もともと4館だけで上映の予定が口コミで噂が広がり、上映館が270館まで拡大し、半年間に及ぶロングランを記録。スター俳優でないR・ジェンキンスがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされるという成功を収めた2008年公開の映画。
「人生ってイイものね!」
見終わった後にそんなふうに思え、心に残る作品です。
◆Story of “The Visitor”◆
愛する妻がこの世を去ってから心を閉ざしたまま孤独に生きてきた経済学教授ウォルターは
ある日、学会出席のためニューヨークへ。
別宅のアパートを訪れると、そこには見ず知らずの若いカップル、シリア出身のタレクとセネガル出身の恋人ゼイナブが滞在していた。
彼らはこの時はじめて詐欺に遭っていたと知り、警察沙汰などで国外追放になるのを恐れ、素直に去っていく。
だが、あてのない2人を見過ごせなかったウォルターはしばらくの間この部屋に泊めることに。
その優しさに感激したジャンベ奏者のタレクからジャンベを教えられ友情を育んでいくウォルター。
ジャンベをたたく楽しさを知った彼は再び生きる喜びを見出し閉じていた心の扉を開いていく...。
◆One point English from “The Visitor”◆
タレクのクセを冗談にしたウォルターの言葉です。
◎ Don't Worry. I'll keep my pants on.
「大丈夫。ズボンははいたままだから」
“keep ~ on” 「身に着けたまま」という意味です。
ex) keep my shoes on.
「靴をはいたまま」
同じように、「目をくっつけたまま」という直訳の
“keep an eye on” は、「~から目を離さずにいる」「~をじっと見つめる」という意味です。
◎ Please keep an eye on my son; he is very naughty.
「うちの息子から目を離さないでください。とてもいたずらなので。」
目は二つあるのに単数?と思った方!
“keep one's eyes on” という表現もあります。
例えば・・・
◎ Keep your eyes on the ball. 「ボールから目を離さない」
これは文字通り、「目で見つめる」です。
一方、“keep an eye on”は、“one's eye” でなく “an eye” であることから分かるように、
具体的な誰かの「目」ではなく、抽象的な「見ること」つまり「注意」「関心」です。
いろいろ考えさせられる内容の映画でしたが、公園でジャンベを演奏するシーンでは、思わずテーブルを叩いてしまいました。
国境を越え、年齢差も関係なく心で感じられるところが音楽の良さですね!
Rico