
knock up は、地域や文脈によって「急いで作る」「ドアをたたいて人を起こす」「テニスなどで試合前に軽く打つ」「妊娠させる」という異なる意味を持つ表現です。
特に注意したいのが地域差です。イギリス英語では knock up a quick meal が「簡単な食事をさっと作る」になります。一方、アメリカ英語で get knocked up と言うと、通常は「妊娠する」というくだけた、場合によっては失礼な表現に聞こえます。
この記事では、knock up の意味を文型ごとに整理し、自然な例文、語順、knock together との違い、誤解を避ける簡単な言い換えまで解説します。
Contents
knock upの主な意味は4つ

- 物・食事・文書を急いで作る:主にイギリス英語の口語
- ドアをたたいて人を起こす:イギリス英語の口語
- 試合前に軽く打って練習する:テニスなど
- 人を妊娠させる/妊娠する:俗語で、失礼な響きがある
しゅみすけ(大山俊輔)
1.knock something up:何かを急いで作る
主にイギリス英語のくだけた会話で、knock something up は「手元の材料を使って、食事・物・文書などを素早く作る」という意味です。
I’ll knock up some sandwiches before we leave.
出発前にサンドイッチをさっと作ります。
She knocked up a simple website over the weekend.
彼女は週末に簡単なウェブサイトをさっと作りました。
Can you knock up a short summary for the meeting?
会議用の短い要約を手早く作ってもらえますか。
丁寧な職人仕事というより、必要な物を短時間で使える状態にする感覚があります。ただし、必ずしも「雑で質が低い」という批判ではなく、手際のよさを表すこともあります。
語順
名詞なら次の2つの語順が使えます。
- knock up + 名詞
- knock + 名詞 + up
He knocked up a model.
彼は模型をさっと作りました。
He knocked a model up.
彼は模型をさっと作りました。
代名詞は間に置きます。
He knocked it up in an afternoon.
彼はそれを午後のうちにさっと作りました。
He knocked up it. とは通常言いません。
2.knock someone up:ドアをたたいて起こす
イギリス英語では、早朝や夜中に家・部屋のドアをたたき、人を起こす意味でも使われます。単に目覚まし時計で起こすのではなく、ドアをノックして起こす場面が中心です。
Could you knock me up at six?
6時にドアをたたいて起こしてもらえますか。
I had to knock Tom up before sunrise.
日の出前にトムの所へ行って、ドアをたたいて起こさなければなりませんでした。
ただし、現在では wake someone up のほうが地域を問わず分かりやすく安全です。
Could you wake me up at six?
6時に起こしてもらえますか。
3.knock up:テニスなどで試合前に軽く打つ
テニスや似たラケット競技では、試合前に選手同士がボールを打ち合って体を慣らすことを knock up と言います。この用法では目的語を置かずに使えます。
The players knocked up for a few minutes before the final.
選手たちは決勝前に数分間、軽く打ち合いました。
Let’s knock up before the match starts.
試合が始まる前に軽く打っておこう。
名詞の a knock-up は「試合前の軽い打ち合い・ウォームアップ」を表します。
We had a quick knock-up before the game.
試合前に短く打ち合いました。
より広く通じる表現なら warm up や practice for a few minutes が使えます。
4.get knocked up:妊娠する
knock someone up には、俗語で「人を妊娠させる」という意味があります。会話では受け身の get knocked up や be knocked up がよく見られます。
She got knocked up when she was very young.
彼女はとても若いときに妊娠しました。
ただし、この言い方はくだけており、無責任な妊娠や予期しない妊娠を連想させることがあります。本人に対して使うと無礼・無神経に聞こえやすいため、学習者が積極的に使う表現ではありません。
中立的に伝えるなら次の表現を使います。
- She is pregnant.:彼女は妊娠しています
- She became pregnant.:彼女は妊娠しました
- They are expecting a baby.:彼らには赤ちゃんが生まれる予定です
映画・ドラマ・SNSで見聞きしたときに意味を理解できれば十分です。
しゅみすけ(大山俊輔)
knock upの意味は目的語と文型で判断する
同じ knock up でも、後ろに来る語を見ると意味を判断しやすくなります。
- knock up + 食事・物・文書 → 急いで作る
- knock + 人 + up + 時刻 → ドアをたたいて起こす
- 選手 + knock up → 試合前に打ち合う
- 人 + get/be knocked up → 妊娠する
They knocked up breakfast.
彼らは朝食をさっと作りました。
They knocked me up at five.
彼らは5時にドアをたたいて私を起こしました。
They were knocking up on court.
彼らはコートで試合前の打ち合いをしていました。
She was knocked up.
彼女は妊娠していました。
最後の文は特に俗語性が強いため、前後の文脈と話し手の地域を確認しましょう。
knock upとknock togetherの違い
knock together も「手早く作る」を表しますが、焦点が少し違います。
- knock up:何かを短時間で作り上げる。主にイギリス口語
- knock together:材料や部品を集め、あり合わせで一つの形にする
- put together:組み立てる・まとめるという中立的な表現
I knocked up a quick lunch.
簡単な昼食をさっと作りました。
We knocked together a table from old boards.
古い板を集めてテーブルを手早く作りました。
She put together a detailed report.
彼女は詳しい報告書をまとめました。
knock up は俗語の「妊娠させる」と受け取られる可能性があるため、国際的な仕事や地域が分からない相手には make quickly や put together が無難です。
日本人が間違えやすいポイント
「起こす」なら必ずwake upの代わりになるわけではない
英国用法の knock someone up は、ドアをノックする動作を含みます。電話や目覚まし時計で起こす場合は wake someone up と言いましょう。
upを「上」とだけ考えない
ここでの up は、物を上方向へ動かす意味だけではありません。「作業を進めて完成状態にする」「眠った状態から起きた状態にする」といった変化を添えています。
ただし、妊娠の用法は意味を部品から無理に推測せず、俗語として一まとまりで覚えるのが安全です。
knockup・knock-up・knock upを区別する
動詞は2語の knock up です。テニスの試合前練習を表す名詞では a knock-up とハイフンを入れる形が一般的です。
簡単な英語で言い換えるなら
- make it quickly:それを急いで作る
- put it together quickly:それを急いで組み立てる
- wake me up:私を起こす
- warm up before the match:試合前にウォームアップする
- become pregnant:妊娠する
I made a quick meal with what I had.
手元にある物で簡単な食事をさっと作りました。
Please wake me up at seven.
7時に起こしてください。
knock up が出てこなくても、このように意味を直接言えば誤解なく伝わります。
関連するknockの句動詞
- knock together:あり合わせで手早く作る
- knock around:案を気軽に話し合う・ぶらぶらする
- knock out:気絶させる・疲れ切らせる・敗退させる
まとめ
knock up は、文脈によって「急いで作る」「ドアをたたいて起こす」「試合前に軽く打つ」「妊娠させる」を表します。
特に、イギリス英語の knock up a meal と、アメリカ英語を中心に強く意識される俗語の get knocked up では意味が大きく異なります。
自分で使うときは、make quickly・wake up・warm up・become pregnant など、意味を直接表す簡単な英語も活用しましょう。
ほかの表現も体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめもあわせてご覧ください。
ほかのknock表現もまとめて学びたい方は、「knockを使った句動詞一覧」で、意味・使い方・語順の違いを体系的に確認できます。









