
相手の話を聞いていて、「その話で思い出したけど……」と関連する情報を付け加えたくなることがあります。そんなときに使えるのが、Speaking of which, … です。
日本語では「そういえば」「その話で思い出したけど」「それに関連して」などと訳せます。ただし、単なる話題転換ではありません。直前に出た話を足場にして、そこから自然に次の話へ橋を架ける表現です。
この記事では、which が何を指しているのか、Speaking of + 名詞 や By the way との違い、仕事・日常会話での自然な使い方まで解説します。
Contents
Speaking of whichの意味
Speaking of which, … の代表的な意味は次のとおりです。
- その話で思い出したけど
- それに関連して
- そういえば、その件だけど
- 今の話にちなんで言うと
I saw Maya yesterday. Speaking of which, have you replied to her message?
昨日マヤに会ったよ。その話で思い出したけど、彼女のメッセージに返信した?
最初の文に Maya が登場し、次の文もMayaに関係しています。まったく別の話へ飛ぶのではなく、直前の話とのつながりがあります。
しゅみすけ(大山俊輔)
whichは何を指している?
which は通常、「どれ」「どちら」という疑問詞や、名詞を説明する関係代名詞として習います。しかし Speaking of which では、直前に出た人・物・出来事・話題全体をまとめて受けています。
たとえば、次の会話を見てください。
A: Ken is moving to Osaka next month.
ケンは来月大阪へ引っ越すんだって。
B: Speaking of which, we should plan a farewell party.
その話で思い出したけど、送別会を計画したほうがいいね。
ここでの which は、単に Osaka だけを指すのではなく、ケンが来月大阪へ引っ越すという話を受けています。
会話の中で果たす3つの役割
1.直前の話から関連情報を付け加える
The new café opens tomorrow. Speaking of which, do you want to go there for lunch?
新しいカフェは明日オープンします。その話に関連して、ランチに行きませんか?
2.思い出した用件を差し込む
I talked to our designer this morning. Speaking of which, she needs the final logo by Friday.
今朝デザイナーと話しました。その件で思い出しましたが、彼女は金曜日までに最終ロゴを必要としています。
3.相手の発言を受けて質問する
A: I’m taking a few days off next week.
来週、数日休みを取るんです。
B: Speaking of which, have you booked your hotel yet?
その話で思い出したけど、もうホテルは予約した?
ニュアンスを4つの軸で見る
- 会話上の役割:直前の話を受け、関連する話題・質問・用件へつなぐ
- 対人距離:親しい会話〜通常の仕事会話
- 発言の強さ:弱め。自然で協調的
- 使用場面:日常会話、雑談、会議、チャット、比較的くだけたメール
非常に改まった報告書や契約文書では会話的すぎますが、会議や同僚とのメールなら自然に使えます。
Speaking of whichは文頭で使う
通常は、関連する新しい文の文頭に置き、後ろにカンマを置きます。
Speaking of which, did you call the client?
その件で思い出したけど、クライアントに電話しましたか?
単独で Speaking of which… と言い、少し間を置いてから本題を続けることもあります。話し手が何かを思い出した感じが出ます。
Speaking of whichの自然な会話例
友人との会話
A: Emi got a new puppy.
エミ、新しい子犬を飼い始めたんだって。
B: Speaking of which, how is your dog doing?
その話で思い出したけど、あなたの犬は元気?
職場の会話
A: The presentation went well.
プレゼンはうまくいきました。
B: That’s great. Speaking of which, could you send me the final slides?
よかったですね。その件ですが、最終版のスライドを送ってもらえますか?
恋愛・夫婦の会話
A: My parents are coming to Tokyo next month.
来月、両親が東京に来るんだ。
B: Speaking of which, should we make a dinner reservation?
その話に関連して、夕食を予約しておいたほうがいいかな?
似た表現との違い

Speaking of which:直前の話全体を受ける
すでに共有された話を which で受け、その話に関連する内容へ進みます。直前の文脈がなければ使えません。
Speaking of + 名詞:話題を名詞で示す
Speaking of + 名詞 は、何について話すのかを名詞で明示します。
Speaking of travel, have you decided where to go this summer?
旅行といえば、この夏どこへ行くか決めた?
Speaking of which では名詞を繰り返さず、直前の話を which でまとめて受けます。
By the way:別の話題へ切り替える
By the way は「ところで」と別の話題へ切り替える表現です。前の話との関連は必須ではありません。
That reminds me:記憶が呼び起こされたことを強調
That reminds me は「それで思い出した」と、記憶がよみがえった感覚をより直接的に表します。Speaking of which は、思い出したかどうかよりも会話上のつながりに焦点があります。
しゅみすけ(大山俊輔)
使うと不自然になる場面
前の話と無関係なとき
× I bought a new laptop. Speaking of which, it’s raining today.
ノートパソコンと雨に特別な関連がなければ不自然です。この場合は By the way, it’s raining today. のほうが自然です。
whichの内容が曖昧なとき
直前に複数の話題が出ていると、which が何を受けているのか分かりにくくなります。その場合は Speaking of the meeting, … のように名詞を明示しましょう。
この表現が出てこなければ?しゅみすけ式の簡単な言い換え
Speaking of which を知らなくても、前の話との関係を簡単な英語で示せます。
- That makes me think of something.
それでひとつ思い出しました。 - About that, I have a question.
そのことについて、質問があります。 - There is one more thing about that.
それについて、もうひとつあります。 - That reminds me.
それで思い出しました。
最も使いやすいのは About that, … です。少しシンプルですが、About that, can I ask you something? のように言えば十分に意図が伝わります。
まとめ
Speaking of which, … は、直前の話を受けて「その話で思い出したけど」「それに関連して」と次の内容へつなぐ表現です。
- which は直前の人・物・出来事・話全体を受ける
- 前の話と次の話の間に関連が必要
- Speaking of + 名詞 は話題を名詞で明示する
- By the way は関連のない別の話題にも使える
- 出てこなければ About that, … でも伝えられる
会話は、話題を変えるだけでなく、前の話を利用して次の話へ自然につなぐことで滑らかになります。Speaking of which を「直前の話を渡る橋」として覚えておきましょう。











