
pitch forは、仕事・契約・資金などを得るために、自分の案や強みを相手へ売り込むときに使う表現です。
日本語では「~の獲得を目指して提案する」「~を勝ち取ろうと売り込む」などと訳せます。単に説明するだけでなく、相手を納得させて欲しい結果を得ようとするニュアンスがあります。
Contents
pitch forの基本的な意味
pitch for+欲しいもの=~を獲得するために売り込む・提案する
We’re pitching for a major advertising contract.
私たちは大口の広告契約を獲得するために提案しています。
The startup is pitching for additional funding.
その新興企業は追加資金を得るために売り込みを行っています。
Three agencies pitched for the account.
3社の代理店が、その取引を獲得するために提案しました。
forの後ろには、a contract、funding、business、the account、the projectなど、手に入れたい仕事・機会・資金が来ます。
しゅみすけ(大山俊輔)
「投げる」から「売り込む」になる考え方
pitchには、ボールなどを「投げる」という意味があります。ビジネスでは、アイデアや提案を相手へ投げかけ、受け取ってもらおうとするイメージから「売り込む・提案する」という意味で使われます。
そこに、目標や欲しいものを指すforが加わると、「契約や資金の獲得を目指して提案する」という意味になります。
ただし、実際の会話で毎回「投げる」と直訳するわけではありません。提案を届けて、相手の承認や仕事を勝ち取りにいく感覚をつかむためのイメージです。

pitch for+獲得したいものの語順
基本語順は次のとおりです。
主語+pitch+for+獲得したいもの
Our team will pitch for the new website project next week.
私たちのチームは来週、新しいウェブサイト案件を獲得するために提案します。
She pitched for the role of creative director.
彼女はクリエイティブディレクターの役割を得ようと自分を売り込みました。
They’re pitching for more investment in the next round.
彼らは次のラウンドで、さらなる投資を得ようと売り込んでいます。
過去形・過去分詞はpitched、ing形はpitchingです。
pitch A to Bとの違い
pitch forと混同しやすいのがpitch A to Bです。両者は、何に焦点を置くかが異なります。
- pitch for+欲しいもの:獲得の目標を示す
- pitch A to B:提案内容Aを相手Bへ売り込む
We pitched our campaign idea to the client.
私たちはキャンペーン案を顧客へ提案しました。
この文では、our campaign ideaが提案内容、the clientが提案相手です。
We pitched to the client for the contract.
私たちはその契約を獲得するため、顧客へ提案しました。
提案相手と獲得目標の両方を言う場合は、pitch to+相手+for+目標の形も使えます。ただし長くなりやすいため、文脈で明らかな情報は省くと自然です。
make a pitch forもよく使う
pitchは名詞でも使えます。make a pitch forは「~を求めて売り込みをする」「~を支持するよう訴える」という意味です。
He made a strong pitch for the leadership position.
彼はリーダー職を得るため、力強く自分をアピールしました。
The director made a pitch for a larger budget.
その責任者は予算増額を求めて説得しました。
動詞のpitch forは「売り込む行動」、名詞のmake a pitch forは「一つの売り込み・説得」に焦点を当てやすい表現です。
場面別の自然な例文
契約・案件
Five firms are pitching for the construction contract.
5社がその建設契約を獲得しようと提案しています。
We only have ten minutes to pitch for the account.
その取引を獲得するためのプレゼン時間は10分しかありません。
資金調達
The founders pitched for funding at a startup event.
創業者たちはスタートアップイベントで資金獲得のために売り込みました。
Before pitching for investment, make the numbers easy to understand.
投資を求めて提案する前に、数字を分かりやすくしておきましょう。
仕事・役割
I’m pitching for a bigger role in the next project.
次のプロジェクトでより大きな役割を得られるようアピールしています。
She pitched for the job by showing examples of her past work.
彼女は過去の仕事例を見せ、その職を得ようと自分を売り込みました。
採用への正式な応募ならapply forが一般的です。pitch for a jobは、プレゼンや積極的な自己アピールによって仕事を取りにいく響きがあります。
bid for・apply for・presentとの違い
bid for:入札する・獲得を競う
bid forは、価格や条件を提示して契約・事業などの獲得を競う表現です。公式な入札や競争の側面が強くなります。
Several companies bid for the government contract.
複数の企業がその政府契約に入札しました。
pitch forは、説明やプレゼンによる説得に焦点があります。
apply for:正式に申し込む
apply forは、仕事・許可・奨学金などへ所定の手続きで応募・申請することです。
I applied for the marketing position.
私はマーケティング職に応募しました。
応募書類を出すのがapply for、自分の案や価値を説得的に伝えるのがpitch forです。
present:情報や案を提示する
presentは、情報や企画を人前で示す中立的な表現です。獲得や説得が目的とは限りません。
She presented the quarterly results.
彼女は四半期の業績を発表しました。
pitch forには、説明の先に「欲しい結果を勝ち取る」という目的があります。
日本人が間違えやすいポイント
- 提案内容を言うならpitch an idea、獲得目標を言うならpitch for a contract
- 提案相手はtoを使い、pitch an idea to a clientとする
- 野球のpitchや音の高さのpitchとは、文脈で意味を区別する
- 正式な応募・申請をすべてpitch forで置き換えない
We pitched the proposal for the client.は、「顧客のためにその提案を売り込んだ」と読まれる可能性があります。「顧客に提案した」ならWe pitched the proposal to the client.です。
簡単な英語で言い換えるなら
pitch forがすぐに出てこなくても、次の基本表現で意味を伝えられます。
- try to get the contract(その契約を取ろうとする)
- present our idea to get funding(資金を得るために案を発表する)
- explain why they should choose us(なぜ私たちを選ぶべきか説明する)
- ask investors to support our business(投資家に事業支援を頼む)
We explained why the client should choose our team.
私たちは、顧客がなぜ私たちのチームを選ぶべきか説明しました。
しゅみすけ(大山俊輔)
まとめ
pitch forは、契約・案件・資金・役割などを獲得するために売り込む表現です。語順はpitch for+欲しいもの。提案内容と相手を示すpitch A to Bとの違いを押さえると、ビジネス場面で自然に使えます。
ほかの表現も確認したい方は「英熟語・定型表現まとめ」や「仕事・ビジネスで使う句動詞一覧」もご覧ください。











