
make way forは、文字どおりには「~のために道を空ける」、そこから「~に場所や役割を譲る」「~に取って代わられる」という意味で使われる表現です。
駅や廊下で人を通す場面だけでなく、古い制度が新しい制度へ変わるとき、夏が秋へ移り変わるとき、新しい建物を造るために古い建物を取り壊すときなどにも使えます。
この記事では、make way forの意味がなぜ一見異なる2つの日本語訳につながるのか、自然な使い方、give way to・make room for・replaceとの違いまで例文とともに解説します。
Contents
make way forの基本的な意味
make way forには、大きく分けて次の2つの用法があります。
- 人や物が通れるように道を空ける
- 古いものが退き、新しいものに場所・役割を譲る
どちらにも共通するのは、「今そこにあるものが動いて、別の人・物・変化が進める空間を作る」という感覚です。
Please make way for passengers getting off the train.
電車を降りるお客様のために道を空けてください。
The old market was demolished to make way for a new apartment building.
新しいマンションを建てるため、古い市場は取り壊されました。
2つ目の例文では、本物の「道」を作るとは限りません。古い市場があった場所を空けることで、新しい建物が登場できるようになっています。
make・way・forからニュアンスを理解しよう
この表現を丸暗記せず、3つの部品に分けてみましょう。
- make:ある状態・結果を作る
- way:道、進むための空間
- for:その道を受け取る人・物を示す
つまり、make way for Aは「Aが進める道・余地を作る」という組み立てです。
makeには、物を製造するだけでなく「ある状態を生み出す」という働きがあります。詳しくは、be-rize.comのmakeの意味とコアイメージも参考にしてください。
なお、ここでのwayは「方法」ではありません。道路そのものに限らず、人が通れる空間や、新しいものが登場できる余地を表しています。
しゅみすけ(大山俊輔)
「道を空ける」のmake way for
人混み、駅、廊下、救急車の通り道など、誰かが通れるように人がよける場面で使います。
Everyone stepped aside to make way for the ambulance.
救急車のために、みんなが脇へよけました。
Could you make way for this woman with a stroller?
ベビーカーを押しているこの女性のために、道を空けてもらえますか。
The crowd made way for the bride and groom.
人々は新郎新婦のために道を空けました。
Make way, please.
道を空けてください。
Make way!だけでも使えますが、命令形なので状況によっては強く聞こえます。日常的に丁寧に頼むなら、Could you make way, please?やExcuse me, could I get through?のほうが柔らかい言い方です。
「新しいものに道を譲る」のmake way for
ニュース、ビジネス、歴史、季節の変化では、古いものが消えたり重要性を失ったりして、新しいものが登場するという比喩的な意味でよく使われます。
Paper tickets are gradually making way for mobile passes.
紙の切符は、次第にモバイルパスへと取って代わられつつあります。
Several small offices were removed to make way for a larger meeting area.
より広い会議スペースを作るため、いくつかの小さなオフィスが撤去されました。
The rainy season will soon make way for the heat of summer.
梅雨が終わり、まもなく夏の暑さがやってきます。
She left the management role to make way for a younger leader.
彼女は若いリーダーに道を譲るため、管理職を退きました。
日本語訳は文脈に応じて「道を譲る」「場所を空ける」「取って代わられる」「~のために撤去される」「~へ移り変わる」などと変わります。ただし、英語側のイメージは同じです。

よく使う文型と時制
make way for+人・物
We moved our chairs to make way for the delivery team.
配達チームが通れるように、私たちは椅子を動かしました。
forの後ろには、道や余地を与えられる人・物を置きます。
A make(s) way for B
Traditional routines are making way for more flexible work styles.
従来の働き方は、より柔軟な働き方へと変わりつつあります。
Aが退き、Bが登場する構図です。変化の途中ならbe making way for、完了した過去の変化ならmade way forが自然です。
to make way for+名詞
We cleared the spare room to make way for the baby.
赤ちゃんを迎えるため、空き部屋を片付けました。
「~のために場所を空ける」という目的を表す形です。建設や改装の記事でもよく見かけます。
場面別の自然な例文
日常・旅行
Let’s move our bags and make way for other passengers.
荷物を動かして、ほかの乗客が通れるようにしよう。
The people near the door made way for us.
ドアの近くにいた人たちが、私たちのために道を空けてくれました。
仕事
We simplified the approval process to make way for faster decisions.
より迅速に判断できるよう、承認手続きを簡略化しました。
The company is retiring its old software to make way for a cloud-based system.
その会社はクラウド型システムを導入するため、古いソフトウェアを廃止しようとしています。
恋愛・人間関係
I had to let go of the past to make way for a healthier relationship.
より健全な関係を築くために、私は過去を手放す必要がありました。
Sometimes we need to make way for each other’s dreams.
ときには、お互いの夢のために道を譲ることも必要です。
家庭・暮らし
We sold the large table to make way for a play area for the kids.
子どもたちの遊び場を作るため、大きなテーブルを売りました。
Winter clothes are making way for lighter spring outfits.
冬服から軽い春服へと衣替えが進んでいます。
make way forと似た表現の違い
make room for:場所・時間・心の余裕を作る
make room forは、物理的なスペースだけでなく、予定、食事、お金、感情などの「余裕・容量」を作るときに広く使えます。
Can you make room for one more person?
もう一人分、場所を空けてもらえますか。
make way forは「進む道を空ける」「今あるものが退いて次へ譲る」という動きが目立ちます。make room forは「収まるスペースを確保する」ことが中心です。
give way to:譲る・負けて移り変わる
give way toにも「~に道を譲る」「~へ変わる」という意味があります。
Her nervousness soon gave way to excitement.
彼女の緊張は、やがて興奮へと変わりました。
give way toは、感情や状態Aが弱まりBへ変化する場面にも自然です。make way forは、Bが登場できるようにAが場所や役割を空けるイメージがよりはっきりしています。
step aside:本人が脇へよける・役職を退く
The director decided to step aside.
取締役は退任することを決めました。
step asideは、主語となる人が自ら脇へよけたり立場を退いたりする動作です。誰のために譲るのかを加えるなら、step aside for a new leaderのように言えます。
replace:AをBに置き換える
The company replaced the old system with a new one.
会社は古いシステムを新しいものに置き換えました。
replaceは置き換えという事実を直接伝えます。make way forは、古いものが退くことで新しいものが入ってくるという流れを描写します。
日本人が間違えやすいポイント
wayの前にaを付けない
この熟語ではmake a way forではなく、通常はmake way forです。
make a wayという形が文脈によって成立する場合はありますが、「道を空ける」という定型表現では冠詞なしのmake wayをひとかたまりで覚えましょう。
forの後ろには名詞を置く
make way for a new systemのように、forの後ろには人・物・出来事を置きます。動詞を続けたい場合は、その動作を名詞化します。
We changed the layout to make way for working from home.
在宅勤務に対応できるよう、レイアウトを変更しました。
「道に迷う」の意味ではない
wayが入っていても、make way forは「道を作りながら進む」「道に迷う」ではありません。「進路を空ける」が基本です。
「~へ向かう」なら、make one’s wayを使います。形が似ているので区別しましょう。
簡単な英語で言い換えるなら?
make way forがすぐに出てこなくても、場面に合わせて次のように言えます。
- Please move.(動いてください)
- Please let them pass.(彼らを通してください)
- We need space for the new machine.(新しい機械を置く場所が必要です)
- The old system will be replaced by a new one.(古いシステムは新しいものに置き換えられます)
- The old building was removed so they could build a new one.(新しい建物を建てられるよう、古い建物は撤去されました)
しゅみすけ(大山俊輔)
関連する英熟語・表現
- make one’s way:~へ向かう、進んでいく
- make up one’s mind:考えた末に決心する
- make up for:不足・損失を埋め合わせる
- make the most of:~を最大限に活かす
- make for:~へ向かう、~を生み出す
ほかの表現も確認したい方は、英熟語・定型表現の記事一覧も活用してください。
まとめ
make way forの基本イメージは、「人や物が退いて、別の人・物が進める道や余地を作る」ことです。
- 物理的に「~のために道を空ける」
- 古いものが「~に場所・役割を譲る」
- 変化の文脈では「~に取って代わられる」「~へ移り変わる」
- make room forは「収まる余裕」、make way forは「進める道・次への交代」が中心
People made way for the ambulance.のような目に見える場面から覚えると、Old technology is making way for new solutions.という比喩的な用法も自然につながります。









