
notch up は、「勝利・得点・売上・実績などを達成して、記録に加える」という意味の句動詞です。
日本語では「勝利を挙げる」「成果を上げる」「数字を積み上げる」などと訳せます。単に1つの目標を達成するだけでなく、結果を一つずつ実績として刻んでいく感覚があるのがポイントです。
この記事では、notch up の意味がなぜ生まれるのか、自然な語順、仕事・スポーツ・学習での例文、rack up・chalk up・achieve との違いを詳しく解説します。
Contents
notch upの意味は「成果・勝利・数字を記録する」
notch up は、目に見える成果や数えられる結果を達成したときに使います。
- 勝利や得点を挙げる
- 売上・利益・契約数を記録する
- 経験・実績・成功を積み重ねる
The team notched up its fifth consecutive win.
そのチームは5連勝を記録しました。
The company notched up record sales last quarter.
その会社は前四半期に記録的な売上を達成しました。
どちらも、結果が実績表に新しく刻まれるような響きがあります。日常の小さな行動より、スポーツ記事・ニュース・ビジネス報告などで、注目に値する成果を伝えるときに向いています。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜnotch upで「実績を積む」になる?
notchは「数を記録する刻み目」
notch は、木・棒・ベルトなどに入れたV字形の「刻み目」を表します。紙やデジタル機器がない時代には、数を数えたり成果を記録したりするために、物へ刻み目を付けることがありました。
そこから動詞の notch には、「刻み目を付ける」、さらに比喩的に「成果を記録する」という意味が生まれます。
upは「結果が積み上がり、完成する」
up は、数字や成果が上へ積み上がる感覚や、行為を完了させる感覚を加えます。
notch(刻み目で記録する)+ up(積み上げる)
→ 成果を1つ達成し、実績として記録に加える
句動詞の動詞とパーティクルをイメージで理解したい方は、be-rize.comの英語の句動詞をコアイメージで理解する方法も参考になります。
notch upの語順と文法
notch up+成果・数字
基本の語順は notch up + 勝利・得点・売上・実績 です。
She notched up three wins in one week.
彼女は1週間で3勝を挙げました。
We notched up more than 1,000 downloads on the first day.
初日に1,000件を超えるダウンロードを記録しました。
He has notched up twenty years of teaching experience.
彼は20年の指導経験を積んできました。
notch と up の間へ目的語を入れる notch three wins up のような語順は通常使いません。notch up をひとまとまりにし、その後ろへ目的語を置きます。
活用形
- 現在形:notch up / notches up
- 過去形・過去分詞:notched up
- 進行形:notching up
The app is notching up thousands of new users every month.
そのアプリは毎月数千人の新規利用者を獲得しています。
notch upとよく組み合わせる名詞
- a win / a victory:勝利
- a goal / points:ゴール・得点
- sales / profits / revenue:売上・利益・収益
- successes / achievements:成功・実績
- years of experience:経験年数
- downloads / views / users:ダウンロード数・視聴数・利用者数
notch up は結果を「記録に加える」ため、数値や回数を示す語と相性がよい表現です。
仕事・ビジネスで使うnotch upの例文
Our sales team notched up ten new contracts this month.
営業チームは今月、新規契約を10件獲得しました。
The new store notched up a profit in its first year.
その新店舗は初年度に利益を上げました。
She has notched up several major achievements since joining the company.
彼女は入社以来、いくつもの大きな実績を上げています。
The campaign notched up two million views in just three days.
そのキャンペーンはわずか3日で200万回の視聴を記録しました。
We notched up our best quarterly result to date.
これまでで最高の四半期業績を記録しました。
社内の日常会話では少しニュース記事のように響くことがあります。簡潔に報告するなら We got ten new contracts. や Sales reached a record high. でも十分です。
スポーツで使うnotch upの例文
She notched up her first victory of the season.
彼女は今シーズン初勝利を挙げました。
The striker notched up two goals before halftime.
そのストライカーは前半終了までに2得点を挙げました。
They have now notched up six wins in a row.
彼らはこれで6連勝を記録しました。
He notched up another personal best.
彼は自己ベストをまた一つ更新しました。
スポーツでは、勝利・得点・記録が一つ追加されるたびに使えるため、notch up のイメージが特によく合います。
学習・暮らしで使うnotch upの例文
I’ve notched up fifty hours of speaking practice this month.
今月はスピーキング練習を50時間積みました。
She notched up another certification for her résumé.
彼女は履歴書に書ける資格をもう一つ取得しました。
We notched up ten countries on our trip.
私たちは旅行で10か国を訪れました。
このような使い方もできますが、notch up は「実績として数えられる」という語感を伴います。単に「昨日2時間勉強した」と言うだけなら、I studied for two hours. のほうが自然です。
notch upと似た表現の違い

notch upとrack upの違い
rack up も「数字や実績を積み上げる」という意味ですが、合計がどんどん大きくなることに焦点があります。得点や利益だけでなく、借金・罰金・損失など悪いものにもよく使われます。
The player notched up his tenth win.
その選手は10勝目を挙げました。
He racked up thousands of dollars in debt.
彼は数千ドルもの借金を抱え込みました。
notch up は「新たな成果を記録に刻む」、rack up は「合計を大量に積み上げる」と考えると分かりやすいでしょう。
notch upとchalk upの違い
chalk up は、黒板にチョークで印を付けるように「勝利・成功を記録する」という意味があります。この意味では notch up と似ています。
ただし、chalk A up to B の形では「AはBが原因だと考える」という別の重要な意味があります。
The team chalked up another victory.
そのチームはさらに1勝を記録しました。
I chalked the mistake up to inexperience.
私はそのミスを経験不足のせいだと考えました。
notch up には、この「原因だと考える」という使い方はありません。
notch upとachieveの違い
achieve は、目標・成功・成果などを「達成する」という中立的で幅広い動詞です。積み重ねや記録というイメージは必須ではありません。
She achieved her goal.
彼女は目標を達成しました。
She notched up her third major success.
彼女は3つ目となる大きな成功を収めました。
achieve は目標の完了、notch up は結果が実績の列へ一つ加わることに注目しています。
notch upとmount upの違い
mount up は、費用・借金・問題・圧力などが時間とともに積み重なることを表します。多くの場合、主語になった物が自然に増えていきます。
The costs are mounting up.
費用がかさんでいます。
The company notched up record profits.
その会社は記録的な利益を上げました。
mount up は好ましくないものの増加、notch up は主体が成果を達成して記録する場面に向いています。
日本人が間違えやすいポイント
upがあるから「上へ切り込みを入れる」ではない
notch up は通常、物理的に何かを切る意味ではなく、成果や数字を実績として記録する比喩表現です。
努力そのものより結果に使う
I notched up hard work. のようには言いません。勝利・売上・契約・時間・経験など、達成後に数えたり記録したりできるものを目的語にします。
悪い数字にはrack upのほうが自然
notch up は主に成果や好ましい結果に使われます。借金・罰金・違反などを大量に重ねる場合は rack up が自然です。
日常の小さな行動には大げさになることがある
I notched up one cup of coffee. のように、実績とは感じられない普通の行動へ使うと不自然です。「記録として数える価値があるか」を考えましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
notch upが出てこないときの簡単な言い換え
会話中に notch up が出てこなくても、基本動詞で結果をそのまま伝えれば十分です。
We won five games.
私たちは5試合に勝ちました。
We got ten new contracts.
新規契約を10件獲得しました。
Sales reached a record high.
売上は過去最高に達しました。
She has twenty years of experience.
彼女には20年の経験があります。
He achieved another goal.
彼はもう一つの目標を達成しました。
実績を積んで評価を得るという広い流れは、make a name for oneselfの意味と使い方でも解説しています。
notch upを会話で使うための型
- We notched up + 数字 + 成果.
私たちは〜という成果を記録しました。 - She notched up another + 成果.
彼女はさらにもう一つ〜を達成しました。 - The company notched up record + 数字.
その会社は記録的な〜を達成しました。 - He has notched up + 年数 + of experience.
彼は〜年の経験を積んでいます。
まとめ
notch up は、勝利・得点・売上・契約・経験などを達成し、「新しい成果として記録に加える」という句動詞です。
- notch は数を残す「刻み目」
- up は成果が積み上がる感覚を加える
- notch up + 勝利・数字・実績の語順で使う
- rack up は大きな合計や悪い数字にも使う
- chalk up は「原因だと考える」という別用法がある
- achieve は目標達成を中立的に表す
成果を一つずつ実績として伝えたいとき、notch up を使ってみてください。
ほかの句動詞や定型表現もまとめて学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧をご覧ください。









