
条件を仮定する。相手が来ないと仮定する。研究で原因を仮定する。日本語ではどれも「仮定する」と言えますが、英語では議論・計算の前提なのか、会話上の仮の話なのか、科学的な仮説なのかによって表現が変わります。
議論や計算を進めるために前提を置くなら assume、会話で「仮に〜だとしよう」と考えるなら suppose、研究で説明可能な仮説を立てるなら hypothesize、例として気軽に仮の状況を置くなら Let’s say … が自然です。
まずはこれだけ:
前提として仮定する=assume
仮に〜だと考える=suppose
研究上の仮説を立てる=hypothesize
会話で「例えば〜だとしよう」=Let’s say …
Contents
「仮定する」を表す4つの英語
| 英語 | 中心的な意味 | 使う場面 | 代表例文 |
|---|---|---|---|
| assume | 議論・計算の前提を置く | 仕事・数学・論理・計画 | Let’s assume that the data is correct. |
| suppose | 仮の状況を考える | 会話・思考実験・質問 | Suppose he says no. |
| hypothesize | 検証可能な仮説を立てる | 研究・分析・学術文章 | We hypothesize that stress affects sleep. |
| Let’s say … | 例として仮の状況を置く | 日常会話・説明 | Let’s say you have $100. |
assume:議論や計算のために前提を置く
assume+名詞 または assume that+文 で、「ひとまず事実として扱い、議論や計算を進める」という意味になります。
Let’s assume that the data is correct.
そのデータが正しいと仮定しましょう。
Assume the interest rate stays the same.
金利が同じままだと仮定してください。
日常会話のassumeには、「確認せずにそうだと思い込む」という意味もあります。I assumed you knew. は「あなたが知っているものと思っていました」です。仮定と決めつけの両方がある点に注意しましょう。
suppose:仮に〜だと考えてみる
suppose+文 は、「仮に〜だとしたら」と状況を思い浮かべる表現です。assumeより会話的で、相手と一緒に可能性を考えるときに向いています。
Suppose we miss the last train. What should we do?
終電に乗り遅れると仮定しましょう。どうすればよいでしょうか。
Suppose he doesn’t agree.
仮に彼が同意しないとしましょう。
Suppose … は命令文の形で「仮に〜としてみよう」という働きをします。Supposing … も「もし〜だとしたら」という条件を示すことがあります。
hypothesize:研究で検証可能な仮説を立てる
hypothesize that+文 は、観察や理論をもとに、あとで検証できる仮説を立てる表現です。日常会話より、研究・分析・学術文章に向いています。
We hypothesize that stress affects sleep quality.
私たちはストレスが睡眠の質に影響すると仮定しています。
The researchers hypothesized that the treatment would reduce pain.
研究者たちは、その治療が痛みを軽減すると仮定しました。
名詞は hypothesis、複数形は hypotheses です。単なる想像ではなく、データで検証する対象になるのがポイントです。
Let’s say:会話で例として仮の状況を置く
Let’s say+文 は、「例えば〜だとしよう」「仮に〜とします」と、説明のために気軽な例を置く会話表現です。assumeやhypothesizeより簡単で、日常会話でも使いやすい形です。
Let’s say you have $100 to spend.
仮に、使えるお金が100ドルあるとしましょう。
Let’s say the meeting starts at ten.
会議が10時に始まると仮定しましょう。
4つの違いをイラストで整理

「仮定する」と「想定する」の違い
「仮定する」は、議論や計算を進めるために、一時的な前提を置くことが中心です。一方、「想定する」は、実際に起こり得る状況を見込んだり、その状況に備えたりする意味でも使われます。
そのため、「雨が降る場合も想定して準備する」なら plan for rain や prepare in case it rains が自然です。詳しい違いは、「想定する」は英語で?で確認できます。
しゅみすけ(大山俊輔)
会話なら、難しい単語を使わなくても大丈夫です。
Let’s say this is true. や Imagine this is true. と言えば、「仮にこれが正しいとしよう」という前提を簡単に置けます。
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
assumeやhypothesizeが出てこなくても、「今はこれが正しいことにする」「例えばこう考える」「まだ事実かは分からない」と分ければ、基本語で伝えられます。
- Let’s say this is true.
仮に、これが正しいとしましょう。 - For now, we’ll use this number.
今のところ、この数字を使うことにします。 - Imagine that he says no.
彼が断ると考えてみてください。 - We don’t know if it’s true yet.
それが本当かは、まだ分かりません。 - We’ll test this idea.
この考えを検証します。
仮定の中身を、say、use、imagine、know、test のような基本語で具体的に説明するのが、しゅみすけ式の逃げ方です。
よくある間違い
- assume about the situation ではなく assume that … または assume the situation is …。
- suppose that if … と条件を重ねすぎない。Suppose he says no. だけで仮の状況を置けます。
- hypothesize は日常の軽い想像には硬い。会話ならsupposeやlet’s sayを使う。
- assume は「仮定する」だけでなく「確認せずに思い込む」という意味もある。
「仮定する」の英語に関するFAQ
Q. 数学で「xを10と仮定する」は英語で?
Assume x is 10. または Let x be 10. と言えます。数学では、値を置くときのLet … be …も一般的です。
Q. 会議で「仮に予算が半分なら」は英語で?
Let’s say the budget is cut in half. や Suppose the budget is cut in half. が自然です。
Q. assumeとpresumeの違いは?
assumeは、十分な証拠がなくても前提として置く幅広い表現です。presumeは、利用できる情報から「おそらくそうだ」と判断する響きがあります。語順はpresume A to be Bの専門記事でも解説しています。
Q. 仮定法の「仮定」と同じですか?
考え方は関連しますが、仮定法は現実と異なることや可能性の低い状況を文法で表す仕組みです。「仮に〜するとしたら」の形は、if S were to doの使い方も参考になります。
まとめ
- 議論や計算の前提を置くなら assume
- 会話で仮の状況を考えるなら suppose
- 研究で検証可能な仮説を立てるなら hypothesize
- 例として気軽に仮の状況を置くなら Let’s say …
- 難しい表現を忘れたら Let’s say this is true. で伝えられる
「仮定する」を一語で置き換えるのではなく、議論の前提なのか、会話上の想像なのか、科学的な仮説なのかに分けると、場面に合う英語を選べます。








