
chip away atは、文字どおりには石や氷などを「少しずつ削る」、比喩では問題・借金・自信・支持などを「小さな働きかけによって徐々に減らす/弱める」という意味の句動詞です。
一度に大きく変えるのではなく、小さな行動を何度も重ね、少しずつ結果を出すことが中心です。そのため、困難な課題を地道に進める前向きな場面にも、相手の優位性や自信が徐々に失われる場面にも使えます。
Contents
chip away atの基本的な意味
1.硬いものを少しずつ削る
- He chipped away at the ice with a small tool.
彼は小さな道具で氷を少しずつ削りました。 - The sculptor chipped away at the stone.
彫刻家は石を少しずつ削りました。
2.問題や量を少しずつ減らす
- I’m chipping away at my credit card debt.
クレジットカードの借金を少しずつ返しています。 - We chipped away at the long list of tasks.
私たちは長いタスクリストを少しずつ片づけました。 - The team kept chipping away at its opponent’s lead.
チームは相手のリードを少しずつ縮め続けました。
3.自信・信頼・支持などを徐々に弱める
- Repeated criticism chipped away at her confidence.
繰り返される批判が彼女の自信を少しずつ削りました。 - The scandal chipped away at public trust.
その不祥事は国民の信頼を徐々に損ないました。
しゅみすけ(大山俊輔)
chipとawayとatから意味を理解する
chipは、石・木・塗装などの小さな欠片、または小さな欠片を削り取る動作を表します。
awayは、その動作が継続して進み、対象の一部が離れていく感覚を加えます。さらにatは、削る力や働きかけが向かう「標的」を示します。
つまり、chip(小さく削る)+away(繰り返し続ける)+at(対象へ)で、「ある対象に働きかけ続け、少しずつ小さくする」というイメージになります。
chip awayとchip away atの語順
対象を言わない場合はchip awayだけで使えます。
He sat there, chipping away for hours.
彼はそこに座り、何時間も削り続けました。
「何を削る・減らすのか」を続ける場合は、chip away at+名詞です。
- chip away at the rock:岩を少しずつ削る
- chip away at the problem:問題に少しずつ取り組む
- chip away at the debt:借金を少しずつ減らす
- chip away at someone’s confidence:人の自信を徐々に損なう
このatを省いてchip away the problemとするのは、この意味では不自然です。

進行形がよく使われる理由
chip away atは継続的な小さな動きを表すため、be chipping away atやkeep chipping away atがよく使われます。
- I’m slowly chipping away at my report.
レポートを少しずつ進めています。 - Keep chipping away at it.
それに少しずつ取り組み続けてください。
chip away at itでは、itはatの後ろに置きます。chip it away atのようにはしません。
場面別の自然な例文
仕事:大きなタスクを地道に進める
I’ve been chipping away at the backlog all week.
今週ずっと、たまった仕事を少しずつ片づけています。
Let’s chip away at the problem one step at a time.
一歩ずつ、その問題に取り組みましょう。
学習:少しずつ課題を終える
She chipped away at her thesis every morning.
彼女は毎朝、論文を少しずつ書き進めました。
Ten minutes a day can chip away at a long vocabulary list.
一日10分でも、長い単語リストを少しずつ減らせます。
暮らし:借金や片づけ
We’re chipping away at the mortgage.
私たちは住宅ローンを少しずつ返しています。
I spent the weekend chipping away at the mess in the garage.
週末はガレージの散らかりを少しずつ片づけました。
スポーツ:点差を縮める
They chipped away at a twelve-point deficit.
彼らは12点のビハインドを少しずつ縮めました。
人間関係:自信や信頼が損なわれる
His constant jokes chipped away at her self-esteem.
彼の絶え間ない冗談が、彼女の自尊心を少しずつ傷つけました。
Broken promises chipped away at their relationship.
約束が破られるたびに、二人の関係は徐々に損なわれました。
chip away atとwork onの違い
work onは「〜に取り組む」という最も広く中立的な表現です。進み方が速いか遅いか、少しずつかどうかは特に示しません。
chip away atは、大きい・難しい対象に小さな働きかけを重ね、目に見えるほど少しずつ減らしたり進めたりする感覚があります。
- I’m working on the report.
レポートに取り組んでいます。 - I’m chipping away at the report.
レポートを少しずつ地道に進めています。
chip away atとeat away atの違い
どちらも「徐々に削る・弱める」と訳せますが、原因の見え方が異なります。
| 表現 | 中心イメージ | よく使う対象 |
|---|---|---|
| chip away at | 小さな働きかけを何度も加える | 問題、仕事、借金、リード、自信 |
| eat away at | 内側・表面から自然に侵食し続ける | 金属、利益、時間、自信、良心 |
- Small payments chipped away at the debt.
少額の返済が借金を少しずつ減らしました。 - Interest charges ate away at our savings.
利息が私たちの貯金を徐々に目減りさせました。
前者は返済という小さな行動の積み重ね、後者は利息による継続的な消耗が中心です。詳しくはeat awayの意味・語順とeat intoとの違いもご覧ください。
日本人が間違えやすいポイント
1.atを忘れる
対象を続ける場合はchip away at the problemです。atは働きかけの向かう先を示します。
2.必ず悪い意味だと思う
自信や信頼を削る場合は否定的ですが、借金や仕事を少しずつ減らす場合は前向きです。何が減っているかで評価が変わります。
3.一回の大きな変化に使う
chip away atは小さな変化の蓄積です。一度の決定で費用を半分にしたなら、cut the cost in halfなどが自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
簡単な英語で言い換えるなら
- I do a little every day.
毎日少しずつやっています。 - I’m making progress little by little.
少しずつ進んでいます。 - We’re slowly reducing the debt.
借金をゆっくり減らしています。 - The problem is getting smaller.
問題は小さくなってきています。 - Her confidence slowly went down.
彼女の自信は徐々に低下しました。
まとめ
chip away atは、物理的な対象を「少しずつ削る」、または問題・量・自信などを「小さな働きかけで徐々に減らす/弱める」という句動詞です。
- 対象を続ける語順:chip away at+名詞
- 継続中:be chipping away at
- 地道な継続を強調:keep chipping away at
- work onより「小さな進歩の積み重ね」が鮮明
- eat away atは「自然に侵食・消耗させる」感覚
ほかの句動詞や定型表現は、英熟語・定型表現のまとめから確認できます。









