
質問に正面から答えず、周辺の話ばかり続ける人に「本題を避けている」と言いたいとき、英語ではtalk around the issueのように表現できます。
talk aroundには、大きく分けて「本題を避けて遠回しに話す」と、主にイギリス英語で使われる「人を説得して考えを変えさせる」という2つの用法があります。意味を決める鍵は、aroundの後ろに問題を置くか、人を置くかです。
この記事では、aroundのイメージ、2つの語順、自然な例文、beat around the bush・talk over・persuadeとの違い、簡単な英語での言い換えまで解説します。
Contents
talk aroundの意味は2つ
1.本題を避けて遠回しに話す
talk around + 問題・話題で、核心へ直接触れず、その周辺について話すことを表します。質問への答えを避けている、率直に話そうとしていない、という否定的なニュアンスになることが多い表現です。
- He kept talking around the issue.
彼はその問題の核心を避けて話し続けました。 - Let’s not talk around the problem.
その問題を遠回しに話すのはやめましょう。 - She talked around my question without answering it.
彼女は私の質問に答えず、周辺の話でかわしました。
2.人を説得して考えを変えさせる
talk someone aroundは、話し合いを通じて人を説得し、反対していた考えや決定を変えさせることです。talk someone roundとも言い、特にイギリス英語でよく見られます。
- I think I can talk her around.
彼女を説得して考えを変えさせられると思います。 - We finally talked Dad around to the idea.
私たちはついに父を説得し、その案に賛成してもらいました。 - He won’t be easy to talk around.
彼を説得して考えを変えさせるのは簡単ではないでしょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜaroundでこの意味になる?
aroundの中心には、「中心を囲む」「ぐるりと回る」という感覚があります。
talk around an issueでは、話が問題の中心へ入らず、その周りをぐるぐる回ります。そのため「核心を避けて話す」という意味になります。
一方、talk someone aroundでは、話すことによって相手の向きや立場を回転させるイメージです。最初は反対していた人を、こちらの考えへ向けることから「説得して考えを変えさせる」につながります。
talk aroundの語順

| 語順 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| talk around + 問題 | 問題の核心を避けて話す | talk around the issue |
| talk + 人 + around | 人を説得して考えを変えさせる | talk him around |
| talk + 人 + around to + 案 | 人を説得して案に賛成させる | talk her around to the plan |
問題・話題はaroundの後ろ
- They talked around the main question.
彼らは中心となる質問を避けて話しました。 - Stop talking around it and tell me what happened.
その話をはぐらかすのはやめて、何が起きたのか教えて。
ここではitもaroundの後ろに置かれ、talk around itとなります。
説得される人はtalkとaroundの間
- Can you talk him around?
彼を説得して考えを変えさせられますか? - They tried to talk us around.
彼らは私たちを説得しようとしました。
この意味では、人が名詞でも代名詞でもtalk + 人 + aroundが基本です。talk around himにすると、「彼を説得する」という意味が明確に伝わりません。
talk someone around to + 名詞・動名詞
最終的に何へ賛成させたのかは、to + 名詞またはto + 動名詞で示せます。
- She talked me around to her point of view.
彼女は私を説得して、自分の考えに同意させました。 - We talked him around to joining the project.
私たちは彼を説得して、そのプロジェクトへ参加してもらいました。
ここでのtoは前置詞なので、動詞を続ける場合はjoiningのように動名詞にします。
ネイティブが感じるニュアンス
核心を避ける用法にはいら立ちがにじむ
talk around the issueは、話が分かりにくいだけでなく、「意図的に答えを避けている」という評価を含むことがあります。会議やインタビューで、相手に率直な回答を求める場面によく合います。
- You’re talking around the real problem.
あなたは本当の問題を避けて話しています。 - Why are we still talking around this?
なぜ私たちはまだこの件を遠回しに話しているのですか?
説得する用法は、時間をかけた会話を感じさせる
talk someone aroundは、命令したり一度頼んだりするのではなく、理由を説明して徐々に相手の考えを変える感覚です。強引な圧力というより、会話による働きかけを表します。
talk around・beat around the bush・talk overの違い
talk aroundとbeat around the bush
beat around the bushの意味・使い方も「遠回しに話す・本題を避ける」です。非常に近い表現ですが、beat around the bushは決まり文句として「早く本題を言って」という場面で特によく使われます。
- Stop beating around the bush and give me your answer.
遠回しに言うのはやめて、答えを聞かせて。 - The report talks around the question of who is responsible.
その報告書は、誰に責任があるかという問題を避けています。
talk aroundは、特定の問題・質問を目的語として明示しやすいのが特徴です。
talk aroundとtalk over
talk overの意味・使い方は、問題や計画をよく話し合って検討することです。
- We talked over the problem.
私たちはその問題をよく話し合いました。 - We talked around the problem.
私たちはその問題の核心を避けて話しました。
overは問題全体を見渡して検討する感覚、aroundは中心へ入らず周辺を回る感覚です。たった1語の違いで、会話の生産性が反対になる点に注意しましょう。
talk someone aroundとpersuade
persuadeは「説得する」の標準的な動詞で、アメリカ英語・イギリス英語を問わず広く使えます。
- She persuaded me to apply.
彼女は私を説得して応募させました。 - She talked me around to applying.
彼女は話を重ねて私の考えを変え、応募する気にさせました。
アメリカ英語で「人を説得して考えを変えさせる」と言いたい場合は、persuadeやtalk someone intoのほうが分かりやすいことがあります。
場面別|talk aroundの自然な例文
仕事・会議
- We don’t have time to talk around the issue.
その問題を遠回しに話している時間はありません。 - The presenter talked around the weak sales numbers.
発表者は低調な売上数字の核心を避けて説明しました。 - Let’s address the budget directly instead of talking around it.
予算の話をはぐらかさず、直接取り上げましょう。
恋愛・人間関係
- We keep talking around what we really want.
私たちは本当に望んでいることを避けて話し続けています。 - I tried to talk him around, but he had already made up his mind.
彼を説得しようとしましたが、彼はすでに決心していました。 - She talked her parents around to accepting the relationship.
彼女は両親を説得し、その交際を受け入れてもらいました。
家庭・旅行
- We talked Mom around to taking a later flight.
私たちは母を説得して、もっと遅い便に乗ることにしてもらいました。 - Don’t talk around the cost. How much will the trip really be?
費用の話を濁さないで。旅行は実際いくらかかるの?
日本人が間違えやすいポイント
talk aboutと同じではない
talk aboutは単に「~について話す」です。避けるニュアンスはありません。
- We talked about the problem.
私たちはその問題について話しました。 - We talked around the problem.
私たちはその問題の核心を避けて話しました。
talk someone aroundは地域差がある
「人を説得する」のtalk someone around/roundはイギリス英語で特に自然です。幅広い相手に誤解なく伝えたいなら、persuade someoneやchange someone’s mindを使う方法もあります。
talk around someoneを「説得する」と覚えない
説得する意味では人をtalkとaroundの間へ置きます。
- talk him around:彼を説得して考えを変えさせる
- talk around the issue:その問題の核心を避けて話す
目的語の種類と位置をセットで確認しましょう。
簡単な英語で言い換えるなら?
talk aroundが出てこなくても、基本語で状況をそのまま説明できます。
- He didn’t answer the question directly.
彼は質問に直接答えませんでした。 - She avoided the main point.
彼女は要点を避けました。 - Let’s talk about the real problem.
本当の問題について話しましょう。 - I explained my reasons, and he changed his mind.
私が理由を説明すると、彼は考えを変えました。 - We asked her again, and she said yes.
私たちがもう一度頼むと、彼女は承諾しました。
しゅみすけ(大山俊輔)
関連表現
人を説得して考えを変えさせる表現には、bring aroundの意味・使い方もあります。また、「人を説得して~させる」はtalk someone into doingの意味・使い方も参考になります。
ほかの英熟語・定型表現は、英熟語・定型表現のまとめから探せます。
まとめ
talk around + 問題は「問題の核心を避けて遠回しに話す」、talk + 人 + aroundは主にイギリス英語で「人を説得して考えを変えさせる」という意味です。
aroundの「中心を回る」というイメージから、前者は話が核心の周りを回り、後者は相手の考えの向きを回すと理解できます。
まずはStop talking around the issue.(その問題をはぐらかすのはやめて)とI think I can talk him around.(彼を説得できると思う)の2文で、語順と意味をセットにして覚えましょう。









