすぐ実現しろという命令ではありません。「できない」という判断が、自分の経験から生まれたものか、誰かの思い込みを受け取っただけなのかを見直す質問です。
英語ポイント:accomplish は「努力して成し遂げる」。What is it that …? は、尋ねたい部分を強調する形です。
簡単な英語なら:What do you want to try?(何に挑戦してみたいですか)
出典:Glamour, Women of the Year Speech

5.自分の苦手を知ることも大切
“It’s also good to know what you’re not good at.”
和訳:自分が得意ではないことを知るのも、大切です。
背景:Hello Sunshineの前身となる制作事業で、ヒット作を作っても会社を維持する資金が足りず、事業計画もなかった時期を振り返った言葉です。作品を選ぶ力と、組織や財務をつくる力は別物。彼女は分からないことを認め、後にCEOとなるサラ・ハーデンへ助けを求めました。
英語ポイント:be good at … は「〜が得意」。否定形の not good at なら「〜が苦手」です。
簡単な英語なら:I need help with this.(これは助けが必要です)
出典:People, Shine Away event report
6.弱さを見せたことが、成功につながった
“That vulnerability I think is what led to our success.”
和訳:あのとき弱さを見せられたことが、私たちの成功につながったのだと思います。
背景:一年近く「こんなことも知らないと思われるかもしれない」と感じる質問をし続けた経験について語りました。起業家らしく見せるために全部知っているふりをするより、分からないと伝える。その姿勢が、必要な人材と仕組みを会社へ呼び込みました。
英語ポイント:vulnerability は「傷つきやすさ、弱さを見せられること」。lead to … は「〜という結果につながる」です。
簡単な英語なら:Asking for help made us stronger.(助けを求めたことで、私たちは強くなりました)
出典:People, Shine Away event report
7.よりよく知ったなら、よりよく行動する
“Once you know better, you do better. We have to make room for that.”
和訳:よりよいことを知ったなら、よりよく行動する。私たちは、その変化を受け入れる余地を持たなければなりません。
背景:企業やメディアも過去の間違いから学び、文化を変えられるという文脈で語った言葉です。完璧だった人だけを評価するのではなく、間違いに気づき、修正し、前へ進むための余白を残す考え方です。
英語ポイント:once はここでは「いったん〜したら」。make room for … は物理的な場所だけでなく、「〜を受け入れる余地をつくる」と言えます。
簡単な英語なら:Learn, change, and do better.(学び、変わり、もっとよくしよう)
出典:TIME, “Hello Sunshine”
リース・ウィザースプーンが変えた「女優」の仕事
彼女の転機は、よい役が来るのを待つことから、自分で原作を探し、権利を取り、製作し、観客へ届けることへ進んだ点にあります。Reese’s Book Clubは読書コミュニティであると同時に、女性作家の作品と映像化をつなぐ入り口にもなりました。
一方で、ヒット作があっても会社経営が安定するとは限りませんでした。創造性だけでは社員の給与や福利厚生、法務、財務を支えられないと知り、仲間に助けを求める。その経験があるからこそ、彼女のambitionは「一人で何でもできる強い女性」という話では終わりません。
初心者でも使える、リースの簡単英語
- I want to try. — 挑戦してみたいです。
- Don’t underestimate me. — 私を見くびらないでください。
- I need help. — 助けが必要です。
- I’m not good at this yet. — これはまだ得意ではありません。
- Let’s make room for change. — 変化を受け入れる余地をつくりましょう。
まとめ|自分の物語の主導権を取る
リース・ウィザースプーンの名言が教えてくれるのは、野心を持つことと、弱さを認めることは反対ではないということです。自分の能力を信じる。一方で、知らないことは人に聞く。見くびられたら、自分らしさを捨てずに仕組みをつくり変える。
これは映画業界だけの話ではありません。仕事でも人生でも、「誰かが書いた脇役」を演じ続ける必要はない。小さくても、自分で次の場面を選ぶことから物語は変わります。
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