
cut to the chaseは、「前置きや細かい説明を省いて、本題・要点に入る」という意味の英語イディオムです。仕事の会議だけでなく、友人との相談や交渉でもよく使われます。
ただし、相手にいきなり Cut to the chase. と言うと、「回りくどいから早く要点を言って」という強めの催促にも聞こえます。意味だけでなく、誰が誰に向かって使うかまで押さえるのがポイントです。
Contents
cut to the chaseの意味
| 見方 | 意味 |
|---|---|
| 直訳イメージ | 追跡シーンへ切り替える |
| 実際の意味 | 前置きを省いて本題に入る/要点を言う |
Cambridge Dictionaryでは、重要でないことに時間を使わず、話題の重要な部分を話したり扱ったりする意味とされています。カジュアル寄りの表現ですが、会議や商談でも自然に使えます。
Let’s cut to the chase.
前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。
I’ll cut to the chase. We can’t extend the deadline.
単刀直入に言います。締め切りは延長できません。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「追跡」から「本題に入る」になる?

この表現は映画制作のことばに由来します。ここでの cut は「刃物で切る」ではなく、映像を別の場面へ切り替えること。chase は観客が待っている刺激的な「追跡シーン」です。
長い説明場面を飛ばして見せ場へ切り替えるイメージが、「余計な前置きを省いて重要な部分へ進む」という会話上の意味になりました。
なお、決まった形は cut to the chase です。冠詞の the を落として cut to chase としないようにしましょう。
よく使う形と自然なニュアンス
Let’s cut to the chase.
話し手と聞き手が一緒に本題へ進む言い方です。会議の開始や、前置きが十分に済んだ場面で使いやすい形です。
We only have twenty minutes, so let’s cut to the chase.
20分しかないので、さっそく本題に入りましょう。
I’ll / Let me cut to the chase.
自分が率直な話を始める前の合図です。相手を急かす形ではないため、Cut to the chase. より穏やかです。
Let me cut to the chase: I’d like you to lead the project.
単刀直入に言います。このプロジェクトのリーダーをお願いしたいです。
I’ll cut right to the chase. Are you interested in the position?
すぐ本題に入ります。そのポジションに興味はありますか。
right を入れると、「まっすぐ・すぐに」という感覚が強まります。
Can we cut to the chase?
「そろそろ本題に入りませんか」と提案する形です。質問形でも、声の調子によっては焦りや苛立ちが伝わります。
Can we cut to the chase and talk about the total cost?
そろそろ本題に入って、総費用について話しませんか。
主語+cut / cuts / cut to the chase
cutの過去形・過去分詞もcutです。三人称単数の現在形だけcutsになります。
Maya skipped the small talk and cut to the chase.
マヤは世間話を省いて、すぐ本題に入った。
He always cuts to the chase in team meetings.
彼はチーム会議ではいつも単刀直入に本題へ入ります。
場面別の自然な例文
仕事・交渉
Let’s cut to the chase. What’s your best offer?
本題に入りましょう。そちらの最良の提示額はいくらですか。
The client cut to the chase and asked when the app would be ready.
クライアントはすぐ本題に入り、アプリがいつ完成するか尋ねた。
恋愛・人間関係
I’m going to cut to the chase. Do you still want to be with me?
単刀直入に聞くね。まだ私と一緒にいたい?
She cut to the chase and asked why I had canceled dinner.
彼女は前置きなしに、なぜ私が夕食をキャンセルしたのか尋ねた。
日常会話・買い物
Let me cut to the chase—does this laptop come with a warranty?
さっそく要点を聞きます。このノートパソコンには保証が付きますか。
We can talk about the details later. For now, let’s cut to the chase.
細かい話はあとでできます。今は本題に入りましょう。
似た表現との違い
| 表現 | 中心のニュアンス | 例 |
|---|---|---|
| cut to the chase | 前置きを飛ばし、重要部分へ進む | Let’s cut to the chase. |
| get to the point | 要点を言う/要点へ到達する | Please get to the point. |
| without further ado | これ以上待たせず、予定したものを始める | Without further ado, let’s begin. |
| in a nutshell | 情報を手短に要約する | In a nutshell, we need more time. |
get to the pointは相手に向けると、「要点を言って」と直接的です。cut to the chaseは、話の流れそのものを重要部分へ切り替えるイメージが強くなります。詳しくはto the pointの意味と使い方も参考にしてください。
without further adoは、司会者が紹介を終えて発表・演奏などを始めるときにも使います。詳しくはwithout further adoの解説へ。
反対方向の表現がbeat around the bush(遠回しに話す・本題を避ける)です。両方をセットで覚えると会話の流れがつかみやすくなります。詳しくはbeat around the bushの意味と使い方をご覧ください。
日本人が間違えやすいポイント
- chaseを「追いかける」という動詞だと思わない:この形では名詞で、the chaseです。
- 命令形を多用しない:Cut to the chase. は状況によって「早く言って」ときつく響きます。
- 「結論から言うと」の万能訳にしない:結論を先に示すだけなら The short answer is … や The bottom line is … が合う場面もあります。
- 前置詞はto:cut into the chase や cut at the chase にはしません。
しゅみすけ(大山俊輔)
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
イディオムを思い出せなくても、次の基本英語で十分通じます。
- Let’s talk about the main issue.
主な問題について話しましょう。 - I’ll tell you the important part first.
大事な部分を先に言います。 - Let’s skip the details for now.
今は細かい話を省きましょう。 - I’ll be direct.
率直に言います。
「本題に入る」を場面別に選びたい場合は、「本題に入る」は英語で?もあわせて確認できます。
まとめ
cut to the chaseは、「前置きを省いて本題・要点へ進む」というカジュアルなイディオムです。映画で長い説明を飛ばし、観客が待つ追跡シーンへ映像を切り替えるイメージから理解すると、意味を思い出しやすくなります。
まずは相手を急かしにくい Let me cut to the chase. と、全員で話を進める Let’s cut to the chase. から使ってみましょう。
ほかの表現も学びたい方は、英熟語・定型表現の親記事から探せます。











