
for lack of は、「〜が不足しているため」「〜がないため」という意味です。必要なものが足りず、その結果として計画が止まったり、何かを諦めたりした場面で使います。
The project was canceled for lack of funds. なら、「資金不足のため、その計画は中止された」という意味です。単に不足を述べる a lack of funds と違い、for lack of は不足を原因として、その後ろの結果へつなぐ働きをします。
この記事では、for lack of のニュアンスと語順、よく使う名詞、会話と仕事で使える例文、not for lack of trying、because of a lack of や due to との違いまで解説します。
Contents
for lack ofの基本的な意味
for lack of は、必要な人・物・時間・情報などが十分にないことを、結果の理由として示す前置詞句です。
for lack of + 名詞
=「〜が不足しているため」「〜がないため」
- for lack of money:お金がないため
- for lack of time:時間不足のため
- for lack of evidence:証拠不足のため
- for lack of interest:関心が集まらないため
- for lack of a better word:ほかに適切な言葉がないので
「足りなかったせいで、望ましくない結果になった」という文脈でよく使われます。やや簡潔で書き言葉寄りですが、日常会話でも決して不自然ではありません。
しゅみすけ(大山俊輔)
for・lack・ofから意味を理解する
lack は「不足」「欠如」という名詞です。lack of time なら「時間の不足」、lack of sleep なら「睡眠不足」を表します。
そこへ理由を示す for が付いた for lack of は、「〜の不足を理由として」という形になります。ここでの for は、for this reason(この理由で)の for に近い感覚です。
- The plan failed for lack of support.
支援が足りなかったため、計画は失敗しました。 - She gave up the trip for lack of money.
お金がなかったため、彼女は旅行を諦めました。
「支援不足」「お金不足」という原因から、失敗・断念という結果へ進んでいます。この原因 → 結果が for lack of の中心です。
for lack ofの語順|後ろには名詞を置く
基本語順は次の2つです。
結果 + for lack of + 名詞
For lack of + 名詞, + 結果
- The event was postponed for lack of staff.
人手不足のため、イベントは延期されました。 - For lack of staff, the event was postponed.
人手不足のため、イベントは延期されました。
文末に置く形が自然でよく使われます。原因を先に強調したいときは文頭にも置けます。その場合は、名詞句の後ろにカンマを置くと読みやすくなります。
of の後ろには原則として名詞・名詞句を置きます。動詞をそのまま続けて for lack of know とすることはできません。「知識不足」なら for lack of knowledge、「情報が足りない」なら for lack of information とします。
代表例を図で整理

for lack of funds:資金不足のため
- The research was suspended for lack of funds.
資金不足のため、その研究は中断されました。 - They had to abandon the idea for lack of funding.
資金が足りず、彼らはその案を断念しなければなりませんでした。
funds は、事業・組織・計画に使える資金を表す複数形です。個人のお金なら money、活動のための資金提供なら funding も自然です。
for lack of time:時間不足のため
- We skipped the final topic for lack of time.
時間が足りなかったため、最後の議題を省きました。 - For lack of time, I’ll explain only the main points.
時間がないので、要点だけ説明します。
会話では because we didn’t have enough time のほうが柔らかく自然な場合もあります。for lack of time は、報告や説明を簡潔にまとめたい場面に向いています。
for lack of evidence:証拠不足のため
- The case was dismissed for lack of evidence.
証拠不足のため、その訴えは棄却されました。 - The police released him for lack of evidence.
証拠が足りなかったため、警察は彼を釈放しました。
法律、調査、報道などでは、for lack of evidence や for lack of proof がよく使われます。
日常会話・仕事・学校で使える例文
日常生活
- I cooked pasta for lack of anything else in the fridge.
冷蔵庫にほかの物がなかったので、パスタを作りました。 - We stayed home for lack of a better plan.
ほかによい案がなかったので、家にいました。 - The plants died for lack of water.
水不足で植物が枯れました。
仕事
- The launch was delayed for lack of reliable data.
信頼できるデータが不足していたため、発売は延期されました。 - The proposal was rejected for lack of detail.
詳しい説明が足りなかったため、その提案は却下されました。 - We couldn’t expand the team for lack of qualified applicants.
適任の応募者が不足していたため、チームを拡大できませんでした。
学校・学習
- His essay was difficult to follow for lack of clear examples.
明確な例が足りず、彼の作文は分かりにくいものでした。 - The club was closed for lack of members.
部員不足のため、そのクラブは廃止されました。
恋愛・人間関係
- The relationship ended for lack of communication.
コミュニケーション不足で、その関係は終わりました。 - It wasn’t for lack of love; we simply wanted different things.
愛情がなかったからではなく、私たちが望むものが違っただけです。
not for lack of tryingの意味
not for lack of trying は、「努力しなかったからではない」「精いっぱいやったけれど」という定型表現です。結果は出なかったものの、努力不足が原因ではないことを強調します。
- I didn’t get the job, but not for lack of trying.
その仕事には就けませんでしたが、努力しなかったわけではありません。 - We couldn’t fix the machine, and it wasn’t for lack of trying.
機械を直せませんでしたが、やれるだけのことはやりました。 - She hasn’t found an apartment yet—not for lack of trying.
彼女はまだ部屋を見つけていませんが、探していないわけではありません。
文末に独立して加える形がよく使われます。直訳の「試みの不足ではない」より、「努力はした」「やれるだけやった」と捉えると自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
lack ofとfor lack ofの違い
lack of + 名詞 は「〜の不足」という名詞句です。一方、for lack of + 名詞 は「〜が不足しているため」という理由を表します。
- A lack of sleep affects my concentration.
睡眠不足は集中力に影響します。 - I made a mistake for lack of sleep.
睡眠不足のため、私はミスをしました。
最初の文では lack が文の主語です。2つ目の文では for lack of sleep が「なぜミスをしたのか」を説明しています。
because of a lack ofとの違い
because of a lack of も「〜の不足のため」という意味で、多くの場合 for lack of と言い換えられます。
- The game was canceled for lack of players.
- The game was canceled because of a lack of players.
どちらも「選手不足で試合が中止された」です。for lack of は短く引き締まった印象で、ニュース、報告、説明文に向いています。because of a lack of は長いものの、原因を明示するため会話でも理解しやすい表現です。
due to・becauseとの違い
due to と because of は、良い理由にも悪い理由にも使える一般的な原因表現です。for lack of は「何かが不足・欠如している」という理由に限定されます。
- The flight was delayed due to bad weather.
悪天候のため、便が遅れました。 - The flight was canceled for lack of passengers.
乗客不足のため、便が欠航しました。
悪天候は「不足」ではないので、for lack of bad weather とは言えません。due to の詳しい語順は、due toとbecause ofの違いで確認できます。
for want ofとの違い
for want of も「〜がないため」という意味ですが、for lack of より古風・文学的です。ことわざや格式のある文章で見かけることがあります。
- The plan failed for want of support.
支援がなかったため、計画は失敗しました。 - The plan failed for lack of support.
支援不足のため、計画は失敗しました。
現代の一般的な文章では for lack of のほうが使いやすいでしょう。
日本人が間違えやすいポイント
lackの前にaを入れない
for lack of time が定型です。for a lack of time ではなく、a を入れずに使うのが基本です。a を使うなら because of a lack of time とします。
「不足している」をlack ofだけで述べない
We lack of time. は誤りです。lack を動詞として使うなら of は不要です。
- We lack time.
私たちには時間が足りません。 - We have a lack of time.
私たちは時間不足です。 - We changed the plan for lack of time.
時間不足のため、計画を変更しました。
どんな理由にも使えるわけではない
for lack of は、不足や欠如が原因のときだけ使います。「雨のため」「病気のため」なら because of rain、because of illness などが自然です。
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
for lack of が出てこなければ、because there wasn’t enough … や because we didn’t have enough … を使えば十分伝わります。
- for lack of money
because we didn’t have enough money
十分なお金がなかったので - for lack of time
because there wasn’t enough time
十分な時間がなかったので - for lack of staff
because we didn’t have enough people
十分な人がいなかったので - for lack of evidence
because there wasn’t enough evidence
十分な証拠がなかったので
たとえば We canceled the event because we didn’t have enough people. と言えば、難しい表現を使わなくても「人手不足でイベントを中止した」と明確に伝えられます。
まとめ
for lack of は「〜が不足しているため」「〜がないため」という意味で、不足という原因から結果へつなぐ前置詞句です。基本語順は for lack of + 名詞。funds、time、evidence、support、interest、staff などとよく使います。
not for lack of trying は「努力しなかったからではない」という重要な定型表現です。会話で for lack of が出てこなければ、because we didn’t have enough … と簡単に言い換えましょう。
ほかの表現も体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧をご覧ください。









