without loss of generalityの意味は?WLOGの使い方とgenerallyとの違い

without loss of generalityの意味・使い方・数学でのニュアンスを解説するアイキャッチ画像

without loss of generality は、数学・論理・技術的な説明で使われる「一般性を失うことなく」「一般性を損なわずに」という定型表現です。複数のケースが同じ考え方で扱えるとき、代表となる1ケースだけを選んで議論を簡単にします。

ただし、「ほかのケースを無視してよい」という意味ではありません。選んだケースで示した結論を、残りのケースにも同じ仕組みで当てはめられることが前提です。

この記事では、without loss of generality の意味、なぜこの語順になるのか、数学での使い方、略語 WLOG、generally・in general・for simplicity との違い、簡単な英語での言い換えまで解説します。

without loss of generality の意味

基本の意味は次のとおりです。

  • 一般性を失うことなく
  • 一般性を損なわずに
  • ほかのケースにも同じ議論が成り立つので、代表ケースを選ぶと

Without loss of generality, assume that a is greater than or equal to b.
一般性を失うことなく、aはb以上であると仮定します。

aとbの役割を入れ替えても同じ議論が成立する場合、a ≥ b の側だけを検討すれば十分です。このように、対称性や同等性を利用してケース分けを減らすのが典型的な使い方です。

しゅみすけ(大山俊輔)

「代表例だけを証明すれば、残りも同じ手順で示せる」という見通しがあるときに使います。都合のよいケースを根拠なく選ぶ表現ではありません。

なぜ「一般性を失わずに」になるのか

表現を3つに分けると、意味をつかみやすくなります。

  • without:〜なしで、〜することなく
  • loss:失うこと、損失
  • generality:一般性、広く当てはまる性質

直訳は「一般性の喪失なしに」です。細かいケースへ絞っても、結論が当てはまる範囲を狭めていない、という感覚があります。

たとえば赤・青・緑の3つのケースがあり、名前や色を入れ替えるだけで同じ説明ができるとします。赤についてだけ説明しても、証明の力は赤だけに限定されません。この「全体へ戻せる」ことが generality を失っていない状態です。

よく使われる形と語順

Without loss of generality, assume …

最も典型的なのは、文頭で仮定を導く形です。

Without loss of generality, assume that x is positive.
一般性を失うことなく、xは正であると仮定します。

Without loss of generality, suppose the first team moves before the second.
一般性を損なわずに、最初のチームが2番目のチームより先に動くと仮定します。

We may assume …, without loss of generality.

文末に置くこともできます。

We may assume that point A lies on the left, without loss of generality.
点Aが左側にあると仮定して構いません。そうしても一般性は失われません。

略語 WLOG

数式を使う証明、講義ノート、技術者同士の文章では、WLOG または w.l.o.g. と略されることがあります。

WLOG, let n be the larger of the two numbers.
一般性を失うことなく、nを2数のうち大きいほうとします。

ただし、一般読者向けの文章や初出では省略せず、without loss of generality と書くほうが親切です。会話で略語をアルファベット読みするより、表現全体を言うほうが明確です。

自然な例文で使い方を確認

数学・証明

Without loss of generality, let us consider the case where x is smaller than y.
一般性を失うことなく、xがyより小さいケースを考えましょう。

Since the equation is symmetric, we can assume without loss of generality that p comes first.
この方程式は対称なので、一般性を失うことなくpが先に来ると仮定できます。

コンピューター・アルゴリズム

Without loss of generality, label the shorter list as List A.
一般性を損なわずに、短いほうのリストをリストAと名付けます。

We can focus on the first node without loss of generality because all nodes are processed identically.
すべてのノードは同じように処理されるため、一般性を失わずに最初のノードへ注目できます。

論理的な説明

Without loss of generality, imagine that Company X is the buyer and Company Y is the seller.
一般性を失うことなく、X社を買い手、Y社を売り手と考えてみましょう。

この例でも、両社の役割を交換した場合に同じ説明が成立する必要があります。実際の条件が会社ごとに違うなら、without loss of generality を使うことはできません。

without loss of generalityで代表ケースを選んでも結論が全体に当てはまる仕組み

generally・in general との違い

generallyin general は「一般的に」「たいてい」という傾向を述べます。一方、without loss of generality は、証明や説明の対象を代表ケースへ絞るための論理的な合図です。

People generally prefer shorter instructions.
人は一般的に、短い説明を好みます。

In general, this method works well for small datasets.
一般に、この方法は小規模なデータセットでうまく機能します。

これらは「例外があり得る一般傾向」です。代表ケースを選んでも全体への適用範囲が保たれる、という意味ではありません。

for simplicity との違い

for simplicity は「簡単にするために」です。説明上の都合で条件を単純化しますが、単純化によって適用範囲が狭くなる可能性があります。

For simplicity, assume that there are only two users.
簡単にするため、利用者は2人だけだと仮定します。

現実には利用者が3人以上なら追加の問題が起こるかもしれません。この場合、一般性が保たれるとは限りません。

対して without loss of generality は、「この仮定を置いても、扱える問題の一般性は落ちない」と主張します。根拠となる対称性や同等性を説明できることが重要です。

without limitation との違い

without limitation は、契約・規約などで「列挙した例だけに範囲を限定しない」と示す表現です。詳細はwithout limitationの意味・使い方で解説しています。

  • without loss of generality:同等なケースから代表を選んでも、結論の一般性を保てる
  • without limitation:挙げた項目だけに対象範囲を限定しない

どちらも「範囲を狭めない」感覚を持ちますが、使う分野と論理上の役割が異なります。

日本人が間違えやすいポイント

1.どんな仮定にも付けられるわけではない

「説明が楽になるから」という理由だけでは不十分です。ケースを入れ替えられる、残りの証明が同じになるなど、一般性が保たれる根拠が必要です。

2.日常会話では硬すぎる

without loss of generality は専門的な表現です。友人との日常会話で「例として1つ選ぼう」と言いたいなら、次のような表現が自然です。

Let’s use this one as an example.
これを例として使いましょう。

3.without losing generality も見かけるが定型は名詞形

without losing generality でも意味は通じますが、数学や論理の定型表現としては without loss of generality が標準的です。ひとかたまりで覚えましょう。

簡単な英語で言い換えるなら

表現がすぐに出てこなければ、一般性が保たれる理由を直接説明するほうが伝わります。

  • We can choose this case because the others work the same way.
    ほかも同じように成り立つので、このケースを選べます。
  • The same argument applies to all the other cases.
    同じ議論がほかのすべてのケースにも当てはまります。
  • Let’s look at one case. The result will be the same for the others.
    1つのケースを見ましょう。ほかの場合も結果は同じです。

しゅみすけ(大山俊輔)

難しい表現を思い出せなくても、「ほかも同じ仕組みです」と一文加えれば、言いたい論理は十分に伝えられます。

まとめ

without loss of generality は「一般性を失うことなく」という意味で、同じ構造を持つ複数のケースから代表ケースを選ぶときに使います。

  • 数学・論理・技術的な説明で使うフォーマルな定型表現
  • 代表ケースへ絞っても、結論をほかのケースへ同じように適用できることが前提
  • 略語は WLOG または w.l.o.g.
  • generally は「一般的に」、for simplicity は「簡単にするために」で役割が違う
  • 会話では The others work the same way. と簡単に言い換えられる

withoutを使う表現をまとめて確認したい方は、withoutを使った英熟語・定型表現一覧もご覧ください。ほかの専門記事は英熟語・定型表現の親記事から探せます。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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