
by reason of は「〜という理由で」「〜のために」を表す、非常に改まった英語表現です。意味だけを見れば because of に近いものの、日常会話よりも規則、契約、判定、公式通知などで「何を根拠にその判断や扱いになったか」を示すときに向いています。
この記事では、by reason of の意味とニュアンス、後ろに置く語、自然な例文、because of・due to・on account of との違いまで分かりやすく整理します。
Contents
by reason of の基本的な意味
by reason of + 名詞 で、基本的に「〜という理由で」「〜のために」「〜を理由として」という意味になります。
- by reason of age:年齢を理由として
- by reason of illness:病気を理由として
- by reason of insufficient evidence:証拠不十分を理由として
- by reason of circumstances beyond our control:当方では制御できない事情により
たとえば、次のように使います。
The claim was rejected by reason of insufficient evidence.
その申し立ては、証拠不十分を理由に退けられました。
文の内容だけなら because of でも伝わります。しかし by reason of を使うと、単なる会話上の説明ではなく、公式に示された判断理由のような硬い響きが加わります。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「〜という理由で」になる?
reason は「理由」、of はその理由の中身をつなぎます。そこに by が加わり、「その理由を根拠・よりどころとして」という形になります。
直訳の感覚は「〜という理由によって」です。そこから、自然な日本語では「〜を理由として」「〜のために」と訳されます。
ポイントは、by reason of が結果の原因をぼんやり示すだけでなく、決定や状態が成立する根拠を示すことが多い点です。
語順と文法:後ろには名詞を置く
基本の形は次のとおりです。
by reason of + 名詞 / 代名詞 / 動名詞
Access may be restricted by reason of safety concerns.
安全上の懸念を理由に、立ち入りが制限される場合があります。
She was unable to attend by reason of being abroad.
彼女は海外にいたため、出席できませんでした。
文法上は動名詞も置けますが、実際には by reason of illness や by reason of his absence のように、名詞句を続ける形が自然です。
後ろに文をそのまま置かない
of は前置詞なので、後ろに「主語 + 動詞」の文をそのまま続けることはできません。
× by reason of he was sick
○ by reason of his illness
○ because he was sick
by reason of the fact that + 文 という形もありますが、かなり回りくどくなります。読みやすさを優先するなら、通常は because + 文 が自然です。
どんな場面で使われる?
by reason of が合うのは、主に次のような場面です。
- 規則や規約で、対象となる理由を示す
- 法的・行政的な判断の根拠を述べる
- 公式通知で、変更や制限の理由を示す
- 古風または格調高い文章を書く
規則・公式な判断
No applicant may be excluded by reason of age alone.
年齢だけを理由に、応募者を除外してはなりません。
The application was delayed by reason of missing documents.
必要書類の不足により、申請の処理が遅れました。
仕事・公式通知
The meeting was postponed by reason of circumstances beyond our control.
当方では制御できない事情により、会議は延期されました。
Entry is prohibited by reason of the risk of falling debris.
落下物の危険があるため、立ち入りは禁止されています。
説明的・格調高い文章
The region is distinctive by reason of its long history and geography.
その地域は、長い歴史と地理的条件によって独自性を備えています。
ただし、友人との会話で「雨だったから家にいた」と言うなら、We stayed home because of the rain. のほうがずっと自然です。
because of・due to・on account of との違い

by reason of:非常に硬く、根拠を示す
規則・法的文書・公的な判断などで使われやすい表現です。「その理由を根拠として」という響きがあります。
The decision was upheld by reason of the available evidence.
その判断は、入手可能な証拠を根拠として維持されました。
because of:最も一般的
because of の意味と使い方は、会話でも文章でも広く使える標準的な表現です。迷ったら、まず because of を選べば自然に伝わります。
We stayed inside because of the heat.
暑さのため、私たちは屋内にいました。
due to:原因を簡潔に示す
due to の意味と because of との違いは、遅延や変更などの原因を簡潔に説明する案内やビジネス文でもよく使われます。by reason of ほど法的・古風な響きはありません。
The flight was delayed due to fog.
霧のため、飛行機が遅れました。
on account of:やや改まった「〜のため」
on account of の意味と使い方も理由を示します。by reason of より日常的ですが、because of よりやや改まって聞こえることがあります。
The shop closed early on account of the storm.
嵐のため、その店は早く閉まりました。
なお、owing to の意味と使い方も「〜のために」を表す、ややフォーマルな選択肢です。
by virtue of、by means of と混同しない
by virtue of は「資格・性質・権限によって」
by virtue of は、ある立場、資格、性質、権限などが結果を成立させるときの「〜によって」です。
She has access by virtue of her position.
彼女はその役職により、アクセス権を持っています。
一方、by reason of は、その判断や結果の「理由」に焦点を当てます。
by means of は「〜という手段で」
by means of の意味と使い方は理由ではなく、方法・手段を表します。
They opened the door by means of a spare key.
彼らは予備の鍵を使ってドアを開けました。
「なぜ?」への答えなら by reason of、「どうやって?」への答えなら by means of と考えると区別しやすくなります。
日本人が間違えやすいポイント
1.日常会話で硬くしすぎる
× I was late by reason of the traffic.
文法的には理解できますが、友人や同僚との普通の会話には不釣り合いに硬い表現です。
○ I was late because of the traffic.
渋滞で遅れました。
2.reason の後ろに because を重ねる
× by reason because it rained
by reason of + 名詞 または because + 文 のどちらかを選びます。
3.「理由」と「手段」を混同する
The event was canceled by reason of the storm.
嵐を理由にイベントが中止された。
We informed everyone by means of email.
メールという手段で全員に知らせた。
同じ by で始まっても、reason は理由、means は手段です。
しゅみすけ(大山俊輔)
簡単な英語で言い換えるなら
by reason of がすぐに出てこなくても、次の言い方で十分に伝わります。
- because of + 名詞:〜のために
- because + 文:〜だから
- The reason is …:理由は〜です
- This happened because …:これは〜なので起きました
The request was denied by reason of incomplete information.
情報が不完全だったため、その申請は却下されました。
簡単に言うなら:
The request was denied because the information was incomplete.
情報が不完全だったので、その申請は却下されました。
後者のほうが会話でも一般向けの文章でも読みやすく、意味も明確です。
まとめ
- by reason of は「〜という理由で」「〜を理由として」
- 基本語順は by reason of + 名詞 / 動名詞
- 規則、法的・行政的な文章、公式通知などで使われる非常に硬い表現
- 判断や扱いの「根拠」を明示する響きがある
- 日常会話では because of や because が自然
- by means of は理由ではなく「手段」を表す
by reason of を無理に会話で使う必要はありません。硬い英文を読んだときに「その後ろに書かれた事情が、判断や結果の理由になっている」と理解できれば十分です。ほかの表現も整理したい方は、英熟語・定型表現の一覧もあわせてご覧ください。











