
cry wolf は、「オオカミだ!と叫ぶ」という直訳から、実際には問題がないのに警告を出す・助けを求めるという意味で使われる英語イディオムです。ただし、単に一度うそをつくというより、何度も騒いだ結果、本当に問題が起きたときまで信じてもらえなくなるニュアンスを含みます。
日本語の「狼少年になる」「何度も大げさに騒いで信用を失う」に近い表現です。この記事では、直訳から実際の意味へのつながり、文法、自然な例文、似た表現との違いまで分かりやすく解説します。
Contents
cry wolfの意味を先に確認
| 表現 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| cry wolf | うその警告を出す/必要がないのに助けを求める | 繰り返すと信用を失う |
| Don’t cry wolf. | うその警告を出さないで | 大げさに騒ぐ相手への注意 |
| He cried wolf too many times. | 彼は何度も騒ぎすぎた | 過去形はcried |
cry wolf=ただの「うそ」ではありません。「危険だ」「問題だ」「助けて」と警報を出す場面で使われます。
「直訳」から実際の意味へ

| 段階 | イメージ |
|---|---|
| 直訳 | 「オオカミだ!」と叫ぶ |
| 実際の意味 | 問題がないのに危険を知らせる |
| その結果 | 本当の警告まで信じてもらえなくなる |
この表現は、羊飼いの少年が何度も「オオカミが来た」と村人を呼び、最後に本当にオオカミが現れたときには誰にも信じてもらえなかった、という有名な寓話を背景にしています。
なお、ここでの cry は「涙を流して泣く」ではなく、古くからある「大声で叫ぶ・知らせる」という意味です。つまり cry wolf は「オオカミという警報を叫ぶ」という組み合わせです。
しゅみすけ(大山俊輔)
ネイティブが感じるニュアンス
cry wolfには、話し手が相手の警告を大げさ・不必要・信用できないと見ている響きがあります。そのため、人に直接使うと批判的に聞こえることがあります。
- 小さな不具合を毎回「大事故だ」と報告する
- 根拠が薄いのに何度も危機をあおる
- 注目を集めるために助けを求める
- 体調不良や緊急事態を繰り返し偽る
一方、本当に危険かもしれない相手を安易に「cry wolfだ」と決めつけるのは不適切です。人命・健康・安全に関わる場面では、警告の内容を先に確認する姿勢が大切です。
よく使う形と文法
主語+cry wolf
目的語を置かず、ひとかたまりのイディオムとして使います。
People stopped listening because he always cried wolf.
彼がいつも大げさな警告を出していたので、みんな聞かなくなりました。
活用はcryと同じ
| 形 | 表現 | 例 |
|---|---|---|
| 現在形 | cry / cries wolf | She cries wolf whenever sales fall. |
| 過去形 | cried wolf | He cried wolf again. |
| 進行形 | crying wolf | Are they crying wolf? |
| 現在完了 | have cried wolf | They’ve cried wolf too often. |
wolfをwolvesにしない点にも注意しましょう。これは「警報として“Wolf!”と叫ぶ」という固定表現なので、通常は単数形のwolfです。
too often/too many timesと相性がよい
「何度も繰り返した」という背景を示すため、too often や too many times がよく一緒に使われます。
If you cry wolf too often, no one will believe you.
何度も大げさに騒ぐと、誰にも信じてもらえなくなります。
日常会話で使える例文
仕事
Let’s check the numbers before we cry wolf about the budget.
予算が危ないと騒ぐ前に、数字を確認しましょう。
The system sent so many false alerts that the team thought it was crying wolf again.
システムが誤警報を何度も出したので、チームはまた誤警報だと思いました。
家庭・暮らし
My son cried wolf about a spider, so I didn’t rush upstairs this time.
息子がクモのことで何度も大騒ぎしていたので、今回は急いで2階へ行きませんでした。
学校
Don’t cry wolf just to get the teacher’s attention.
先生の注意を引きたいだけで、うその助けを求めないで。
人間関係
I know you’re upset, but calling every disagreement an emergency sounds like crying wolf.
つらいのは分かるけれど、意見が合わないたびに緊急事態と言うと、大げさに騒いでいるように聞こえます。
ニュース・社会
Some critics said the report was crying wolf, but its warning later proved accurate.
その報告は危機をあおっていると批判する人もいましたが、後に警告が正しかったと分かりました。
会話ではどう使う?
A: The app says our account may be under attack again.
アプリが、またアカウントが攻撃されているかもしれないって。
B: It cried wolf twice last week, but let’s check anyway.
先週も2回誤警報だったけれど、念のため確認しよう。
このように、機械やシステムが誤警報を繰り返す場合にも比喩的に使えます。
cry wolfと似た表現の違い
| 表現 | 意味 | cry wolfとの違い |
|---|---|---|
| lie | うそをつく | 警告や助けを求める内容に限らない |
| raise a false alarm | 誤警報を出す | より直接的で、中立的にも使える |
| exaggerate | 大げさに言う | 内容を実際以上に膨らませること |
| make a big deal out of it | 大げさに扱う | 必ずしも危険の警告ではない |
| sound the alarm | 警鐘を鳴らす | 警告が正当な場合にも使える |
raise a false alarm は「結果的に誤警報だった」という事実を述べやすい表現です。cry wolf は、繰り返しや信用低下まで連想させるため、より評価的・批判的です。
日本人が間違えやすいポイント
「オオカミのように泣く」ではない
cry like a wolf なら「オオカミのような声を出す」と読めますが、cry wolf は固定されたイディオムです。
誰かを怖がらせる意味ではない
scare someoneやthreaten someoneの意味ではありません。中心にあるのは「不必要な警告」です。
一度の間違いに強く使いすぎない
確認不足で一度だけ誤報を出した人にcry wolfを使うと、意図的または常習的だったと責める響きが出ることがあります。単発なら It was a false alarm. のほうが穏やかです。
すぐ出てこないときの「しゅみすけ式」言い換え
cry wolfを思い出せなくても、簡単な英語で十分伝えられます。
| 伝えたいこと | 簡単な言い換え |
|---|---|
| うその警告を出す | give a false warning |
| 問題がないのに助けを求める | ask for help when there is no problem |
| 何度も騒いで信用を失う | warn people too many times, so they stop believing you |
| また誤警報だと思った | I thought it was another false alarm. |
しゅみすけ(大山俊輔)
関連表現と内部リンク
- 英熟語・定型表現の意味・使い方一覧
- 英語のイディオムとは?よく使う表現一覧
- dismiss A as Bの意味・使い方:警告を「根拠がない」と退ける場面とのつながり
- over and overの意味・使い方:繰り返しを表す言い方
まとめ
- cry wolf は「問題がないのに警告する・助けを求める」
- 直訳は「オオカミだ!と叫ぶ」
- 何度も繰り返し、本当の警告まで信じてもらえなくなるニュアンスがある
- cryはここでは「泣く」ではなく「大声で叫ぶ」
- 過去形はcried wolf、進行形はcrying wolf
- 単発の誤警報ならfalse alarmのほうが中立的
まずは Don’t cry wolf. と It was a false alarm. の違いを意識すると、会話で使い分けやすくなります。











