
友人のもっともらしい話を本気で聞いていたら、最後に「冗談だよ」と言われた。そんなときの「すっかり信じちゃった」「だまされた!」にぴったりなのが、You had me going.です。
ここでのgoingは「どこかへ行く」ではありません。相手の話によって、信じる気持ちや反応がしばらく続いていたことを表します。この記事では、なぜこの意味になるのか、自然な使用場面、You got me.やI fell for it.との違いまで解説します。
Contents
You had me going.の意味
You had me going.は、文脈に応じて次のように訳せます。
- すっかり信じちゃった。
- 本気にしたよ。
- うまくだまされた。
- 一瞬、本当かと思った。
- やられたな。
冗談・作り話・いたずらなどを、本当だと信じていたことが後から分かったときの反応です。通常は深刻な詐欺ではなく、友人同士の軽いからかいや、害のないサプライズで使われます。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜgoingで「信じていた」になる?
この文は、次のように分けられます。
- You:あなたが
- had me:私をある状態にしていた
- going:反応を続けさせていた
have+人+動詞のing形には、「人にある動作・反応を続けさせる」という形があります。相手の話が、聞き手の「信じる・驚く・考える」という反応を動かし続けたため、「すっかり本気にさせられた」という意味になります。
That story had everyone laughing.
その話で、みんながずっと笑っていました。
The puzzle had me thinking for hours.
そのパズルには何時間も考えさせられました。
Your announcement had us all talking.
あなたの発表で、私たちはみんな話が止まりませんでした。
本当だと思う→信じ続ける→冗談だと分かる
You had me going.には、単に一瞬驚くだけでなく、少なくとも少しの間、相手の話に乗せられていた流れがあります。

そのため、冗談だとすぐ分かる話よりも、細部までそれらしく、途中まで信じられる話に対して使うと特に自然です。
You had me going.の自然な例文
友人の冗談を信じたとき
A: I’m moving to Canada next week.
来週、カナダに引っ越すんだ。
B: What? Seriously?
えっ?本当に?
A: No, I’m kidding.
ううん、冗談だよ。
B: You had me going!
もう、すっかり信じたよ!
サプライズの前に別の説明をされたとき
I thought dinner was canceled. You really had me going.
夕食会は中止だと思ってたよ。本当にうまくだまされた。
仕事で架空の変更を聞かされたとき
For a minute, I believed the meeting had been moved to Saturday. You had me going.
一瞬、会議が土曜日に変更されたと信じたよ。本気にしたじゃないか。
職場では、相手が冗談を歓迎する関係かを考えましょう。締め切り・給与・解雇など、不安を与える話題を使った冗談には向きません。
エイプリルフールのいたずら
That fake news story was convincing. You had me going for a while.
あの偽ニュースはもっともらしかったよ。しばらく信じてしまった。
恋愛・人間関係の軽いからかい
I thought you’d forgotten our anniversary. You had me going there.
記念日を忘れたのかと思ったよ。あれは見事にだまされたな。
映画や物語の展開
The movie had me going until the final scene.
その映画は最後の場面まで、すっかり信じ込ませてくれました。
このように主語をyou以外にして、物語が観客をある方向へ思い込ませたことも表せます。
よく使われる形
You really had me going.
reallyを入れると、「完全に信じた」と程度を強められます。
You really had me going with that serious face.
そんな真剣な顔をするから、本当に信じちゃったよ。
You had me going for a second/for a minute
信じていた時間を加えると、「ほんの一瞬」「少しの間」という軽い調子になります。
You had me going for a second. I thought you’d lost my passport.
一瞬、本気にしたよ。私のパスポートをなくしたのかと思った。
You had me going there.
文末のthereは物理的な場所ではなく、「今のその部分では」「あの時点では」という感覚です。
You had me going there until you started laughing.
笑い出すまでは、本当に信じてたよ。
He/She had me going.
主語はyouに限りません。
She had me going with that story about winning the lottery.
宝くじに当たったという話を、私はすっかり信じてしまいました。
You got me.との違い
You got me.は、「見抜かれた」「参った」「分からない」など、文脈によって意味が変わる広い表現です。
| 表現 | 中心の意味 | 典型的な場面 |
|---|---|---|
| You had me going. | しばらく本気で信じていた | 冗談や作り話の種明かし |
| You got me. | 見抜かれた・参った・分からない | 秘密がばれた/答えが分からない |
相手が「冗談だよ」と種明かしした後ならYou had me going.、相手に自分の嘘を見破られた側ならYou got me.が自然です。
I fell for it.との違い
fall forには、「うそ・策略にだまされる」という意味があります。
I fell for it.
それに引っかかってしまった。
I fell for it.は自分がだまされた事実に焦点があります。You had me going.は相手に直接「あなたの話術で、しばらく信じさせられた」と反応するため、会話的で、少し称賛するような響きもあります。
You fooled me./You tricked me.との違い
You fooled me.は「あなたにだまされた」、You tricked me.は「策略で引っかけられた」と、意味を直接伝えます。
- You had me going.:軽い冗談を信じ続けた。会話的で遊び心がある
- You fooled me.:だまされた。軽い場面にも使える
- You tricked me.:仕掛けや策略でだまされたことを強調
金銭や個人情報を奪うような深刻な詐欺では、You had me going.は軽すぎます。I was deceived.、I was scammed.など、状況を正確に表す言葉を使います。
You had me worried.との違い
You had me worried.は「心配したじゃない」、You had me going.は「本気にしたじゃない」です。
- You had me worried.:心配な状態が続いた
- You had me going.:相手の話を信じる反応が続いた
どちらもYou had me+状態ですが、後ろの語が話し手の反応を決めます。
返事はどうする?
相手からYou had me going.と言われた側は、冗談だったことを認めたり、軽く謝ったりできます。
Gotcha!
引っかかったね!
I’m just kidding.
冗談だよ。
Sorry, I couldn’t resist.
ごめん、ついやりたくなって。
You should have seen your face.
そのときの顔を見せたかったよ。
相手が本気で嫌がっている場合は、笑い続けずにI’m sorry. I went too far.(ごめん、やりすぎた)と謝りましょう。
日本人が間違えやすいポイント
- 「私を行かせた」と訳さない:このgoingは、信じる反応が続くことです。
- goingをgoneにしない:続いていた反応なので、動きの途中を表すgoingを使います。
- 深刻な被害には使わない:基本的には、後で笑える軽い冗談に合う表現です。
- 相手の感情を確認する:笑顔なら軽い称賛、怒った声なら「冗談が不快だった」という警告になります。
しゅみすけ(大山俊輔)
簡単な英語で言い換えるなら
- I believed you. — あなたの言うことを信じました。
- I thought it was true. — 本当だと思いました。
- I thought you were serious. — 本気で言っていると思いました。
- You fooled me. — だまされました。
- I didn’t know you were joking. — 冗談だとは分かりませんでした。
まとめ
You had me going.は、冗談や作り話を「しばらく本気で信じていた」「うまくだまされた」と伝える会話表現です。goingは移動ではなく、信じる反応が続いていたことを表します。
You got me.より場面が限定され、I fell for it.より相手へ直接返す会話らしい響きがあります。表現が出なければ、I believed you.やI thought it was true.で十分に伝えられます。
ほかの表現も体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧をご覧ください。









