
keep back は、「後ろに下がっている」「人を近づけない」「情報やお金を渡さずに残す」という意味で使われる句動詞です。
中心にあるのは、keep=ある状態を保つとback=前に出ず後ろ側にあるという感覚です。自分が後ろにとどまる場合にも、誰かや何かを前へ出さない場合にも使えます。
この記事では、Keep back! の強さ、目的語を使う語順、keep back information のニュアンス、stay back・hold back・keep away・withhold との違いを、自然な例文とともに解説します。
Contents
keep backの基本的な意味
keep は「保つ・そのままにする」、back は「後ろに・元の位置に」という意味です。組み合わせると、基本イメージは「人や物を前へ出さず、後ろ側に保つ」となります。
- 自分が安全な距離を保つ:Keep back!
- 人を前へ出さない:keep people back
- 情報を表に出さない:keep information back
- お金や品物の一部を渡さず残す:keep some money back
「後ろ」は必ずしも物理的な場所だけではありません。情報を公表せず手元に置く、支払うべき金額の一部を残すという比喩的な使い方にも広がります。
しゅみすけ(大山俊輔)
keep backの主な使い方

1.Keep back!=下がって・近づかないで
Keep back! は、危険な場所や立入禁止区域などから距離を取るよう求める表現です。「こちらへ進まず、後ろにいて」という意味になります。
Keep back! The floor is wet.
下がってください!床が濡れています。
Please keep back from the edge.
端から離れていてください。
Everyone was told to keep back while the workers moved the equipment.
作業員が機材を移動している間、全員が離れているよう指示されました。
命令形の Keep back! は短くはっきりしており、安全確保の場面では自然です。日常で穏やかに頼むなら、Please stay behind the line.(線の後ろにいてください)のように、位置を具体的に伝えると分かりやすくなります。
2.人を近づけない・前へ出さない
keep+人+back の形では、主語が人を後ろにとどめ、「近づけない」「前へ出さない」という意味になります。
Security guards kept the crowd back.
警備員は群衆を近づけないようにしました。
The barrier keeps visitors back from the animals.
その柵は来場者が動物に近づかないようにしています。
We had to keep the children back until the doors opened.
ドアが開くまで、子どもたちを前へ出さないようにする必要がありました。
目的語が代名詞なら、keep them back のように keep と back の間へ置きます。
Keep them back.(自然)
彼らを近づけないでください。
Keep back them.(不自然)
3.情報・事実を明かさない
情報や事実を相手に渡さず手元に残すことから、「明かさない」「隠しておく」という意味にもなります。意図的に一部を伝えていない響きがあります。
I think he’s keeping something back.
彼は何かを隠していると思います。
She kept an important detail back from the team.
彼女は重要な詳細をチームに明かしませんでした。
Don’t keep information back just because it’s uncomfortable.
都合が悪いからといって、情報を隠さないでください。
誰に明かさないのかを示す場合は、keep A back from B(AをBに明かさない)の形が使えます。ただし、情報を正式・意図的に提供しないことを明確に言うなら withhold A from B のほうが一般的です。
4.お金・品物の一部を取っておく
全てを渡したり使ったりせず、一部を手元に残しておく意味でも使われます。特に支払いの一部を保留する文脈で見られます。
We kept some money back for unexpected expenses.
予想外の出費に備えて、お金をいくらか残しておきました。
The customer kept back part of the payment until the repairs were finished.
顧客は修理が完了するまで、支払いの一部を保留しました。
Keep a little food back for Emma.
エマのために食べ物を少し取っておいてください。
日常会話で「あとで使うために取っておく」なら、save some money や save some food for Emma のほうが自然で分かりやすいことも多いです。
語順:keep A backとkeep back A
人や比較的短い目的語は、通常 keep A back の語順にします。
The police kept the reporters back.
警察は記者たちを近づけないようにしました。
情報などの名詞では keep information back と keep back information の両方が見られますが、目的語が代名詞なら間に置きます。
Why did you keep it back from me?
なぜそれを私に隠していたのですか。
Why did you keep back it from me? とは言いません。
「自分が後ろにいる」という自動詞的な用法では、目的語はありません。
We kept back and watched from a safe distance.
私たちは後ろにとどまり、安全な距離から見ていました。
keep backと似た表現の違い
keep backとstay back
どちらも「後ろにいる・近づかない」という意味で使えます。
- keep back:前へ進まない状態を保つ。人を後ろに保つ他動詞用法もある
- stay back:その場から離れて後方にいることに焦点がある
安全を求める短い指示では、Keep back! と Stay back! のどちらも使われます。Stay back! は「そこから近づかないで」という位置の感覚が特に分かりやすい表現です。
keep backとhold back
keep back は、人や物を後ろの位置・表に出ない状態に保つことが中心です。hold back は、前へ進もうとする力、感情、成長などを押さえる・妨げる感覚が強くなります。
She held back her tears.
彼女は涙をこらえました。
Fear is holding him back.
恐怖心が彼の前進を妨げています。
hold back は感情や能力の発揮にも広く使われます。詳しくはhold backの意味・使い方をご覧ください。
keep backとkeep away from
keep away from A は、危険・苦手な人・避けたい物などの対象から距離を置く表現です。
Keep away from the fire.
火に近づかないでください。
keep back は「前へ出ず後ろにいる」、keep away from は「特定の対象から離れる」という焦点の違いがあります。詳しくはkeep away fromの意味・使い方も参考にしてください。
keep information backとwithhold information
どちらも情報を「明かさない」と言えますが、keep back は会話的で「何かを隠している」という印象を与えます。withhold は、情報・許可・支払いなどを意図的、あるいは正式に提供しないという、やや硬い語です。
The company withheld the report from the public.
会社はその報告書を一般に公開しませんでした。
文型やhideとの違いは、withhold A from Bの意味・使い方で詳しく解説しています。
日本人が間違えやすいポイント
「後ろへ動く」だけならstep backも使う
keep back は「後ろの状態を保つ」ことが中心です。その場で一歩下がる動作を伝えるなら、step back が自然です。
Please step back a little.
少し後ろへ下がってください。
Please keep back.
近づかず、後ろにいてください。
感情を抑える意味でkeep backを使わない
涙・笑い・怒りなどをこらえる場合は、通常 hold back を使います。
I couldn’t hold back my laughter.
笑いをこらえられませんでした。
I couldn’t keep back my laughter. も文脈によって理解はされますが、現代の日常英語では hold back のほうが自然です。
keep back from doingとkeep A from doingを混同しない
keep A from doing は「Aが〜するのを妨げる」という別の重要構文です。
The rain kept us from going out.
雨のため私たちは外出できませんでした。
この from は「誰に明かさない」の keep information back from someone とは役割が異なります。
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
- 近づかないで:Don’t come closer.
- 線の後ろにいて:Stay behind the line.
- 人を近づけない:Don’t let people come closer.
- 情報を明かさない:Don’t tell them everything.
- お金を少し取っておく:Save some money for later.
しゅみすけ(大山俊輔)
会話で使えるkeep backの例文
A: Can I stand over there?
A:あちらに立ってもいいですか。
B: Please keep back from the equipment.
B:機材から離れていてください。
A: Why won’t the reporters move closer?
A:なぜ記者たちは近づかないのですか。
B: The guards are keeping them back.
B:警備員が近づけないようにしているんです。
A: Did Leo tell us everything?
A:レオは全部話してくれたの?
B: No. I think he’s keeping something back.
B:いいえ。何か隠していると思います。
まとめ
keep back の中心は、「人や物を前へ出さず、後ろ側・手元に保つ」という感覚です。
- Keep back!:下がって・近づかないで
- keep people back:人を近づけない
- keep information back:情報を明かさない
- keep some money back:お金の一部を取っておく・保留する
- 代名詞は keep them back / keep it back のように間へ置く
「後ろに保つ」keep back と、「進もうとする力を抑える」hold back の違いも意識すると、自然に使い分けやすくなります。ほかの表現も体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧もご覧ください。
keepを使うほかの表現もまとめて確認したい方は、keepを使った句動詞一覧をご覧ください。









