
enable A to do は、「Aが〜できるようにする」「Aに〜することを可能にする」という意味です。アプリや制度、道具などが、人に新しい能力・手段・条件を与える場面でよく使われます。
日本語では「可能にする」と訳すことが多いため少し硬く見えますが、仕組みが分かれば難しくありません。この記事では、語順、自然な例文、allow A to do や make it possible for A to do との違いまで分かりやすく解説します。
Contents
enable A to doの基本的な意味
基本の形は次のとおりです。
enable + A(人・もの)+ to + 動詞の原形
= Aが〜できるようにする
- This app enables users to study anywhere.
このアプリによって、利用者はどこでも勉強できます。 - The new system enables us to work from home.
新しいシステムのおかげで、私たちは在宅勤務ができます。
直訳すると「このアプリが利用者に勉強することを可能にする」ですが、日本語では「このアプリのおかげで利用者は勉強できる」とすると自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「できるようにする」という意味になる?
enable の中には able(できる) という語があります。そこに「〜の状態にする」という働きを持つ接頭辞 en- が付いた語です。
つまり、イメージは「ableな状態にする」。Aが今までできなかったことを、機能・手段・条件によってできる状態へ変える、ということです。
たとえば翻訳アプリがあれば、外国語に自信がない人でも現地の人と意思疎通しやすくなります。このように、主語がAの行動を可能にする土台を作るときに enable がぴったりです。

enable A to doの語順と文法
enableの直後に「できるようになる人・もの」を置く
語順で最も大切なのは、enableの直後にAを置くことです。
- Online lessons enable busy people to learn English.
オンラインレッスンのおかげで、忙しい人も英語を学べます。 - This key enables you to enter the building after hours.
この鍵があれば、時間外でも建物に入れます。
enable to do だけで「〜できるようにする」とするのは、通常は不完全です。「誰が・何ができるようになるのか」をAで示しましょう。
Aには人だけでなく、ものや仕組みも置ける
- The update enables the camera to work in low light.
そのアップデートにより、暗い場所でもカメラが機能します。 - A flexible schedule enabled the project to move faster.
柔軟な日程によって、プロジェクトをより速く進められました。
受け身のbe enabled to do
技術文書や設定画面では、be enabled to do(〜できるようになっている)を見かけることがあります。ただし日常会話では、主語をはっきりさせた能動文や can を使う方が自然なことも多いです。
- Users are enabled to access the file remotely.
利用者は遠隔でそのファイルにアクセスできるようになっています。 - Users can access the file remotely.
利用者は遠隔でそのファイルにアクセスできます。
場面別の自然な例文
仕事
- The shared calendar enables our team to coordinate schedules easily.
共有カレンダーのおかげで、チームは簡単に予定を調整できます。 - This software enables me to finish reports much faster.
このソフトを使えば、レポートをずっと速く仕上げられます。
旅行
- The train pass enables travelers to visit several cities on one ticket.
その鉄道パスなら、旅行者は1枚の切符で複数の都市を回れます。 - Offline maps enabled us to find the hotel without Wi-Fi.
オフライン地図のおかげで、Wi-Fiなしでもホテルを見つけられました。
学習
- Subtitles enable beginners to follow the story.
字幕があることで、初心者でも物語についていけます。 - Recording my voice enables me to notice pronunciation mistakes.
自分の声を録音すると、発音の間違いに気づけます。
家庭・暮らし
- The timer enables me to start dinner before I get home.
タイマーのおかげで、帰宅前に夕食の準備を始められます。 - Video calls enable my parents to see their grandchildren every week.
ビデオ通話のおかげで、両親は毎週孫の顔を見られます。
enable A to doとallow A to doの違い
どちらも日本語では「Aが〜できるようにする」と訳せますが、焦点が違います。
- enable A to do:手段・能力・条件を与えて可能にする
- allow A to do:許可する、または邪魔せず可能にする
The app enables me to edit videos on my phone.
そのアプリのおかげで、スマートフォンで動画を編集できます。
→ アプリの機能が手段を与えています。
My manager allowed me to work from home.
上司は私に在宅勤務を許可してくれました。
→ 上司が許可を出しています。
ただし allow は、ものを主語にして「〜を可能にする」という意味でも使われます。その場合でも、enable の方が「能力や機能を持たせる」という響きが強く、説明文やビジネス文書でよく使われます。
let A doとの違い
let A do も「Aに〜させる」ですが、会話的で、許可や成り行きを表します。また、letの後はtoを付けません。
- My parents let me travel alone.
両親は私が一人で旅行することを許してくれました。 - This feature enables me to travel without carrying cash.
この機能のおかげで、現金を持たずに旅行できます。
× let me to travel ではなく、○ let me travel です。一方、enableでは enable me to travel とtoが必要です。
簡単な英語で言い換えるなら?
enable がすぐに出てこないときは、次の形が便利です。
make it possible for A to do
= Aが〜することを可能にする
- This service makes it possible for people to see a doctor online.
このサービスによって、人々はオンラインで診察を受けられます。
会話では、With … , A can …(〜があれば、Aは…できる)も簡単で自然です。
- With this app, I can translate signs instantly.
このアプリがあれば、標識をすぐに翻訳できます。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本人が間違えやすいポイント
enableの後のAを抜かない
× This app enables to learn English.
○ This app enables users to learn English.
このアプリによって、利用者は英語を学べます。
toの後は動詞の原形
× enables me to learning
○ enables me to learn
「許可」の意味で何でもenableにしない
先生や上司、親などが「してもよい」と許可するなら、通常は allow や let が自然です。enable は、道具・制度・機能などが「できる条件を作る」場面を中心に使いましょう。
関連表現
- be able to do:〜することができる
- allow A to do:Aが〜するのを許可する、可能にする
- let A do:Aに〜させる、Aが〜するのを許す
- make it possible for A to do:Aが〜することを可能にする
英熟語・定型表現をまとめて学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧と学び方もあわせてご覧ください。
まとめ
enable A to do は「Aが〜できるようにする」という意味で、機能・手段・条件を与えることに焦点があります。語順は enable + A + to + 動詞の原形 です。
許可を表すなら allow や let、簡単に言い換えるなら make it possible for A to do や With …, A can … が使えます。まずは身近な道具を主語にして、This app enables me to … の形で一文作ってみましょう。









