
「仕事は、お金を得るためだけのものなのか」。そう問い直したくなったとき、アニータ・ロディック(Anita Roddick)の言葉は、背筋をすっと伸ばしてくれます。
1976年、英国ブライトンの小さな店からザ・ボディショップを始めたロディック。詰め替え容器、動物実験反対、フェアトレード、店頭での社会運動など、今では身近になった考え方を、ビジネスの現場で早くから実践しました。
この記事では、出典を確認できる英語の名言を7つ選び、日本語訳と英語表現をやさしく解説します。
Contents
アニータ・ロディックとは?
アニータ・ロディック(1942–2007)は、英国の実業家・社会活動家です。夫の留守中、二人の娘との生活を支えるために始めた一軒の店を世界的な企業へ育てました。
ただし、彼女が残した本当の革新は規模だけではありません。「企業には社会を良くする力がある」という信念を、商品の仕入れ、容器、広告、利益の使い方まで落とし込んだことでした。
アニータ・ロディックの英語の名言7選
1.小さな会社には魔法がある
There is something magical about small companies run by people whose thinking was forged in the 60s.
「1960年代に考え方を形づくられた人々が営む小さな会社には、何か魔法のようなものがあります。」
大きさよりも、誰が、どんな思想で営んでいるか。be forged は「鍛えられる、形づくられる」という表現です。鉄を鍛造するように、時代や経験が人の信念を形づくるイメージがあります。
2.利益の使い道まで考える
You sit down and ask not only how the business should be run, but also what should be done with the profits.
「どう事業を運営するかだけでなく、その利益で何をすべきかも、腰を据えて考えるのです。」
not only A, but also B は「AだけでなくBも」。利益を出す方法に加え、利益を何に生かすかまでが経営だという、彼女らしい視点です。
3.消費者には変化を起こす力がある
As consumers, we have real power to effect change.
「消費者として、私たちには変化を実現する本当の力があります。」
ここでの effect は名詞の「効果」ではなく動詞で、「〜を引き起こす、実現する」。effect change で「変化をもたらす」という少しフォーマルな組み合わせです。
4.財布で投票する
We can use our ultimate power, voting with our feet and wallets.
「私たちは最終的な力を使えます。足と財布で投票するのです。」
vote with your feet は、不満な場所から立ち去ることで意思を示す慣用表現。彼女はそこへ wallets を加え、買う・買わないという日常の選択も一票だと伝えました。

5.店を「行動する場所」に変えた
We turned each shop into an action station.
「私たちは一つひとつの店を、行動を起こす拠点に変えました。」
turn A into B は「AをBに変える」。action station は韻を踏んだ印象的な言い方です。店頭を、ただ商品を売る場所ではなく、署名や啓発活動の場にしました。
6.年齢を重ねる女性は止められない
A woman advancing old age is unstoppable.
「年齢を重ねていく女性は、誰にも止められません。」
unstoppable は「止めることができない」。年齢を衰えではなく、経験と自由が増す過程として笑い飛ばすような一言です。40代、50代、60代から何かを始める人にもよく似合います。
7.やるべきことを、ただ進める
It makes me even more determined to just get on with things.
「それによって私は、ただ物事を前へ進めようという決意をいっそう強くしています。」
C型肝炎と自らの死を意識した晩年の発言です。get on with things は「ぐずぐずせず、やるべきことを進める」。華やかな成功談よりも、彼女の行動力の芯が伝わります。
ロディックの言葉から学べる英語表現
- effect change:変化をもたらす
- vote with your feet / wallet:立ち去ること/お金の使い方で意思を示す
- turn A into B:AをBへ変える
- unstoppable:止められない、勢いのある
- get on with things:やるべきことを進める
たとえば、仕事の場面ならこう使えます。
Let’s stop overthinking and get on with it.
考えすぎるのはやめて、取りかかりましょう。
Small choices can effect real change.
小さな選択でも、本当の変化を起こせます。
有名な「蚊」の名言は本人の言葉?
“If you think you’re too small to have an impact, try going to bed with a mosquito.”(自分は小さすぎて影響を与えられないと思うなら、蚊と一緒に寝てみなさい)という一文は、ロディックの名言としてよく紹介されます。
ただし、本人の著書やインタビューに結びつく確かな初出を確認しにくく、ダライ・ラマなど別人の言葉としても流通しています。そのため、この記事の「名言7選」には含めませんでした。言葉の内容が魅力的でも、出典が曖昧なら曖昧なまま伝えるのが誠実です。
まとめ|仕事を「自分の信念の表現」にする
ロディックの英語は、難しい単語で飾られていません。店、利益、財布、行動。生活に近い言葉で、ビジネスと社会は切り離せないと語ります。
大きなことを始めなくても、何を買うか、誰と働くか、利益や時間を何に使うかは選べます。その一つひとつを自分の信念に近づけることが、彼女のいう「変化を起こす力」なのかもしれません。
女性たちの生き方を英語の言葉から読みたい方は、世界で活躍した女性たちの英語の名言まとめもどうぞ。
出典について
- The Guardian: Dame Anita Roddick(名言1〜4)
- The Guardian: Anita Roddick celebrates 25 years of Body Shop(名言5)
- The Guardian: Interview with Anita Roddick(名言6)
- The Guardian: Anita Roddick dies aged 64(名言7)
- The Body Shop: About Us(創業情報)










