
英語で説明や書類を見ても「何が何だか、さっぱり分からない」と感じることがあります。そんなときに使えるのが、can’t make head or tail of です。
直訳すると「頭も尻尾も作れない」のように見えますが、実際には「〜をまったく理解できない」「〜が何のことか見当もつかない」という意味です。この記事では、意味の成り立ち、自然な語順、heads or tails との表記の違い、似た表現との使い分けまで解説します。
Contents
can’t make head or tail of の意味
can’t make head or tail of ~ は、「〜が何なのか全然分からない」「〜をどう理解すればよいか見当がつかない」という意味のイディオムです。情報が複雑、説明が不明瞭、文字が読みにくいなど、物事の筋道をつかめない場面で使います。
- I can’t make head or tail of this email.
このメール、何が言いたいのかさっぱり分かりません。 - We couldn’t make head or tail of the instructions.
私たちはその説明書をまったく理解できませんでした。
単に一部分を知らないというより、全体の入口さえつかめないほど混乱しているニュアンスがあります。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「head(頭)」と「tail(尻尾)」でこの意味になる?
head は頭・先端、tail は尻尾・末端を表します。物事の最初と最後、あるいはコインの表と裏のような両端を示す言葉です。
make head or tail of ~ は、もともと「〜の頭と尻尾を見分ける」「〜の筋道をつける」という感覚を持ちます。そこに否定の can’t が付くことで、どちらが頭でどちらが尻尾なのかさえ判別できないほど理解できない、という意味になります。
実際の会話では肯定形よりも、can’t / couldn’t を使った否定形が圧倒的に自然です。
head or tail と heads or tails の違い

この表現には、次の2つの形があります。
- can’t make head or tail of:主にイギリス英語や伝統的な形で見られる
- can’t make heads or tails of:主にアメリカ英語でよく見られる
ただし、これは厳密な境界ではありません。どちらも同じ意味で、英語圏の人には自然に通じます。覚えるときは、自分が普段使う英語に合わせて一方を基本形にすれば十分です。
よく使う語順と文法
1.of の後ろに名詞を置く
基本の形は can’t make head or tail of + 名詞 です。
- I can’t make head or tail of this map.
この地図は何が何だか分かりません。 - She couldn’t make heads or tails of his handwriting.
彼女は彼の手書き文字をまったく読み取れませんでした。 - Can you make head or tail of these numbers?
この数字が何を意味するか分かりますか?
2.of の後ろに what・why・how などの節を置く
名詞だけでなく、「何を言っているのか」「なぜ起きたのか」のような節も続けられます。
- I can’t make head or tail of what he’s trying to say.
彼が何を言おうとしているのか、さっぱり分かりません。 - We can’t make heads or tails of why the total changed.
合計がなぜ変わったのか、私たちにはまったく分かりません。 - She couldn’t make head or tail of how the machine worked.
彼女はその機械がどう動くのか全然理解できませんでした。
場面別の自然な例文
仕事
I can’t make head or tail of this sales report. Could you walk me through it?
この売上報告書がさっぱり分かりません。順を追って説明してもらえますか?
海外旅行
We couldn’t make heads or tails of the train schedule.
私たちは列車の時刻表をまったく理解できませんでした。
家庭・暮らし
I can’t make head or tail of these assembly instructions.
この組み立て説明書、何が何だか分かりません。
学校・学習
At first, I couldn’t make heads or tails of the grammar rule.
最初は、その文法規則がさっぱり理解できませんでした。
人間関係
I can’t make head or tail of his sudden change in attitude.
彼の態度が急に変わった理由が、まったく分かりません。
似た表現との違い
can’t make sense of:意味や筋が通らない
can’t make sense of も「理解できない」という意味で、より中立的かつ日常的です。情報を理解しようとしても筋が通らない場面に広く使えます。
I can’t make sense of this chart.
この図表の意味が分かりません。
can’t figure out:考えても答えが出ない
can’t figure out は、問題を考えたり解こうとしたりしても答えにたどり着けない、というニュアンスです。
I can’t figure out how to open this file.
このファイルをどう開けばよいか分かりません。
don’t understand:最も広くて簡単
don’t understand は理解できないことを直接伝える基本表現です。混乱の強さは文脈や at all で調整できます。
I don’t understand this at all.
これはまったく分かりません。
日本人が間違えやすいポイント
肯定形を無理に使わない
理屈の上では make head or tail of という肯定形も作れますが、このイディオムは否定文や疑問文で使うのが普通です。「理解できる」なら、自然な会話では I understand it. や It makes sense now. のほうが言いやすいでしょう。
of を落とさない
理解できない対象の前には of が必要です。
- × I can’t make head or tail this document.
- ○ I can’t make head or tail of this document.
相手の説明に使うときは言い方をやわらげる
I can’t make head or tail of your explanation. は、「あなたの説明はさっぱり分からない」と強く響くことがあります。仕事では、次のように質問を添えると協力的です。
I can’t quite make head or tail of this part. Could you give me an example?
この部分がどうもよく分かりません。例を挙げてもらえますか?
しゅみすけ(大山俊輔)
すぐに出てこないときの簡単な言い換え
このイディオムを思い出せなくても、次の基本英語で十分に伝わります。
- I don’t understand this at all.
これはまったく分かりません。 - This is very confusing.
これはとても分かりにくいです。 - I don’t know what this means.
これが何を意味するのか分かりません。
まとめ
can’t make head or tail of ~ は、「〜が何のことかさっぱり分からない」というイディオムです。頭と尻尾、最初と最後さえ見分けられず、物事の筋道をつかめないイメージを持つと覚えやすくなります。
- 基本形:can’t / couldn’t make head or tail of + 名詞・節
- ニュアンス:全体の入口もつかめないほど混乱している
- heads or tails は主にアメリカ英語で見られる同じ意味の形
- 簡単に言うなら I don’t understand this at all.
ほかの英熟語も意味だけでなく成り立ちから理解したい方は、英熟語・定型表現の一覧も活用してください。









