
提案を熟考する。問題を熟考する。選択肢を熟考する。日本語ではどれも「熟考する」と言えますが、英語では、日常的に考え直すのか、深く思いを巡らせるのか、結論を出すために協議するのかによって表現が変わります。
日常会話で「よく考えておく」なら think over が使いやすい表現です。一人で問題を深く考えるなら ponder、結論を出すために慎重に検討・協議するなら deliberate、重大な選択や可能性について静かに深く考えるなら contemplate が合います。
まずはこれだけ:
よく考えておく=think over
問題について思いを巡らせる=ponder
結論を出すため慎重に協議する=deliberate
重大な可能性を静かに考える=contemplate
Contents
「熟考する」を表す4つの英語表現
| 英語 | 中心的な意味 | 使う場面 | 代表例文 |
|---|---|---|---|
| think over | 決める前によく考える | 提案・誘い・決定 | I’ll think it over. |
| ponder | 問題について深く考える | 疑問・意味・難しい問題 | I pondered the question. |
| deliberate | 結論を出すため慎重に検討する | 会議・陪審・委員会 | The committee deliberated for hours. |
| contemplate | 重大な選択や可能性を静かに考える | 転職・移住・将来・人生 | She contemplated changing jobs. |
think over:決める前によく考える
think over+名詞 は、提案、誘い、計画などについて、すぐに答えを出さずによく考える日常的な句動詞です。「熟考する」を会話で自然に伝えたいとき、もっとも使いやすい表現です。
I need some time to think over the offer.
その提案を熟考する時間が必要です。
I’ll think it over and get back to you.
よく考えてからお返事します。
代名詞は間に置き、think it over とします。think over it は不自然です。語順やthink aboutとの違いは、think overの専門記事で詳しく解説しています。
ponder:疑問や問題について深く考える
ponder+名詞 は、難しい疑問、問題、意味などについて、時間をかけて深く考える表現です。日常的なthinkよりも思考の深さを感じさせます。
I spent the evening pondering the question.
その晩は、その問題について熟考しました。
She pondered what to do next.
彼女は次に何をすべきか熟考しました。
ponder+疑問詞節 の形も使えます。やや文章的ですが、一人でじっくり思いを巡らせる場面によく合います。
deliberate:結論を出すため慎重に検討・協議する
動詞の deliberate は、決定や評決を出すために、情報や選択肢を慎重に検討することです。個人にも使えますが、委員会、陪審、会議など複数人で話し合う場面によく使われます。
The jury deliberated for three hours.
陪審員は3時間にわたって審議しました。
We deliberated over the best course of action.
私たちは最善の対応について熟考しました。
deliberate over / on+議題 や deliberate whether+文 の形が使えます。日常会話の「ちょっと考える」には硬すぎるため、その場合はthink overが自然です。
contemplate:重大な選択や可能性を静かに考える
contemplate+名詞・動名詞 は、将来の大きな選択や可能性について、静かに長く考える表現です。転職、移住、退職、人生の方向など、重みのある決断と相性があります。
I’m contemplating a career change.
転職について熟考しています。
We contemplated moving abroad.
私たちは海外移住について熟考しました。
後ろに動作を置く場合は contemplate doing です。contemplate to do とはしません。
4つの違いをイラストで整理

「熟考する」とconsider・mull overの違い
consider は「検討する・考慮する」という幅広い表現です。必ずしも長時間考えるとは限りません。選択肢を検討する仕事の場面は、「検討する」は英語で?が参考になります。
mull over は、ある考えを頭の中で何度も転がすようにじっくり考える表現です。think overよりも「考え続ける」感じが出ます。詳しい違いは、mull overの意味と使い方で確認できます。
しゅみすけ(大山俊輔)
難しい一語を探す前に、考えた時間と目的を説明してみましょう。
I thought about it for a long time before I decided. だけでも、「決める前に長く熟考した」という中身は十分伝わります。
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
ponderやcontemplateが出てこなくても、「長く考えた」「すぐには決めなかった」「良い点と悪い点を比べた」と分解すれば、基本語で説明できます。
- I thought about it for a long time.
それについて長い時間考えました。 - I didn’t decide right away.
すぐには決めませんでした。 - I looked at all the options.
すべての選択肢を見ました。 - I compared the good and bad points.
良い点と悪い点を比べました。 - We talked about it carefully before we decided.
決める前に慎重に話し合いました。
「熟考する」という難しい単語を別の難しい単語に置き換える必要はありません。think、decide、look、compare、talk を使えば、熟考の中身を具体的に伝えられます。
よくある間違い
- 代名詞を使うときは think it over。think over it とはしない。
- ponder about the question より ponder the question が基本。
- contemplate to change jobs ではなく contemplate changing jobs。
- deliberate は日常的な軽い検討には硬い。普通の会話ならthink overを使う。
「熟考する」の英語に関するFAQ
Q. 「少し熟考させてください」は英語で?
Let me think it over. や I’d like some time to think about it. が自然です。deliberateやcontemplateを使うより会話的です。
Q. ビジネスで提案を熟考するなら?
We’ll consider the proposal carefully. や We’ll review the proposal before making a decision. が自然です。相手への返答なら We’ll think it over. も使えます。
Q. ponderとcontemplateの違いは?
ponderは難しい疑問や問題について深く考える表現です。contemplateは、転職や移住など重大な選択・可能性について静かに考えるときによく使われます。
Q. 「熟考した結果」は英語で?
After careful consideration, … が文章や仕事で使いやすい表現です。会話なら I thought about it carefully, and … と基本語で続けても自然です。
まとめ
- 日常会話で決める前によく考えるなら think over
- 疑問や問題について深く考えるなら ponder
- 結論を出すため慎重に検討・協議するなら deliberate
- 重大な選択や可能性を静かに考えるなら contemplate
- 難しい表現を忘れたら I thought about it for a long time. で伝えられる
「熟考する」を一語で置き換えるのではなく、誰が、何について、どのくらい深く、何のために考えたのかに分けると、自然な英語を選べます。








