
carry offは、carry(運ぶ)とoff(離れる)から「何かを運び去る」と想像しやすい表現です。しかし、現代の実用英語で特に覚えたいのは、難しいことを「うまくやってのける」、賞を「勝ち取る」という使い方です。
この記事では、carry it offの語順、服装を「着こなす」用法、より会話的なpull offとの違いまで整理します。
Contents
carry offの意味を先に確認
実用上の主な意味は次の3つです。
- 難しいことをうまくやってのける
- 賞・勝利などを勝ち取る
- 難しい服装・髪型・スタイルをうまく着こなす
共通するのは、簡単ではないものを自分のものにして、成功という結果まで持っていく感覚です。過去形・過去分詞はcarried offです。
しゅみすけ(大山俊輔)
carry+offから意味の仕組みを理解する
carryは「持って運ぶ」、offは元の場所・状態から「離れて完了する」方向を示します。難しい課題や賞を、最後には自分の側へ持ってきて完了させるイメージです。
受賞では、競争の場から賞を持って帰る感覚が分かりやすいでしょう。服装では、着るのが難しそうなスタイルでも、違和感なく自分のものとして成立させる感覚になります。

語順:carry it offと代名詞の位置
carry offは目的語を取る他動詞句で、通常は分離できます。
- carry off the plan
- carry the plan off
目的語が普通の名詞なら両方の語順が可能です。ただし、it / themなどの代名詞は間に置きます。
- 正:carry it off
- 不自然:carry off it
なお、「課題をやってのける」という意味では、目的語にplanを取るよりも、performance, presentation, event, roleなど、成功させた具体的なものを置くほうが自然な場合があります。
しゅみすけ(大山俊輔)
「難しいことをうまくやってのける」の使い方
失敗してもおかしくない難しい仕事、役、演出などを成功させた場面で使います。
I wasn’t sure the idea would work, but she carried it off.
そのアイデアがうまくいくか不安でしたが、彼女は見事にやってのけました。
He carried off the difficult role with confidence.
彼はその難しい役を自信を持って演じ切りました。
The team carried the event off despite the last-minute changes.
チームは直前の変更があったにもかかわらず、イベントを成功させました。
It was an ambitious presentation, but you carried it off.
意欲的なプレゼンでしたが、見事にやり切りましたね。
「賞・勝利を勝ち取る」の使い方
prize, award, trophy, title, victoryなどと使い、競争の末に賞を手にすることを表します。やや新聞・報道・文章寄りの響きがあります。
The film carried off three major awards.
その映画は主要な賞を3つ獲得しました。
Our team carried off the championship title.
私たちのチームは優勝タイトルを勝ち取りました。
She carried off first prize in the design competition.
彼女はデザインコンテストで一等賞を獲得しました。
日常会話では、単純にwin an awardと言うほうが分かりやすく自然なことも多いです。
服装・髪型を「着こなす」の使い方
人を選びそうな色、個性的な髪型、大胆なデザインを違和感なく自分のものにできる、という褒め言葉です。
She can carry off bright colors beautifully.
彼女は明るい色をとても上手に着こなせます。
Not everyone can carry that hairstyle off.
誰でもその髪型を似合わせられるわけではありません。
You really carry off that vintage look.
そのヴィンテージ風の装いが本当によく似合っています。
carry offとpull offの違い
どちらも「難しいことをやってのける」と訳せますが、現代の日常会話ではpull offのほうが一般的です。
- pull off:難しそうなことを意外にも成功させる。口語的で頻出
- carry off:難しい役・演出・スタイルなどを堂々と成立させる。受賞の意味もある
I can’t believe we pulled it off! は「本当に成功できたなんて!」という驚きが出ます。She carried it off with confidence. は、彼女の堂々とした遂行ぶりに焦点があります。
carry outとの違い
carry outは、計画・調査・命令などを「実行する」です。成功したかどうかより、実施した事実に焦点があります。
- carry out a plan:計画を実行する
- carry off a difficult performance:難しい演技をうまく成功させる
つまり、carry outは「実施」、carry offは「難しいものを成功させる」が中心です。
古い・限定的な「連れ去る」「死なせる」
carry offには、人や物を「運び去る・さらう」という文字どおりの意味もあります。また、病気などを主語にして「命を奪う」という古風・婉曲的な用法もあります。
The raiders carried off the valuables.
襲撃者たちは貴重品を持ち去りました。
The illness carried him off at a young age.
その病気が若くして彼の命を奪いました。
ただし、現代の日常会話で「連れ去る」ならtake away / kidnap、「病気で亡くなる」ならdie from an illnessなど、より直接的な表現が普通です。
日本人が間違えやすい点
carry off doingとは通常言わない
「〜することをやってのける」からcarry off doingと作りたくなりますが、一般には目的語として成功させた物事を置くか、manage to do、pull off doing somethingなどに言い換えます。
受賞なら常にcarry offではない
会話で「賞を取った」と伝えるだけなら、win an awardが基本です。carry offは記事・報道などで「賞をさらった」と印象的に述べるときに向いています。
carry it offの語順を守る
代名詞は必ず間に入れて、carry it offとします。
この句動詞が出てこなかったら?しゅみすけ式の簡単な言い換え
carry offを忘れても、何が成功したのかを中学英語で直接言えば十分です。
- 難しいことをやってのけた:It was difficult, but she did it well.
難しかったですが、彼女はうまくできました。 - プレゼンを成功させた:His presentation went very well.
彼のプレゼンはとてもうまくいきました。 - 賞を勝ち取った:The film won three awards.
その映画は3つの賞を取りました。 - その服が似合う:That outfit looks great on you.
その服はあなたによく似合います。
まとめ
carry offは「難しいことをうまくやってのける」「賞を勝ち取る」「難しいスタイルを着こなす」という句動詞です。成功や賞を自分の側へ持ってくるイメージで理解できます。目的語が代名詞ならcarry it offの語順にしましょう。
同じcarryを使う表現として、carry forwardや、carry onもあわせて確認すると、パーティクルによる意味の違いが見えやすくなります。
句動詞を体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめもご覧ください。
carryを使うほかの表現もまとめて確認したい方は、carryを使った句動詞一覧をご覧ください。









