
「新しいことを始めるには、もう遅いかもしれない」。そんなふうに感じたときに思い出したいのが、アメリカにフランス料理を広めた料理家、ジュリア・チャイルド(Julia Child)です。
彼女が本格的に料理を始めたのは30代に入ってから。料理番組で人気者になったのは、さらにその後でした。完璧を装わず、失敗しても笑いながら学び続ける姿は、料理の枠を超えて「人生は何歳からでも面白くできる」と教えてくれます。
今回は、公共放送GBHが本人の著作・番組などをもとに確認した言葉を中心に、ジュリア・チャイルドの英語の名言を7つ紹介します。
Contents
ジュリア・チャイルドとは?32歳から料理を始めた遅咲きの料理家
ジュリア・チャイルドは1912年生まれのアメリカ人料理家です。第二次世界大戦後、夫ポールと暮らしたフランスで料理に目覚め、名門ル・コルドン・ブルーなどで学びました。1961年に共著『Mastering the Art of French Cooking』を出版し、1963年から始まったテレビ番組『The French Chef』で、難しいと思われていたフランス料理を家庭に届けました。
映画『ジュリー&ジュリア』では、メリル・ストリープがジュリアを演じています。映画を通して彼女の人生と英語に触れたい方は、映画『ジュリー&ジュリア』で英語を楽しむ記事もあわせてどうぞ。
ジュリア・チャイルドの英語の名言7選
1.始めるのに「遅すぎる」はない
I was 32 when I started cooking; up until then, I just ate.
日本語訳:私が料理を始めたのは32歳。それまでは、ただ食べていただけでした。
ジュリアらしいユーモアのある一言です。後に料理界の象徴となった人にも、「まだ何者でもなかった時期」がありました。今までしてこなかったことでも、今日始めれば、そこが新しい人生の出発点になります。
英語のポイント:up until then は「その時までは」。過去を振り返るときに使える自然な表現です。
初心者向け例文:Up until then, I had never studied English.(それまでは英語を勉強したことがありませんでした)

2.失敗から学び、何より楽しむ
Learn how to cook—try new recipes, learn from your mistakes, be fearless and above all have fun.
日本語訳:料理を学びなさい。新しいレシピを試し、失敗から学び、恐れず、そして何より楽しみなさい。
これは料理だけでなく、英語学習や仕事、新しい趣味にもそのまま通じます。失敗を避けることより、試して、学んで、楽しみながら続けること。その繰り返しが上達を生みます。
英語のポイント:learn from your mistakes は「失敗から学ぶ」、above all は「何よりも」です。
初心者向け例文:I learn from my mistakes.(私は失敗から学びます)
3.知るほど、創造できる
The more you know, the more you can create. There’s no end to imagination in the kitchen.
日本語訳:知れば知るほど、より多くのものを生み出せます。台所での想像力に終わりはありません。
基礎を身につけることは、自由を失うことではありません。知識や技術が増えるほど、自分らしい工夫ができるようになります。英語も、知っている単語や型が増えるほど、自分の言葉を作りやすくなります。
英語のポイント:The more A, the more B は「Aすればするほど、ますますB」という比較の型です。
初心者向け例文:The more I practice, the more confident I feel.(練習すればするほど、自信がつきます)
4.心を込めて作ることは、愛
I think careful cooking is love, don’t you?
日本語訳:心を込めて丁寧に料理することは愛だと思いませんか?
派手な言葉がなくても、時間を使い、相手を思って何かをすることは立派な愛情表現です。家族や友人のために食事を作ることだけでなく、話を聞くことや、小さな気遣いにも通じる言葉です。
英語のポイント:文末の don’t you? は「そう思いませんか?」と共感を求める付加疑問です。
初心者向け例文:Kindness is love, don’t you think?(親切は愛だと思いませんか?)
5.料理上手は、豪華さでは決まらない
Cooking well doesn’t mean cooking fancy.
日本語訳:料理が上手ということは、豪華な料理を作ることではありません。
難しく見せることと、よい仕事をすることは別です。新鮮な材料を丁寧に扱うように、人生でも大切なのは見栄えより中身。シンプルでも、相手に届くものには価値があります。
英語のポイント:A doesn’t mean B は「AだからといってBという意味ではない」。誤解をやわらかく正すときに便利です。
初心者向け例文:Being busy doesn’t mean being productive.(忙しいからといって、生産的とは限りません)
6.食べることを愛する人は、すてきな人
People who love to eat are always the best people.
日本語訳:食べることが好きな人は、いつだって最高の人たちです。
食卓は、人と人が会い、話し、笑う場所です。ジュリアにとって料理は技術だけでなく、人をつなぐ喜びでした。少し大げさで温かいこの言い方に、彼女の人柄が表れています。
英語のポイント:people who … は「…する人々」。who 以下が people を説明します。
初心者向け例文:People who smile make me happy.(笑顔の人を見ると私は幸せになります)
7.人生にはドラマが必要
Drama is very important in life: You have to come on with a bang.
日本語訳:人生にはドラマがとても大切です。華々しく登場しなくては。
ジュリアは、パンケーキでさえ正しく演出すればドラマを持てる、と続けています。ここでいうドラマは揉め事ではなく、物事を面白がり、元気よく取り組む姿勢です。年齢を重ねても、自分の人生に驚きや遊び心を加えることはできます。
英語のポイント:with a bang は「華々しく、勢いよく」というイディオムです。
初心者向け例文:Let’s start the year with a bang.(勢いよく一年を始めましょう)
ジュリアの言葉から学べる英語表現
- up until then:その時までは
- learn from mistakes:失敗から学ぶ
- above all:何よりも
- The more …, the more …:…すればするほど、ますます…
- A doesn’t mean B:AだからといってBとは限らない
- with a bang:華々しく、勢いよく
どれも料理以外の日常会話で使えます。まずは I learn from my mistakes. のような短い一文から声に出してみましょう。
何歳からでも、人生に新しいレシピを加えられる
ジュリア・チャイルドの魅力は、最初から完璧だったことではありません。大人になってから夢中になれるものを見つけ、失敗を隠さず、学ぶことそのものを楽しんだ点にあります。
「今さら」と思うことがあれば、32歳まで料理をしていなかった彼女の言葉を思い出してみてください。新しい英語、新しい趣味、新しい仕事。人生の献立には、いつからでも一品加えられます。
人生を自分の手に取り戻す女性たちの言葉は、ノラ・エフロンの英語の名言や、エリザベス・ギルバートの英語の名言でも紹介しています。
参考資料
- GBH:17 Quotes From Julia Child, Which She Actually Said
- PBS NewsHour:Julia Child Dies at the Age of 91
- Smithsonian National Museum of American History:Chris Kimball remembers Julia Child










