
Once bitten, twice shy. は、直訳すると「一度かまれると、二度目は臆病になる」。そこから、「一度痛い目に遭うと、次は慎重になる」という意味で使われる英語のことわざです。
失敗した買い物、恋愛での傷ついた経験、仕事上のトラブルなど、同じ失敗を繰り返したくない気持ちを表せます。この記事では、なぜこの意味になるのか、省略された文の仕組み、shy のニュアンス、自然な使い方、日本語の「羹に懲りて膾を吹く」との違いまで解説します。
Contents
once bitten, twice shyの意味
Once bitten, twice shy. は、悪い経験を一度した人が、同じような状況に再び直面したとき、以前より警戒し慎重になることを表します。
- 一度失敗したので、次は用心する
- 一度傷ついたので、同じことをためらう
- 以前だまされたので、今回は簡単に信用しない
日本語では「一度痛い目に遭うと、次は慎重になる」「前に失敗したから、今度は用心している」などと訳すと自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「一度かまれると二度目は臆病」になる?
動物などに一度かまれた人は、次に似た状況に出会うと、同じ被害を避けるため以前より警戒します。
この「最初の痛い経験が、次の行動を慎重にする」という流れを、買い物・恋愛・仕事・人間関係などへ広げたのがこのことわざです。

twice は、単純に「2回」という回数だけを表しているのではありません。「一度経験した後は、以前よりずっと警戒する」という対比を作っています。
省略された文の仕組み
Once bitten, twice shy. は、ことわざらしく短く整えられた省略表現です。意味を補うと、次のように考えられます。
Once you have been bitten, you are twice shy.
一度かまれた経験があると、次はずっと用心深くなる。
- once bitten:一度かまれたら・一度痛い目に遭ったら
- twice shy:次は以前より用心深くなる
bitten は bite の過去分詞です。受け身の have been bitten が短くなった形と考えると理解しやすいでしょう。
カンマは必要?大文字・小文字は?
標準的な書き方は Once bitten, twice shy. で、前半と後半の間にカンマを置きます。文の途中で引用する場合は、小文字で once bitten, twice shy と書けます。
It’s a case of once bitten, twice shy.
まさに、一度痛い目に遭って次は慎重になっている状態です。
会話ではカンマは見えませんが、Once bitten / twice shy の間に軽い間を置くと、ことわざらしいリズムになります。
会話ではどう使う?
このことわざは、相手または自分が慎重になっている理由を、過去の悪い経験と結びつけるときに使います。
単独でコメントする
A: Mia checks every online review now.
A:ミアは今、ネットの口コミを全部確認するんだ。
B: Her last purchase was a disaster. Once bitten, twice shy.
B:前回の買い物が最悪だったからね。一度痛い目に遭うと、次は慎重になるものだよ。
理由を先に説明してから使う
I lost money on a similar deal before, so I’m checking every detail this time. Once bitten, twice shy.
以前、似た取引で損をしたので、今回はすべての詳細を確認しています。一度失敗すると、次は慎重になるものです。
It’s a case of …で状況を説明する
He won’t lend money to friends anymore. It’s a case of once bitten, twice shy.
彼はもう友人にお金を貸しません。一度嫌な経験をして慎重になっているのです。
自然な例文
買い物
I bought a cheap suitcase once and it broke on the first trip. Once bitten, twice shy—I always check the wheels now.
以前、安いスーツケースを買ったら最初の旅行で壊れました。一度痛い目に遭ったので、今は必ず車輪を確認します。
恋愛・人間関係
After a difficult breakup, she’s cautious about starting another relationship. Once bitten, twice shy.
つらい別れを経験したので、彼女は次の恋愛を始めることに慎重です。一度傷つくと、次はためらうものです。
仕事
Our last supplier missed every deadline, so we asked for references this time. Once bitten, twice shy.
前の仕入れ先がすべての締め切りを守らなかったので、今回は実績の照会先を求めました。一度失敗すると、次は慎重になります。
旅行
I missed my flight last year. Once bitten, twice shy—I arrived at the airport three hours early today.
昨年、飛行機に乗り遅れました。一度失敗したので、今日は空港に3時間前に着きました。
家庭・暮らし
After the basement flooded, we never ignore a weather warning. Once bitten, twice shy.
地下室が浸水して以来、私たちは天気の警報を決して無視しません。一度経験すると、次は用心するものです。
慎重さを肯定する?臆病さをからかう?
この表現は、慎重になる気持ちを「当然だ」と理解して使うことが多い一方、文脈や声の調子によっては「少し警戒しすぎている」と軽くからかう響きも出ます。
深刻な被害やトラウマについて、本人の気持ちを軽く扱うように使うのは避けましょう。日常的な失敗や比較的軽い経験について使うほうが安全です。
「羹に懲りて膾を吹く」との違い
日本語の「羹に懲りて膾を吹く」は、熱い吸い物でやけどした人が、冷たい膾まで吹いて冷まそうとすることから、一度の失敗に懲りて、必要以上に用心することを表します。
Once bitten, twice shy. も意味は近いですが、必ずしも「用心しすぎ」という批判を含みません。悪い経験の後に慎重になるという、より広い状況で使えます。
似た表現との違い
learn your lesson
learn your lesson は、失敗や注意から「教訓を得る」ことです。
I learned my lesson and backed up the files this time.
教訓を得て、今回はファイルをバックアップしました。
Once bitten, twice shy. は、教訓そのものよりも、その後に警戒・ためらいが生まれたことに焦点があります。
better safe than sorry
Better safe than sorry. は「後悔するより、安全を優先したほうがよい」。過去に悪い経験をしていなくても、予防的に慎重になるときに使えます。
be wary of
be wary of … は「……を警戒する」という通常の表現です。ことわざではなく、何を警戒しているのかを具体的に続けられます。
I’m wary of offers that sound too good to be true.
うますぎる話には警戒しています。
once burned, twice shy
once burned, twice shy という変形も見かけます。bitten を burned に替えていますが、最も広く知られた定型は once bitten, twice shy です。
日本人が間違えやすいポイント
shyを「人見知り」とだけ考えない
ここでの shy は、人前で恥ずかしがる性格ではありません。以前の経験のため、同じことを避けたりためらったりする状態です。
bittenをbitにしない
定型は過去分詞の bitten です。Once bit, twice shy. とは通常いいません。
twiceをtwo timesに替えない
once と twice の短い対比がことわざのリズムを作っています。Once bitten, two times shy. にはしません。
すべての慎重な行動に使わない
このことわざには、今の慎重さを生んだ過去の悪い経験が必要です。単に性格が慎重な人なら、She is careful. や She takes her time. が自然です。
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
ことわざを覚えていなくても、過去と現在を2文でつなげれば意味は伝わります。
- I had a bad experience before, so I’m careful now.
以前に嫌な経験をしたので、今は慎重です。 - It failed last time, so I want to check first.
前回失敗したので、先に確認したいです。 - I don’t want to make the same mistake again.
同じ失敗を繰り返したくありません。 - She was hurt before, so she is cautious now.
彼女は以前傷ついたので、今は慎重です。
しゅみすけ(大山俊輔)
まとめ
Once bitten, twice shy. は、「一度かまれると二度目は臆病になる」という直訳から、一度痛い目に遭うと、次は慎重になることを表す英語のことわざです。
- bitten は bite の過去分詞
- shy は「人見知り」ではなく「警戒してためらう」
- 標準的な表記は Once bitten, twice shy.
- 買い物・恋愛・仕事・旅行など幅広く使える
- 迷ったら「悪い経験があったので、今は慎重」と簡単な英語で説明できる
ほかの英熟語やことわざも直訳と実際のニュアンスから理解したい方は、英熟語・定型表現のまとめもあわせてご覧ください。











