
be something of a … は、「ちょっとした〜である」「かなりの〜である」「ある種の〜である」と訳される定型表現です。
たとえば、He is something of an expert. は、直訳の「彼は専門家の何かです」では意味が分かりません。実際には「彼はなかなかの専門家です」「専門家と言ってよいほど詳しいです」という意味になります。
この表現の面白いところは、はっきり「彼は専門家だ」と断定するのを避けながら、文脈によってはかなりその性質があると評価できることです。この記事では、be something of a の意味の仕組み、語順、よく一緒に使う名詞、自然な例文、kind of / sort of / somewhat との違いまで解説します。
Contents
be something of a の基本的な意味
基本の形は次のとおりです。
主語 + be動詞 + something of a/an + 単数名詞
She is something of a celebrity in our town.
彼女は私たちの町ではちょっとした有名人です。
The announcement was something of a surprise.
その発表はちょっとした驚きでした。
His past remains something of a mystery.
彼の過去はいまだにどこか謎めいています。
日本語訳は名詞や文脈によって変わりますが、共通するのは「完全に、または正式にそうだと言い切るわけではないが、そのような性質が認められる」という感覚です。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「ちょっとした」「かなりの」という意味になるの?
something は通常「何か」を意味しますが、something of a + 名詞 では「その名詞に当たるところがいくらかある」というぼかしを作ります。
たとえば、something of an artist なら「完全な職業画家と断定するかは別として、芸術家と呼べる面がある」という発想です。
この控えめな言い方から、日本語では次のように訳し分けます。
- ある種の〜:分類をぼかす
- ちょっとした〜:大げさな断定を避ける
- なかなかの・かなりの〜:能力や影響を控えめに高く評価する
「少しだけ」という弱い意味に限りません。He is something of a genius. は、言い方は控えめでも「彼はかなりの天才だ」という強い評価になり得ます。
ネイティブが感じるニュアンス
断定を避けて控えめに評価する
Maya is something of an expert on local cafés.
マヤは地元のカフェについてなかなか詳しい人です。
「正式な専門家」とまでは言わなくても、周囲が頼るほど知識があることを伝えられます。褒め言葉として使われることも多い形です。
予想以上の程度をやわらかく示す
The repair turned into something of a major project.
その修理は、ちょっとした大仕事になりました。
something of というぼかしがある一方、実際には「思っていたより大がかりだった」という含みがあります。
分類しにくさ・曖昧さを残す
The film is something of a comedy and something of a drama.
その映画は、ある種のコメディでもあり、ドラマでもあります。
一つの分類にきれいに収まらないものを説明するときにも便利です。
皮肉や批判にも使える
His lateness has become something of a habit.
彼の遅刻は、もはやちょっとした習慣になっています。
褒める表現とは限りません。問題や失敗を表す名詞と組み合わせると、控えめながら批判的な響きになります。
よく使われる形と語順

something of a surprise
予想していなかった出来事について「ちょっと驚きだった」「意外だった」と言う定番の組み合わせです。
Her decision came as something of a surprise.
彼女の決断は少し意外でした。
It was something of a surprise to see Tom there.
そこでトムを見かけたのはちょっとした驚きでした。
something of an expert
正式な肩書きがあるかどうかにかかわらず、ある分野にかなり詳しい人を表します。
My brother is something of an expert on vintage watches.
弟はヴィンテージ時計についてかなり詳しいです。
expert は母音の音で始まるので、a expert ではなく an expert です。
something of a mystery
理由や正体が完全には分からないものについて、「どこか謎である」「まだ不明な点がある」と表します。
Why the system failed is still something of a mystery.
なぜシステムが停止したのかは、いまだに謎が残ります。
something of a problem / challenge
無視できない問題や難しさを、直接的すぎない言い方で示します。
The time difference is something of a problem for our team.
時差は私たちのチームにとって少々問題です。
Finding a hotel during the festival can be something of a challenge.
祭りの期間中にホテルを見つけるのは、なかなか大変なことがあります。
something of a success
完全な大成功と断言するほどではなくても、予想以上にうまくいったことを表します。
The small event was something of a success.
その小さなイベントは、なかなかの成功でした。
日常会話・仕事で使える自然な例文
日常会話
You’re becoming something of a coffee expert.
コーヒーにかなり詳しくなってきたね。
Cooking for ten people was something of an adventure.
10人分の料理を作るのは、ちょっとした冒険でした。
仕事
The deadline change caused something of a panic.
締め切りの変更で、ちょっとした混乱が起きました。
Our new service has become something of a hit.
私たちの新サービスは、なかなかのヒットになっています。
She is something of a mentor to the younger staff.
彼女は若手社員にとって、いわば指導役のような存在です。
恋愛・人間関係
Our first date was something of a disaster.
私たちの初デートは、ちょっとした大失敗でした。
His quiet personality is something of a mystery to me.
彼の静かな性格は、私にはどこか謎めいています。
旅行
Getting to the village was something of a challenge.
その村へ行くのはなかなか大変でした。
The tiny restaurant is something of a local legend.
その小さなレストランは、地元ではちょっとした伝説的存在です。
学校・学習
She has become something of a leader in our study group.
彼女は勉強会でちょっとしたリーダー的存在になっています。
The final question was something of a puzzle.
最後の問題はなかなかの難問でした。
冠詞a / anと名詞の注意点
単数の可算名詞が基本
基本形は something of a/an + 単数名詞 です。
- something of a surprise
- something of an expert
- something of a problem
後ろの名詞が母音の音で始まるなら an を使います。
複数名詞にはそのまま使わない
× They are something of experts. のようには通常言いません。複数の人についてなら、次のように言い換えるのが自然です。
They are something like experts in this field.
彼らはこの分野では専門家のような存在です。
または、単純に They know a lot about this field. と説明できます。
be動詞以外と組み合わさることもある
be が基本ですが、become / remain / prove / come as などとも使われます。
- It became something of a tradition.
それはちょっとした恒例になりました。 - The cause remains something of a mystery.
原因はいまだに謎が残ります。 - The news came as something of a shock.
その知らせはかなりの衝撃でした。
似た表現との違い
be something of a と kind of / sort of
kind of と sort of は、会話で形容詞や動詞を「ちょっと・なんとなく」とぼかす働きがよくあります。
I’m kind of tired.
ちょっと疲れています。
一方、something of a は名詞の前で使い、「完全にその肩書き・分類と言い切らないが、その性質がある」と示します。
He’s something of a perfectionist.
彼はかなりの完璧主義者です。
詳しくは、kind ofの意味と使い方、sort ofの意味とkind ofとの違いをご覧ください。
be something of a と somewhat
somewhat は「いくぶん・やや」という副詞で、形容詞や動詞などを修飾します。
The result was somewhat disappointing.
結果はやや残念でした。
The result was something of a disappointment.
結果はちょっとした失望でした。
意味は近くても、somewhat の後ろは形容詞、something of a の後ろは名詞になる点が違います。
be something of a と in a way
in a way は、文全体について「ある意味では・ある点では」と視点を限定します。something of a は、人や物をある名詞として控えめに評価・分類します。
- In a way, he’s right.
ある意味では彼が正しいです。 - He’s something of a philosopher.
彼はちょっとした哲学者のような人です。
in a wayの意味と使い方では、in some ways / in a sense との違いも解説しています。
日本人が間違えやすいポイント
something like a と同じだと思わない
something like は「およそ」「〜のようなもの」という意味でも使われます。
It costs something like $100.
それは100ドルくらいします。
be something of a は、金額の概算ではなく、後ろの名詞が示す性質や評価を部分的に認める表現です。
必ず「少し」と弱く訳さない
She is something of a genius. を「彼女は少し天才です」とすると不自然です。この場合は「彼女はかなりの天才です」「彼女には天才的なところがあります」が自然です。
人に使うときは文脈に注意する
something of a liar や something of a snob のように、否定的な名詞と使えば遠回しな批判になります。ぼかした形でも、相手への評価そのものははっきり伝わります。
しゅみすけ(大山俊輔)
簡単な英語で言い換えるなら
be something of a が出てこなくても、伝えたい性質を基本語で説明できます。
- He knows a lot about wine.
彼はワインについてよく知っています。 - It was a little surprising.
それは少し意外でした。 - It was harder than I expected.
思ったより大変でした。 - People in this town know her well.
この町の人は彼女をよく知っています。 - We still don’t know why.
なぜなのか、まだ分かりません。
たとえば He’s something of an expert. が難しければ、He knows a lot about it. で十分に意味が伝わります。
まとめ
be something of a … は、「ちょっとした〜」「かなりの〜」「ある種の〜」を表す定型表現です。
- 基本形は be something of a/an + 単数名詞
- 完全な断定を避けつつ、その名詞らしい性質を認める
- 控えめな形でも「なかなかの・かなりの」という強い評価になることがある
- surprise / expert / mystery / problem / success などとよく使う
- kind of / sort of は会話的なぼかし、in a way は「ある意味では」
- 出てこなければ He knows a lot about it. のような簡単な説明で言い換えられる
英熟語や定型表現を体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧もあわせて活用してください。









