
a far cry from は、「〜とは大違い」「〜にはほど遠い」という英語イディオムです。2つの物・状況・人などの間に、予想以上に大きな隔たりがあることを表します。
この記事では、cry が入る理由、A is a far cry from B の語順、自然な例文、far from・nowhere near との違い、日本人が間違えやすいポイントまで解説します。
Contents
a far cry fromの基本的な意味
a far cry from B は、「Bとは大きく異なる」「Bにはほど遠い」という意味です。距離そのものではなく、品質・雰囲気・現実と期待・過去と現在などの大きな差を表します。
This hotel is a far cry from the one in the photos.
このホテルは、写真に載っていたものとは大違いです。
Her life now is a far cry from her childhood.
彼女の今の生活は、子どもの頃とはまるで違います。
悪い方向への違いを述べることが多いものの、表現自体が「悪化」を意味するわけではありません。昔より大きく改善した場面にも使えます。
The new office is a far cry from our old, cramped room.
新しいオフィスは、以前の狭い部屋とは比べものにならないほど立派です。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜcryが「大きな違い」になる?
cry には「泣く」だけでなく、「叫び声」という名詞の意味があります。a far cry は文字どおりには「遠くまで届く叫び声」「遠くから聞こえる叫び声」です。
叫び声が遠く離れた場所にあるイメージから、物理的な距離だけでなく、性質・水準・現実などの隔たりが非常に大きいことを表すようになりました。
- 直訳の景色:叫び声が遠く離れている
- 実際の意味:比較する2つの間に大きな隔たりがある
現代の会話では由来を意識せず、be a far cry from というまとまりで使うのが普通です。
語順はA is a far cry from B
最も基本的な形は、次の語順です。
A+be動詞+a far cry from+B
AはBとは大違いである
The actual product was a far cry from the advertisement.
実際の商品は広告とは大違いでした。
Working from home is a far cry from taking a day off.
在宅勤務は、休暇を取ることとはまったく違います。
Aには現在の対象、Bには比較の基準や期待していたものを置くことがよくあります。
what+主語+expected / imaginedとの組み合わせ
「期待とは大違いだった」という場面では、what I expected や what we imagined が便利です。
The job was a far cry from what I expected.
その仕事は、私が想像していたものとは大違いでした。
The trip was a far cry from what we had planned.
その旅行は、私たちが計画していたものとはほど遠い内容でした。
主語が複数でもaは残る
a far cry は1つの名詞句として固定的に使うため、主語が複数でも冠詞の a は消えません。
These rooms are a far cry from the luxury suites online.
これらの部屋は、ネットで見た豪華なスイートとは大違いです。
場面別の自然な例文
仕事
The final report is a far cry from the rough draft.
最終報告書は、最初の下書きとは見違えるほど違います。
Running a business is a far cry from studying it in class.
事業を経営することは、教室で学ぶこととはまったく違います。
恋愛・人間関係
He’s a far cry from the person I first met.
彼は、私が最初に会った頃とはまるで別人です。
Their quiet wedding was a far cry from the huge party everyone expected.
二人の静かな結婚式は、皆が予想した盛大なパーティーとは大違いでした。
海外旅行
The beach in winter is a far cry from the crowded summer resort.
冬のその浜辺は、夏の混雑したリゾートとはまったく違います。
Our hostel was a far cry from the luxury hotel in the brochure.
私たちのホステルは、パンフレットの高級ホテルとはほど遠いものでした。
家庭・暮らし
This homemade desk is a far cry from perfect, but it works.
この手作りの机は完璧にはほど遠いですが、ちゃんと使えます。
学校・学習
Real conversations are a far cry from textbook dialogues.
実際の会話は、教科書の対話文とは大きく異なります。
far from・nowhere nearとの違い

a far cry from:AとBの隔たりを印象的に比較
2つの対象を並べ、「驚くほど違う」「期待とは大違い」と評価するときに向いています。
The reality is a far cry from the promise.
現実は約束された内容とは大違いです。
far from:〜にはほど遠い・〜どころか
far fromの意味・使い方 は、ある状態や評価に達していないことを示します。far from perfect のように形容詞も直接置けます。
The plan is far from perfect.
その計画は完璧にはほど遠いです。
a far cry from の後ろには比較する名詞・代名詞・節を置くのが基本ですが、far from は形容詞や動名詞も取りやすい点が違います。
nowhere near:程度・数値が全然届かない
nowhere nearの意味・使い方 は、必要な程度・数・水準にまったく届いていないことを強調します。
We’re nowhere near our sales target.
私たちは売上目標にまったく届いていません。
数値や進捗なら nowhere near、2つの状況の印象的な違いなら a far cry from が使いやすいでしょう。
期待外れだけでなく「大きな改善」にも使える
a far cry from は期待外れの文脈でよく見ますが、違いの方向は周囲の内容で決まります。
悪い方向への違い
The meal was a far cry from the chef’s usual standard.
その料理は、そのシェフのいつもの水準とはほど遠いものでした。
良い方向への違い
Her confident presentation was a far cry from her nervous first attempt.
彼女の自信に満ちた発表は、緊張していた初回とは見違えるほど違いました。
日本語訳は文脈に応じて、「大違い」「ほど遠い」「見違えるほど違う」「比べものにならない」と調整すると自然です。
日本人が間違えやすいポイント
冠詞aを忘れない
cry はここでは可算名詞なので、通常は a far cry とします。
正: This is a far cry from the original.
誤: This is far cry from the original.
fromの後ろに比較の基準を置く
from の後ろは「何と比べて大きく違うのか」です。日本語の語順につられて、AとBを逆にしないようにしましょう。
The result is a far cry from our goal.
結果は私たちの目標にはほど遠いです。
far away fromと混同しない
far away from は基本的に物理的な距離が遠いことを表します。
The station is far away from the hotel.
駅はホテルから遠く離れています。
The hotel is a far cry from the photos.
そのホテルは写真とは大違いです。
違いが小さい場面では強すぎる
色が少し違う、予定が少し変わった程度なら、a little different from や not quite the same as の方が自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
簡単な英語で言い換えるなら
a far cry from が出てこなくても、基本語で意味は十分に伝えられます。
- It’s very different from what I expected.(期待していたものとは大きく違います)
- It’s not like the picture.(写真とは違います)
- They are not the same at all.(それらはまったく同じではありません)
- It’s not as good as before.(以前ほど良くありません)
最も幅広く使えるのは、It’s very different from … です。良い違いか悪い違いかも、後ろに短い説明を足せば誤解なく伝わります。
関連表現
「それはまったく別の問題だ」と論点の違いを強調するなら、quite another matterの意味・使い方 も役立ちます。
Liking the idea is one thing; paying for it is quite another matter.
その案を気に入ることと、その費用を払うことはまったく別問題です。
まとめ
a far cry from は、「〜とは大違い」「〜にはほど遠い」という意味です。A is a far cry from B の語順で、AとBの間に驚くほど大きな隔たりがあることを表します。
形容詞や状態に「ほど遠い」と言うなら far from、数値や目標にまったく届かないなら nowhere near が便利です。まずは It was a far cry from what I expected.(期待とは大違いでした)を一まとまりで覚えてみましょう。ほかの表現は、英熟語・定型表現の一覧から確認できます。











