
「年齢を重ねたら、できることは少なくなる」——そんな思い込みを、軽やかにひっくり返してくれる人がいます。アメリカのジャーナリスト、作家、活動家のグロリア・スタイネムです。
雑誌『Ms.』の共同創刊者として、半世紀以上にわたり女性の声を社会へ届けてきたスタイネム。彼女の言葉には、誰かの決めた役割から離れ、自分の人生を自分で選び直す強さがあります。今回は、出典を確認できる英語の名言を7つ、日本語訳とやさしい英語解説つきで紹介します。
年代も分野も超えて励ましてくれる言葉を読みたい方は、女性の生き方を支える英語の名言集もあわせてどうぞ。
Contents
グロリア・スタイネムとは?
グロリア・スタイネム(Gloria Steinem)は1934年生まれ。記者・エッセイストとして社会の不平等を取材し、女性たちが自分の経験を語れる場を広げてきました。運動の象徴でありながら、上から答えを与えるのではなく、人の話を聞き、つなぎ、行動へ変えることを大切にしてきた人です。
グロリア・スタイネムの英語の名言7選
1.希望が続く理由
When people ask me why I still have hope and energy after all these years, I always say: Because I travel.
日本語訳:「長い年月を経ても、なぜ希望とエネルギーを持ち続けられるのかと聞かれたら、私はいつもこう答えます。旅をするからです」
ここでの旅は、観光だけではありません。知らない場所へ行き、違う人生に耳を傾けること。閉じかけた考えを、外の世界がもう一度開いてくれるのです。
英語ポイント:why I still have … は「なぜ今も私に…があるのか」。after all these years は「これほど長い年月を経ても」という自然な表現です。
使ってみよう:“Music still gives me hope after all these years.”(何年たっても、音楽は私に希望をくれます)
2.現実の道は、きれいに整っていない
The road is messy in the way that real life is messy.
日本語訳:「道が雑然としているのは、現実の人生が雑然としているのと同じです」
迷いも予定変更も、人生の失敗ではありません。まっすぐでない道を歩くからこそ、想像していなかった人や考えに出会えます。
英語ポイント:in the way that … は「…であるのと同じように」。messy は部屋の「散らかった」だけでなく、状況が複雑で整理しきれない様子にも使います。
使ってみよう:“My plan is a little messy, but I’m moving forward.”(計画は少しまとまっていないけれど、前には進んでいます)
3.50歳を過ぎて、本当の自分になる
Women become ourselves after 50.
日本語訳:「女性は50歳を過ぎて、本当の自分になっていくのです」
スタイネムはこの言葉を、作家キャロリン・G・ハイルブランの考えに触れながら語りました。若さを失うのではなく、周囲の期待という荷物を下ろし、自分の声がよく聞こえる年代に入る——40代から60代の私たちに、とりわけ響く見方です。
英語ポイント:become ourselves は直訳すると「私たち自身になる」。英語では「本来の自分になる」という深い意味を、短く表せます。
使ってみよう:“I’m finally becoming myself.”(私はようやく、本当の自分になってきました)
4.そして突然、自由になる
And suddenly, you’re free.
日本語訳:「そして突然、あなたは自由になるのです」
60歳ごろを「新しい国へ入るようだった」と表現したスタイネム。年齢は閉じる扉ではなく、これまで当然だと思っていた役割から離れられる入口にもなります。
英語ポイント:suddenly は「突然」。短い文では、間を置いて読むと解放感が伝わります。free は「暇な」だけでなく「束縛されていない」という意味です。
使ってみよう:“Once I said no, I felt free.”(断ったら、気持ちが自由になりました)

5.巣も、飛ぶことも、両方必要
You need a nest — birds need a nest. And they still fly.
日本語訳:「巣は必要です。鳥にだって巣が必要です。それでも鳥は飛びます」
落ち着くことと冒険することは、二者択一ではありません。安心して戻れる場所があるから、遠くへ飛べる。仕事と家庭、自立とつながりの間で迷うときにも覚えておきたい言葉です。
英語ポイント:need は「必要とする」、still はここでは「それでもなお」。対立して見える二つを、And で力強くつないでいます。
使ってみよう:“I love my home, and I still want to travel.”(家が大好きです。それでも旅もしたいです)
6.年齢には、それぞれの発見と喜びがある
Each age is different and has different discoveries and pleasures.
日本語訳:「どの年齢もそれぞれに違い、それぞれの発見と喜びがあります」
若いころと同じでなくていい。今の年齢にしか見えない景色、選べないと思っていたものを選べる喜びがあります。「もう遅い」を「今だから」に言い換えたくなる名言です。
英語ポイント:each + 単数名詞 で「それぞれの…」。主語が Each age なので動詞は has になります。
使ってみよう:“Each season has its own pleasures.”(どの季節にも、それぞれの楽しみがあります)
7.老いは、自由とご褒美の時間
Aging as a time of freedom and reward is probably a bit of a revolutionary idea for women.
日本語訳:「老いを自由とご褒美の時間と捉えることは、女性にとって少し革命的な考えなのかもしれません」
年齢を「抗うもの」ではなく「受け取るもの」として見る言葉です。積み重ねた経験があるから、笑いも反抗心も以前より自由になる。スタイネムの人生観が凝縮されています。
英語ポイント:Aging as … は「…としての老い」。a bit of a … は「ちょっとした…」という、断定をやわらげる会話表現です。
使ってみよう:“I see aging as a new beginning.”(私は年齢を重ねることを、新しい始まりだと考えています)
スタイネムの名言から学べる3つのこと
- 年齢は役割を減らすだけでなく、自由を増やす。
- 安心できる居場所と、新しい世界へ出る勇気は両立する。
- 自分の声は、一人で強くするより、誰かと語り合うことで育つ。
「何歳からでも人生を選び直せる」というテーマでは、長年の友人であり活動をともにしたジェーン・フォンダの英語の名言もよく響き合います。また、年齢を重ねても好奇心を失わない姿に励まされたい方には、ジュディ・デンチの英語の名言もおすすめです。
まとめ
グロリア・スタイネムの言葉は、「こう生きなければならない」という見えない枠を外してくれます。50歳から本当の自分になる。巣を持ちながら飛ぶ。老いを自由とご褒美として迎える——どれも、人生の後半を小さくまとめないための言葉です。
まずは一つ、気に入った英文を声に出してみてください。英語を学ぶこともまた、知らなかった自分へ会いに行く小さな旅になります。
出典
- Gloria Steinem公式サイト「My Life on the Road」
- Fresh Air Archive:Gloria Steinem interview transcript
- Feminist.com:Conversation with Gloria Steinem
- AARP:Gloria Steinem on Aging










