
nose around は、「何かを探してあちこち見て回る」「人のことを嗅ぎ回る・詮索する」という意味の句動詞です。
旅行先で店内を好奇心のまま見て回るような軽い場面にも使えますが、他人の引き出しや私生活を勝手に調べるような場面では、出しゃばり・失礼という否定的なニュアンスを帯びます。
この記事では、nose がなぜ「詮索する」という意味になるのか、nose around・nose around in・nose around for の使い分け、自然な例文、look around・snoop around・pry into との違いを詳しく解説します。
Contents
nose aroundの意味は「あちこち嗅ぎ回る・詮索する」
nose around の中心には、好奇心に引かれて、あちこちを探るという感覚があります。
- 場所を見て回り、何かを探す
- 人の持ち物や事情を嗅ぎ回る
- 必要以上に立ち入って詮索する
I was just nosing around the bookstore.
本屋をなんとなく見て回っていただけです。
Someone has been nosing around in my desk.
誰かが私の机の中を嗅ぎ回っています。
最初の例は気軽な探索ですが、2つ目は他人の領域へ勝手に入り込む行為です。同じ nose around でも、どこを・何のために探るかによって印象が変わります。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜnose aroundで「嗅ぎ回る」になる?
noseは「鼻」から「鼻を突っ込んで探る」へ
nose は本来「鼻」という名詞ですが、動詞になると「鼻先で進む」「鼻を近づけて探る」という感覚を持ちます。
犬が匂いを追って鼻先をあちこちへ向ける姿を思い浮かべると理解しやすいでしょう。人について使うと、実際に匂いを嗅ぐのではなく、興味を持って情報や物を探ることを表します。
aroundは「一か所ではなく、あちこち」
around は「周囲に」「あちこちに」という広がりを加えます。目的地へ一直線に進むのではなく、いろいろな場所へ注意を向けながら動くイメージです。
nose(鼻先で探る)+ around(あちこち)
→ 好奇心のまま、あちこちを探って回る
句動詞のパーティクルが作るイメージを学びたい方は、be-rize.comの英語の句動詞をコアイメージで理解する方法も参考になります。
nose aroundの語順とよく使う形
1.nose around+場所
店・部屋・オフィスなど、見て回る場所をそのまま後ろに置けます。
We nosed around the market for an hour.
私たちは市場を1時間ほど見て回りました。
He was nosing around the empty office.
彼は誰もいないオフィスを嗅ぎ回っていました。
2.nose around in+入れ物・持ち物
引き出し、かばん、ファイルなどの中を探るときは、in がよく使われます。
Why were you nosing around in my bag?
どうして私のかばんの中を勝手に探っていたの?
She caught him nosing around in her files.
彼女は、彼が自分のファイルを嗅ぎ回っているところを見つけました。
3.nose around for+探している物・情報
目的を示すときは for + 探している物を続けられます。
I nosed around for a cheaper hotel.
もっと安いホテルがないか、あちこち探してみました。
The reporter was nosing around for information.
その記者は情報を嗅ぎ回っていました。
4.go nosing around
go nosing around は、「わざわざ嗅ぎ回りに行く」「あちこち首を突っ込んで回る」という行動を強く感じさせる形です。
Don’t go nosing around in other people’s rooms.
ほかの人の部屋を勝手に嗅ぎ回らないで。
He went nosing around to find out what had happened.
彼は何が起きたのか突き止めようと、あちこち嗅ぎ回りました。
5.活用形
- 現在形:nose around / noses around
- 過去形・過去分詞:nosed around
- 進行形:nosing around
進行形の nosing around は、まさに探り回っている様子を描くため、会話で特によく使いやすい形です。
nose aroundを日常会話で使う例文
買い物・街歩き
I’m not looking for anything in particular. I’m just nosing around.
特に何かを探しているわけではありません。なんとなく見ているだけです。
We found this little café while nosing around the neighborhood.
近所をぶらぶら見て回っていたときに、この小さなカフェを見つけました。
このような場面では、深刻な「詮索」ではなく、好奇心のまま気軽に見て回る響きです。ただし、店員に「見ているだけです」と無難に伝えるなら、I’m just looking. のほうが一般的です。
家庭・人間関係
My brother was nosing around in my room again.
弟がまた私の部屋を嗅ぎ回っていました。
Stop nosing around in my personal life.
私の私生活を詮索するのはやめて。
I wasn’t nosing around. I was looking for the charger.
嗅ぎ回っていたんじゃないよ。充電器を探していただけです。
仕事
Someone has been nosing around the confidential folders.
誰かが機密フォルダを探っているようです。
A competitor may be nosing around for details about our new product.
競合会社が新製品の詳細を嗅ぎ回っているのかもしれません。
I nosed around the shared drive and found an old template.
共有ドライブをあちこち探して、古いテンプレートを見つけました。
最後の例では自分たちが使える共有領域を探しているため、必ずしも悪い意味ではありません。一方、confidential folders のようにアクセスすべきでない対象なら、否定的な意味が強くなります。
旅行
We had some time, so we nosed around the souvenir shops.
少し時間があったので、お土産店をあちこち見て回りました。
I love nosing around old markets when I travel.
旅行中に古い市場を見て回るのが大好きです。
nose aroundと似た表現の違い

nose aroundとlook aroundの違い
look around は、周囲を見る・見学する・探すという中立的な表現です。nose around のような「好奇心で嗅ぎ回る」「必要以上に探る」という含みは基本的にありません。
Can I look around the office?
オフィスを見学してもいいですか?
Why were you nosing around the office?
なぜオフィスを嗅ぎ回っていたのですか?
同じ office でも、look around は見学、nose around は疑わしい探索に聞こえやすくなります。
nose aroundとsnoop aroundの違い
snoop around は、他人に知られないように秘密や私物を詮索する、かなり否定的な表現です。
nose around も失礼な詮索を表せますが、軽い好奇心による探索にも使えます。snoop around は「こっそり」という悪い印象がより強くなります。
She was snooping around in his phone.
彼女は彼のスマートフォンをこっそり詮索していました。
She was nosing around the antique shop.
彼女は骨董品店を興味深そうに見て回っていました。
nose aroundとpry intoの違い
pry into は、他人の私生活・秘密・個人的な問題へ無遠慮に立ち入ることを表します。物を探し回るというより、質問や調査によって私事を聞き出すイメージです。
I don’t want to pry into your private life.
あなたの私生活に立ち入るつもりはありません。
Reporters were nosing around the neighborhood.
記者たちが近所を嗅ぎ回っていました。
nose aroundとdig intoの違い
dig into は、問題・資料・データなどを「詳しく調べる」という意味で、調査の深さに焦点があります。
nose around は、まだ対象が定まっておらず、好奇心であちこち探る感覚です。
Let’s dig into the sales data.
売上データを詳しく調べましょう。
I nosed around the archive for something useful.
役立つ物がないか、資料庫をあちこち探しました。
日本人が間違えやすいポイント
「鼻の周り」という意味ではない
nose around を名詞の並びとして直訳すると「鼻の周り」に見えますが、ここでの nose は動詞です。「鼻をあちこちへ向ける」から「探り回る」へ意味が広がっています。
中立的な「見学」にはlook aroundが安全
初めて訪れた会社や家を普通に見せてもらうとき、nose around を使うと「勝手に嗅ぎ回る」印象になりかねません。許可を得て見学するなら look around や show me around を使いましょう。
人について使うと非難に聞こえやすい
You’re always nosing around. は「あなたはいつも余計な詮索をしている」という非難です。相手の好奇心を褒める表現ではありません。
nose aroundは分離しない
nose the office around のように around を目的語の後ろへ動かしません。nose around をひとまとまりにし、場所や対象を後ろへ続けます。
しゅみすけ(大山俊輔)
nose aroundが出てこないときの簡単な言い換え
nose around を思い出せなくても、基本的な動詞で状況を直接説明できます。
I looked in several places.
いくつかの場所を見ました。
I was looking for something.
何かを探していました。
He looked through my things without asking.
彼は許可なく私の持ち物を調べました。
She asked a lot of personal questions.
彼女は個人的な質問をたくさんしました。
物の中に目を通す表現は、look throughの意味と使い方でも詳しく解説しています。
nose aroundを会話で使うための型
- I was just nosing around.
なんとなく見て回っていただけです。 - Stop nosing around in my + 持ち物・場所.
私の〜を嗅ぎ回るのはやめて。 - We nosed around for + 探している物.
私たちは〜がないか、あちこち探しました。 - Don’t go nosing around.
勝手に嗅ぎ回らないで。
まずは I was just nosing around. と Stop nosing around in my room. の2文を、軽い探索と迷惑な詮索の対比で覚えると使い分けやすくなります。
まとめ
nose around は、「好奇心に引かれてあちこち探す」「人の持ち物や事情を嗅ぎ回る・詮索する」という句動詞です。
- nose は「鼻先で探る」から「詮索する」へ意味が広がる
- around は「あちこち」という動きを加える
- nose around + 場所、nose around in + 入れ物、nose around for + 探す物が基本
- 軽い探索にも使えるが、他人の領域では否定的になりやすい
- look around は中立、snoop around はこっそり詮索、pry into は私事へ立ち入る
「ただ見る」のか、「好奇心で嗅ぎ回る」のかを意識して使い分けてみましょう。
ほかの句動詞や定型表現もまとめて学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧をご覧ください。









