
倒れそうな棚を棒で支えたり、弱っている会社を資金援助で支えたりするとき、英語では prop up が使えます。
prop up の基本的な意味は、「倒れないように下から支える」です。そこから、事業・経済・価格・評判などが崩れないように「下支えする」「なんとか維持する」という比喩的な意味も生まれます。
この記事では、prop up の意味がなぜ生まれるのか、prop A up と prop it up の語順、自然な例文、support・hold up・shore up との違い、簡単な言い換えまで解説します。
Contents
prop up の2つの基本的な意味
prop up には、大きく分けて2つの使い方があります。
- 物を倒れないように支える・立てかける
- 会社・制度・経済などを下支えする
She propped the door up with a chair.
彼女は椅子を使ってドアが閉まらないように支えました。
Government funding helped prop up the industry.
政府の資金援助がその業界を下支えしました。
どちらにも共通するのは、支えがなければ倒れたり、弱ったりするものを外から支えるという感覚です。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ prop up で「下支えする」になる?
prop は名詞で「つっかえ棒・支柱」、動詞で「支柱を当てて支える」という意味です。up は「上の状態に保つ」という感覚を加えます。
つまり prop up のイメージは、下から支えて、倒れず上にある状態を保つことです。
たとえば、傾いた棚の下へ木片を入れて支えるのが物理的な prop up です。そのイメージを会社へ移すと、資金・補助金・売上などが会社を「倒産しない状態に保つ」ことになります。
prop up の語順と文法

1.prop A up:Aを支える
prop up は目的語を取る句動詞です。基本の語順は prop + 支えるもの + up です。
He propped the ladder up against the wall.
彼ははしごを壁に立てかけました。
I propped my phone up on a stack of books.
私は本を重ね、その上にスマートフォンを立てかけました。
The extra sales propped the company up.
追加の売上がその会社を下支えしました。
2.prop up A:名詞は後ろにも置ける
目的語が名詞なら、prop up + 名詞 の語順も使えます。特に目的語が長い場合は、後ろへ置くと読みやすくなります。
The central bank took steps to prop up the currency.
中央銀行は通貨を下支えするための措置を取りました。
Tourism helps prop up the local economy.
観光業が地域経済の下支えになっています。
3.代名詞は prop と up の間
目的語が it・them などの代名詞なら、必ず真ん中へ置きます。
○ Prop it up with a book.
本を使ってそれを支えてください。
× Prop up it with a book.
4.prop A up with B:Bを使ってAを支える
何を支えに使うかを言うなら、prop A up with B が便利です。
We propped the window up with a piece of wood.
私たちは木片で窓を開いた状態に支えました。
They propped up the failing business with emergency loans.
彼らは緊急融資で経営不振の事業を支えました。
物理的に「支える・立てかける」prop up
家庭や撮影、DIYなどでは、prop up を文字どおりの意味で使えます。完全に固定するのではなく、何かを当てて一時的に支える感じがあります。
Could you prop the door up while I carry these boxes in?
この箱を運び入れる間、ドアを開いた状態にしておいてくれますか。
She propped herself up on one elbow.
彼女は片肘をついて上体を起こしました。
I propped the mirror up against the wall.
私は鏡を壁に立てかけました。
He propped his bike up against the fence.
彼は自転車をフェンスに立てかけました。
Prop your tablet up so everyone can see the screen.
みんなが画面を見られるよう、タブレットを立ててください。
会社・経済などを「下支えする」prop up
比喩的な prop up は、企業・産業・経済・価格・政権・評判など、弱っているものや不安定なものについてよく使われます。
会社・事業
Online sales helped prop up the business during the slow season.
閑散期にはオンライン販売が事業を下支えしました。
The owner used her savings to prop up the company.
オーナーは会社を支えるために自分の貯金を使いました。
The business cannot be propped up forever.
その事業をいつまでも外部から支え続けることはできません。
経済・市場
Consumer spending is propping up the economy.
個人消費が経済を下支えしています。
Supply cuts helped prop up oil prices.
供給削減が原油価格の下支えになりました。
The policy was introduced to prop up demand.
その政策は需要を下支えするために導入されました。
評判・主張・制度
They used old data to prop up their argument.
彼らは自分たちの主張を支えるために古いデータを使いました。
A few loyal customers propped up the restaurant’s reputation.
少数の常連客がそのレストランの評判を支えていました。
この用法では、「弱いものをなんとか持たせている」という批判的な含みを持つことがあります。
prop up と support の違い
support は、人・考え・組織・物などを「支える」最も一般的で中立的な表現です。支えられる側が弱っている必要はありません。
prop up は、支えがなければ倒れたり、うまく機能しなくなったりするものを、外から補強するイメージです。場合によっては「延命する」という否定的なニュアンスも出ます。
| 表現 | 中心的なニュアンス | 例 |
|---|---|---|
| support | 広く支援・支持する | 人、計画、家族、組織 |
| prop up | 倒れそうなものを外から下支えする | 棚、会社、景気、価格 |
Her family supported her decision.
家族は彼女の決断を支持しました。
Emergency funding propped up the company.
緊急資金がその会社を下支えしました。
人を精神的に支えるなら support や stand by が自然です。通常、人を励ます意味で prop up は使いません。
prop up と hold up の違い
hold up にも「持ち上げる・支える」という意味がありますが、手や構造そのものが重さを支えることを広く表します。また「遅らせる」「持ちこたえる」など複数の意味があります。
prop up は、つっかえ棒のような支えを当てて、倒れない状態に保つことが中心です。
These beams hold up the roof.
これらの梁が屋根を支えています。
We propped up the damaged fence with wooden boards.
私たちは木の板で壊れたフェンスを支えました。
hold up のほかの意味については、hold upの意味・使い方で詳しく解説しています。
prop up と shore up の違い
shore up も「補強する・立て直す」という意味です。弱点を補い、崩れないように強くすることへ焦点があります。
prop up は外から支えて現状を保つイメージが強く、shore up は基盤や防御を補強するイメージが強い表現です。
The company is trying to shore up its finances.
その会社は財務基盤を強化しようとしています。
Loans are propping up the company for now.
今のところ、融資がその会社をなんとか支えています。
日本人が間違えやすいポイント
代名詞を後ろへ置かない
prop up は分離できる句動詞です。目的語が it なら prop it up とします。
○ Can you prop it up?
× Can you prop up it?
「人を応援する」の意味には使わない
友人を応援する・味方になるなら support、stand by、root for などが自然です。prop up は、物理的な支えや、弱っている組織・制度の下支えに向いています。
prop の過去形は propped
prop は最後の子音を重ねて propped、進行形は propping です。
- 現在形:prop / props
- 過去形・過去分詞:propped
- 進行形:propping
prop up が出てこないときの簡単な言い換え
prop up を思い出せなくても、基本語で十分に意味を伝えられます。
- Use this book to keep it standing.(この本を使って立った状態にしてください)
- Lean it against the wall.(壁に立てかけてください)
- The money helped the company survive.(その資金が会社の存続を助けました)
- The policy supported the economy.(その政策が経済を支えました)
- The extra sales kept the business going.(追加の売上が事業を持ちこたえさせました)
しゅみすけ(大山俊輔)
まとめ:prop up は倒れそうなものを下から支える表現
prop up は、物を「倒れないように支える」ことから、会社・経済・価格などを「下支えする」という意味へ広がった句動詞です。
- prop A up:Aを下から支える
- prop up A:名詞は後ろにも置ける
- prop it up:代名詞は真ん中
- prop A up with B:Bを使ってAを支える
- support より「支えがなければ弱る・倒れる」感じが強い
まずは、身近な場面で使える I propped my phone up on some books.(本を使ってスマートフォンを立てました) から覚えてみてください。
ほかの句動詞も学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめと、be:RIZEの英会話でよく使う句動詞一覧もあわせてご覧ください。









