
pull onは、セーター、ズボン、靴、手袋などを「引っ張るようにして身につける」という意味です。
日本語では普通に「着る・履く」と訳せますが、put onよりも、布や靴を体に沿って引き上げたり、頭から引き下ろしたりする動きが感じられます。急いで身支度をする場面でもよく合います。
また、pull it onとpull on itでは語順だけでなく意味まで変わることがあります。この記事では、自然な例文とともに、ネイティブが感じる動きや似た表現との違いを整理します。
Contents
pull onの基本的な意味
衣服や履物について使うpull onは、次のような意味です。
- 服を引っ張りながら着る
- 靴やブーツを引き上げるように履く
- 手袋や靴下を手・足へ引きつけて身につける
- 手早く、やや無造作に身につける
I pulled on a sweater.
私はセーターをさっと着ました。
She pulled on her boots and went outside.
彼女はブーツをさっと履いて外へ出ました。
この表現は「引っ張る」という物理的な動きが自然に伴う物に向いています。帽子、手袋、靴下、Tシャツ、ジーンズなどには使えますが、ネックレスや腕時計のように通常は引っ張らない物にはあまり使いません。
なぜpull onで「着る・履く」になる?
pullは「引く」、onは「接触している・身についた状態」を表します。
つまり、衣服や靴を引っ張って、体に接触したonの状態へ持っていくのがpull onです。
- セーターを頭から下へ引く → 着た状態になる
- ブーツを足に沿って上へ引く → 履いた状態になる
- 手袋を指先まで引く → はめた状態になる
しゅみすけ(大山俊輔)

服を「引っ張って着る」pull on
頭からかぶる服や、腕・脚を通して引っ張る服によく使います。動作を手早く描写できるので、朝の身支度や外出前の場面に自然です。
I pulled on a hoodie before taking the dog out.
犬の散歩へ行く前に、パーカーをさっと着ました。
It was chilly, so I pulled on another sweater.
肌寒かったので、もう一枚セーターを着ました。
She pulled her jeans on and rushed downstairs.
彼女はジーンズを急いで履き、階下へ駆け下りました。
He pulled on a clean T-shirt after his shower.
彼はシャワーのあと、きれいなTシャツを着ました。
Just pull this jacket on. We’re already late.
とにかくこのジャケットを着て。もう遅れているよ。
靴・ブーツ・靴下を「引っ張って履く」
足へ入れてから引き上げるブーツ、靴下、タイツなどにもぴったりです。
Pull on your boots. The ground is muddy.
ブーツを履いて。地面がぬかるんでいます。
I pulled on a pair of thick socks.
私は厚手の靴下を一足履きました。
She sat by the door and pulled her shoes on.
彼女は玄関脇に座って靴を履きました。
The children pulled on their rain boots and ran outside.
子どもたちはレインブーツを履いて外へ走っていきました。
手袋・帽子などを身につける
手袋を指先まで引いてはめたり、帽子を頭へぐっとかぶったりする動きも表せます。
He pulled on his gloves before touching the cold metal.
彼は冷たい金属に触れる前に手袋をはめました。
She pulled a woolly hat on over her ears.
彼女は耳まで覆うように毛糸の帽子をかぶりました。
Pull your gloves on properly.
手袋をきちんとはめてください。
pull onの語順:分離できる句動詞
「身につける」のpull onは、目的語の位置を変えられる分離可能な句動詞です。
目的語が名詞の場合
名詞なら、次のどちらも使えます。
- pull on a sweater
- pull a sweater on
前者は表現全体をひとまとまりとして使う形、後者は「セーターを身についた状態にする」という結果が少し見えやすい形です。実際の会話ではどちらも自然です。
目的語が代名詞の場合
it、themなどの短い代名詞は、pullとonの間に置きます。
- Pull it on.:それを着て
- Pull them on.:それらを履いて/身につけて
Pull on it.:「それを着る」の意味には通常ならない
最後のpull on itは英語として間違いとは限りません。ただし、衣服を「着る」ではなく、それをぐいっと引っ張るという別の意味に解釈されます。
pull it onとpull on itの違い
ここは特に重要です。
- Pull it on.=それを引っ張って身につけなさい
- Pull on it.=それを引っ張りなさい
onが句動詞のパーティクルなら、代名詞itは間に入ります。ところが「〜を引っ張る」のpull on+物では、onは対象を導く働きをし、itは後ろに残ります。
I pulled it on and looked in the mirror.
私はそれを着て鏡を見ました。
The door was stuck, so I pulled on it harder.
ドアが動かなかったので、もっと強く引っ張りました。
語順を聞けば、ネイティブは「身につける」なのか「物を引っ張る」なのかを判断できます。
put onとの違い
put onは「身につける」という最も一般的で中立的な表現です。物理的な動きはあまり強調しません。
pull onは、服や靴を引っ張って体へ装着する動きを描写します。「さっと着る」「急いで履く」という感じが出ることもあります。
| 表現 | 中心となる感覚 | 例 |
|---|---|---|
| put on | 一般的に身につける | Put on your coat. |
| pull on | 引っ張る動作を伴って着る | Pull on your boots. |
迷ったときはput onを使えば問題ありません。pull onは、動きをもう少し生き生きと伝えたいときの選択肢です。
wearとの違い
wearは「着ている・身につけている」という状態です。pull onとput onは、身につける動作を表します。
- I pulled on my coat.:コートを引っ張るように着た
- I put on my coat.:コートを着た
- I’m wearing my coat.:コートを着ている
I wore my coat.だけでは、文脈によって「コートを着ていた」という状態になり、「今から着た」の意味にはなりません。
slip on・throw onとの違い
slip on
slip onは、するっと簡単に身につける表現です。靴、上着、ワンピースなどを抵抗なく身につける軽い動きを感じます。
She slipped on her flats.
彼女はフラットシューズをさっと履きました。
throw on
throw onは、選んだり整えたりする時間をかけず、服を急いで無造作に着る口語表現です。
I threw on a T-shirt and answered the door.
Tシャツを急いで着て、玄関に出ました。
pull onは「引っ張る動き」、slip onは「するっと」、throw onは「無造作に急いで」という違いです。
pull-onが形容詞になる場合
ハイフンを入れたpull-onは、「引っ張って簡単に着脱できる」という形容詞として商品説明で使われます。
- pull-on pants:はいて引き上げるタイプのズボン
- pull-on boots:ひもやファスナーを使わず引っ張って履くブーツ
- a pull-on skirt:ウエストを引き上げて履くスカート
These pull-on pants have an elastic waist.
このプルオンパンツはウエストがゴムです。
日本人が間違えやすいポイント
何を身につける場合にも使えるわけではない
ネックレスやイヤリング、眼鏡などは通常、引っ張って身につけないため、pull onよりput onを使います。
- put on a necklace
- put on earrings
- put on glasses
すでに着ている状態にはwearを使う
「今日は黒いセーターを着ています」なら、I’m wearing a black sweater today.です。pull onは着る瞬間の動作です。
pull on itを「それを着て」としない
衣服を代名詞で受けるならpull it onです。pull on itは「それを引っ張る」という別の構造になります。
しゅみすけ(大山俊輔)
簡単な英語で言い換えるなら
| pull onを使う文 | 簡単な言い換え |
|---|---|
| I pulled on a sweater. | I put on a sweater. |
| Pull on your boots. | Put on your boots. |
| She pulled on her gloves. | She put on her gloves. |
| He pulled on some jeans. | He put on some jeans. |
会話で使える短い例文
A: It’s freezing outside.
A:外は凍えるほど寒いよ。
B: I’ll pull on another sweater.
B:もう一枚セーターを着るね。
A: Are you ready?
A:準備できた?
B: Almost. I’m just pulling my boots on.
B:もう少し。今ブーツを履いているところ。
A: Can I wear this hoodie?
A:このパーカーを着てもいい?
B: Sure. Pull it on.
B:もちろん。着てみて。
関連表現
より一般的な「身につける」の多様な用法は、put onの意味と使い分けで詳しく解説しています。おしゃれをする・仮装するという意味ならdress up、暖かい服をしっかり着るならwrap upも確認してみてください。
まとめ
pull onは、服、靴、手袋などを引っ張って身につける動作を表します。一般的なput onよりも、布や履物を体へ引きつける動きが目に浮かぶ表現です。
名詞ならpull on a sweater / pull a sweater onの両方が使えます。代名詞ならpull it onと間に置きます。pull on itにすると「それを引っ張る」という別の意味になる点も覚えておきましょう。
ほかの句動詞も基本動詞とパーティクルのイメージから学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめもご覧ください。
pullを使うほかの表現もまとめて確認したい方は、pullを使った句動詞一覧をご覧ください。









