
if S were to do は「仮にSが~するとしたら」「もしSが~するようなことがあれば」という仮定法の表現です。未来の出来事を事実として予想するのではなく、現実から少し距離を置いて、仮のシナリオとして考えるときに使います。
たとえば If you were to move abroad, where would you go? は「仮に海外へ引っ越すとしたら、どこへ行きますか」です。実際に引っ越す予定がなくても、想像上の選択肢として質問できます。
この記事では、なぜwasではなくwereなのか、主節にwouldが使われる理由、普通のif・if S should doとの違い、倒置のWere S to doまで整理します。
Contents
if S were to doの意味は「仮に~するとしたら」
基本の形は次のとおりです。
If + 主語 + were to + 動詞の原形, 主語 + would/could/might + 動詞の原形
- If I were to change jobs, I would choose a smaller company.
仮に転職するとしたら、もっと小さな会社を選ぶでしょう。 - If she were to call tonight, what would you say?
仮に彼女が今夜電話してきたら、何と言いますか。 - If the price were to rise, we might change our plan.
仮に価格が上がれば、計画を変更するかもしれません。
were toの後ろは必ず動詞の原形です。主語がI・he・she・itでも、仮定法では原則としてwereを使います。
しゅみすけ(大山俊輔)
were toが加える「現実からの距離」
普通の条件文 If it rains は、雨が降ることを現実的な可能性として扱います。一方、If it were to rain は、雨が降る場面を少し離れた位置から仮に想像します。
- If it rains tomorrow, we’ll stay home.
明日雨が降ったら、家にいます。 - If it were to rain tomorrow, we’d stay home.
仮に明日雨が降るとしたら、家にいるでしょう。
2つ目は「雨はまず降らない」と必ず断定する表現ではありません。予想を述べるよりも、仮定のシナリオを検討する姿勢が強くなります。危機管理、計画、思考実験、控えめな質問などで便利です。
なぜwasではなくwereを使うの?
仮定法のwereは、現実の事実を述べる過去形ではなく、現実から距離を置く目印です。そのため主語に関係なくwereを使うのが標準的です。
- If I were to accept the offer, …
- If he were to accept the offer, …
- If they were to accept the offer, …
日常会話では主語がI・he・she・itのときにwasが聞かれることもありますが、were toというまとまった構文ではwereが一般的です。試験、仕事の文書、丁寧な会話ではwereを選ぶと安心です。
仮定法のwereについては、If I were youの意味とwereを使う理由でも詳しく解説しています。
主節にはwould・could・mightがよく使われる
would:その場合の結果・意志
- If we were to cancel now, we would lose our deposit.
仮に今キャンセルすれば、保証金を失うでしょう。 - If I were to start over, I would learn another language.
仮にやり直すなら、別の言語を学ぶでしょう。
could:可能になること
- If you were to leave earlier, you could avoid traffic.
仮にもっと早く出発すれば、渋滞を避けられるでしょう。 - If the two teams were to cooperate, they could finish sooner.
仮に2チームが協力すれば、もっと早く終えられるでしょう。
might:起こるかもしれない結果
- If interest rates were to fall, house prices might rise.
仮に金利が下がれば、住宅価格が上がるかもしれません。 - If he were to hear the news, he might change his mind.
仮に彼がその知らせを聞けば、考えを変えるかもしれません。
場面別の自然な例文
仕事・計画
- If the deadline were to change, how would it affect the launch?
仮に締め切りが変わるとしたら、発売にどう影響しますか。 - If our main supplier were to fail, we would need a backup.
仮に主要な仕入れ先が機能しなくなれば、代替先が必要になります。 - If you were to lead this project, what would you do first?
仮にあなたがこのプロジェクトを率いるなら、最初に何をしますか。
恋愛・人間関係
- If your ex were to contact you, would you reply?
仮に元恋人から連絡が来たら、返信しますか。 - If we were to live together, we’d need to discuss money.
仮に一緒に暮らすなら、お金について話し合う必要があります。
旅行・暮らし
- If you were to spend a year abroad, which country would you choose?
仮に海外で1年間暮らすとしたら、どの国を選びますか。 - If the train were to stop, we could take a bus.
仮に電車が止まったら、バスを利用できるでしょう。
if S does・if S should do・if S were to doの違い

if S does:現実的な条件
If it rains, we’ll stay home.
雨が降ったら、家にいます。
未来に起こり得る普通の条件です。話し手は雨を現実的な可能性として扱っています。
if S should do:万一そうなったら
If it should rain, we’ll stay home.
万一雨が降ったら、家にいます。
shouldを入れると、出来事を普通の予想より控えめに、または偶発的な可能性として示します。主節にはwillや命令文も使われます。
ifを省略した倒置との関係は、Should you needの意味と使い方で確認できます。
if S were to do:仮のシナリオとして想像
If it were to rain, we’d stay home.
仮に雨が降るとしたら、家にいるでしょう。
were toは、出来事を現実から離した仮定のシナリオとして提示します。可能性の低さを示す場合もありますが、単純な確率だけでなく、想像上のケースとして検討する点が重要です。
普通の仮定法過去との違い
未来の仮定では、普通の過去形を使うこともできます。
- If you changed jobs, where would you work?
もし転職したら、どこで働きますか。 - If you were to change jobs, where would you work?
仮に転職するとしたら、どこで働きますか。
どちらも仮定的ですが、were toを使うと「いったん仮のケースとして想像してみる」という枠組みがより明確になります。会議でのシナリオ分析や、相手に圧力をかけずに選択を尋ねる場面にも合います。
質問で使うと控えめに想像を促せる
if you were to … は、直接的に予定を尋ねず、仮の話として答えてもらう質問に便利です。
- If you were to choose one, which would it be?
仮に一つ選ぶとしたら、どれですか。 - If you were to give one piece of advice, what would it be?
仮に一つ助言するとしたら、何ですか。 - If you were to describe yourself in three words, what would they be?
仮に自分を3語で表すなら、何ですか。
面接、アンケート、会話の話題作りでも使われます。ただし日常会話では If you had to choose … や What would you choose? のほうが簡単な場合もあります。
否定形if S were not to do
否定形は were not to + 動詞の原形 です。「仮に~しないことになれば」「もし~しなかったとしたら」を表します。
- If the deal were not to go through, what would happen?
仮に取引が成立しなかったら、どうなりますか。 - If she were not to attend, we would postpone the meeting.
仮に彼女が出席しなければ、会議を延期するでしょう。
ifを省略した倒置:Were S to do
ifを省略すると、wereを主語の前へ出します。
If the price were to rise, we would reconsider.
↓ ifを省略してwereを前へ
Were the price to rise, we would reconsider.
仮に価格が上がれば、再検討するでしょう。
Were you to ask me, I would say no.
仮にあなたが私に尋ねても、私はノーと言うでしょう。
倒置形はかなりフォーマルで、文章、スピーチ、契約や方針の説明などに合います。日常会話ではifを残した形のほうが自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本人が間違えやすいポイント
were toの後ろは動詞の原形
× If she were to called …
× If she were to calling …
○ If she were to call …
主節までwillにしない
仮定法として使う場合、主節は通常would・could・mightです。
× If he were to come, I will tell him.
○ If he were to come, I would tell him.
仮に彼が来たら、彼に伝えるでしょう。
文脈によって別の組み合わせもありますが、まずは were to … / would … の対を覚えると安全です。
可能性がゼロとは限らない
were toは仮定の距離を表しますが、「絶対に起きない」という意味ではありません。起こり得る出来事を、議論のために意図的に仮のケースとして扱うこともあります。
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
were toが出てこなければ、普通のifやWhat ifを使えば十分伝わります。
- If you moved abroad, where would you go?
海外へ引っ越すなら、どこへ行きますか。 - What if the price goes up?
もし価格が上がったらどうしますか。 - Imagine you could start over. What would you do?
やり直せると想像してください。何をしますか。
まとめ
- if S were to do は「仮にSが~するとしたら」
- 未来の出来事を、現実から距離を置いた仮のシナリオとして扱う
- 主節にはwould・could・mightがよく使われる
- 普通のifは現実的な条件、if S should doは万一の可能性
- 可能性が必ずゼロという意味ではない
- ifを省略すると Were S to do の倒置になる
まずは If you were to choose one, which would it be? をひとかたまりで覚え、相手に仮の選択を尋ねる会話で使ってみましょう。
ほかの定型表現は、英熟語・定型表現のまとめから探せます。









